Excelで判定結果を○や×で表示したい場面は多いです。しかし、単純なIF関数だけでは、文字として「○」や「×」を返す必要があります。そのため、セルの表示形式で「○」や「×」を表現するテクニックが役立ちます。この記事では、IF関数と表示形式を組み合わせることで、数式で判定結果を○や×で表示する方法を解説します。
これにより、判定結果を視覚的に分かりやすく表示させることが可能になります。
【要点】IF関数と表示形式で○/×を返す方法
- IF関数で判定結果を数値で返す: 数値(例: 1や0)をIF関数の結果として返すことで、表示形式で制御しやすくします。
- セルの表示形式を「カスタム」に設定: 数値、文字列、日付などの表示形式を自由に設定できる機能を使います。
- カスタム表示形式で○/×を定義: 「条件付き書式」の考え方を応用し、数値に応じて「○」や「×」が表示されるように設定します。
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IF関数で判定結果を数値で返す
Excelで判定結果を「○」や「×」で表示するには、まずIF関数を使って判定を行い、その結果を数値で返すのが基本です。例えば、ある値が特定の条件を満たす場合は「1」(○)、満たさない場合は「0」(×)を返すように設定します。
この数値は、後でセルの表示形式を変更する際に、○や×に置き換えるための基準となります。IF関数で数値を返すことで、文字列として「”○”」や「”×”」と入力するよりも、柔軟な対応が可能になります。
カスタム表示形式の設定手順
IF関数で数値を返したセルに対して、表示形式をカスタマイズします。これにより、セルの値自体は数値のままでも、見た目上は「○」や「×」で表示させることができます。
この設定は、セルの値に直接影響を与えずに見た目だけを変更するため、データの集計や計算を妨げることなく、視覚的な分かりやすさを向上させられます。
- 判定結果を表示したいセルを選択する
IF関数で判定結果(数値)が表示されているセル、またはこれから表示させるセルを選択します。 - 「セルの書式設定」ダイアログを開く
選択したセルを右クリックし、表示されるメニューから「セルの書式設定」を選択します。または、ホームタブの「数値」グループ右下にある小さな矢印をクリックしても開けます。 - 「表示形式」タブを選択する
「セルの書式設定」ダイアログが開いたら、「表示形式」タブを選択します。 - 分類から「ユーザー定義」を選択する
「表示形式」タブの「分類」リストから「ユーザー定義」を選択します。 - 「種類」ボックスにカスタム書式を入力する
「種類」ボックスに、以下の形式で表示したい内容を入力します。○を表示する場合:
「[=1]”○”;;×を表示する場合:
「[=0]”×”;;両方を設定する場合(IF関数で1が○、0が×の場合):
「[=1]”○”;[=0]”×”;補足:
- `[=1]` は「値が1の場合」という条件を指定します。
- `”○”` は「○」という文字を表示します。ダブルクォーテーションで囲むことが必須です。
- `;`(セミコロン)は、表示形式の区切り文字です。
- 最初の `;` の前が「正の値」の表示形式、その次が「負の値」の表示形式、さらにその次が「ゼロ」の表示形式、最後に「文字列」の表示形式を定義できます。この例では、正の値と負の値、ゼロの表示形式のみを定義し、文字列は非表示にしています。
- IF関数で返される数値が1以外(例えば「合格」「不合格」など)の場合は、`[=1]` の部分を条件に合わせて変更してください。
- 「OK」ボタンをクリックする
設定が完了したら、「OK」ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。
IF関数と表示形式の組み合わせ例
ここでは、具体的なIF関数の数式と、それに合わせたカスタム表示形式の設定例を紹介します。
これにより、どのように設定すれば意図した表示になるかのイメージが掴みやすくなります。
例1: 点数が60点以上なら「○」、未満なら「×」を表示する
以下の表で、B列の点数(60点以上なら○、60点未満なら×)をC列に表示させます。
1. IF関数の入力
C2セルに以下の数式を入力します。
`=IF(B2>=60,1,0)`
この数式は、B2セルの値が60以上であれば「1」、そうでなければ「0」を返します。
2. カスタム表示形式の設定
C2セルを選択し、上記「カスタム表示形式の設定手順」のステップに従って、以下のカスタム表示形式を設定します。
「種類」ボックスに入力する内容: `[=1]”○”;[=0]”×”;`
この設定により、C2セルには「1」が表示されていても、見た目上は「○」と表示されます。B2セルが60未満で「0」が表示されている場合は、「×」と表示されます。
例2: 在庫数が1以上なら「○」、0なら「×」を表示する
以下の表で、B列の在庫数(1以上なら○、0なら×)をC列に表示させます。
1. IF関数の入力
C2セルに以下の数式を入力します。
`=IF(B2>=1,1,0)`
この数式は、B2セルの値が1以上であれば「1」、そうでなければ「0」を返します。
2. カスタム表示形式の設定
C2セルを選択し、以下のカスタム表示形式を設定します。
「種類」ボックスに入力する内容: `[=1]”○”;[=0]”×”;`
例1と同様に、C2セルには「1」が表示されていても「○」と表示され、在庫がない場合は「×」と表示されます。
例3: 判定結果が「A」なら「○」、それ以外なら「×」を表示する
IF関数で文字列を返す場合でも、表示形式で制御できます。A列の評価(「A」なら○、それ以外は×)をB列に表示させます。
1. IF関数の入力
B2セルに以下の数式を入力します。
`=IF(A2=”A”,”OK”,”NG”)`
この数式は、A2セルの値が「A」であれば「OK」という文字列を、そうでなければ「NG」という文字列を返します。この「OK」や「NG」を、表示形式で「○」や「×」に置き換えます。
2. カスタム表示形式の設定
B2セルを選択し、以下のカスタム表示形式を設定します。
「種類」ボックスに入力する内容: `[=OK]”○”;[=NG]”×”;`
このように、IF関数で返される文字列(この場合は「OK」と「NG」)を条件として指定することも可能です。これにより、IF関数の結果が「OK」のときは「○」、「NG」のときは「×」と表示されます。
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表示形式で○/×を表現する際の注意点
IF関数とカスタム表示形式を組み合わせることで、視覚的に分かりやすい判定結果を表示できます。しかし、この方法にはいくつか注意すべき点があります。
これらの注意点を理解しておくことで、予期せぬトラブルを防ぎ、より効果的にこのテクニックを活用できます。
「○/×」はあくまで表示上の表現である
カスタム表示形式で設定した「○」や「×」は、セルの値そのものではありません。セルの実際の値は、IF関数が返した数値(例: 1や0)や文字列(例: OKやNG)のままです。
そのため、このセルを他の計算や集計で利用する場合、表示されている「○」や「×」ではなく、実際の数値や文字列が参照されます。例えば、SUM関数で合計しようとしても、「○」や「×」は計算対象外となります。
条件分岐と表示形式の整合性
IF関数で設定した条件と、カスタム表示形式で定義した条件が一致していないと、意図した通りに表示されません。
例えば、IF関数で「60」を返しているのに、表示形式で「[=1]”○”;」と設定してしまうと、「○」は表示されません。IF関数の結果が「1」になる条件と、表示形式の `[=1]` が対応していることを確認してください。
「○」や「×」以外の記号も設定可能
カスタム表示形式では、「○」や「×」だけでなく、他の記号や絵文字なども表示させることが可能です。例えば、条件に応じて「▲」「▼」や、チェックマーク(✓)などを表示させることもできます。
これにより、判定結果の表現方法をさらに豊かにすることができます。ただし、使用できる記号には環境依存性がある場合もあるため、注意が必要です。
Excelのバージョンによる違い
今回紹介したIF関数とカスタム表示形式の組み合わせは、ほとんどのExcelバージョン(Excel 2019、Excel 2021、Microsoft 365など)で利用可能です。
ただし、非常に古いバージョンのExcelでは、一部の表示形式の挙動が異なる可能性もゼロではありません。基本的には、近年のバージョンであれば問題なく利用できると考えて良いでしょう。
IF関数と条件付き書式による代替案
IF関数とカスタム表示形式の組み合わせは有効ですが、より直感的に「○」や「×」を表示したい場合は、条件付き書式を利用する方法もあります。これは、セルの値自体はそのままに、条件に基づいてセルの見た目(フォントの色や背景色)を変更する機能です。
条件付き書式を使うことで、数式の結果が数値や文字列であっても、視覚的に強調表示させることが可能です。
条件付き書式の設定手順
IF関数で判定結果(数値または文字列)を返すセルを選択した状態で、以下の手順で設定します。
- 判定結果のセルを選択する
IF関数で結果が表示されているセル範囲を選択します。 - 「条件付き書式」を開く
ホームタブの「スタイル」グループにある「条件付き書式」をクリックします。 - 「新しいルール」を選択する
表示されるメニューから「新しいルール」を選択します。 - 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択する
「新しい書式ルール」ダイアログで、「ルールの種類を選択してください」の中から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。 - 数式を入力する
「次の数式を満たす場合に値を書式設定」のボックスに、条件となる数式を入力します。 - 「書式」ボタンをクリックして設定する
「書式」ボタンをクリックし、「セルの書式設定」ダイアログで「フォント」タブを選択します。 - 「フォントの色」で「○」や「×」を表示させる
「フォントの色」で、条件に合致した場合に表示したい色(例: 緑色で「○」、赤色で「×」)を選択します。必要であれば、フォントの種類も変更できます。 - 「OK」ボタンをクリックする
「セルの書式設定」ダイアログと「新しい書式ルール」ダイアログの「OK」ボタンを順にクリックして設定を完了します。
条件付き書式とカスタム表示形式の比較
| 項目 | IF関数 + カスタム表示形式 | IF関数 + 条件付き書式 |
|---|---|---|
| セルの値 | IF関数の結果(数値または文字列)がそのまま保持される | IF関数の結果(数値または文字列)がそのまま保持される |
| 見た目の変更 | セルの表示形式のみを変更し、「○」「×」などの文字を表示させる | セルのフォント色や背景色を変更し、視覚的に強調する(文字自体はIF関数の結果) |
| 設定の自由度 | 表示する文字を直接指定できる | フォント色、背景色、罫線など、より多彩な書式設定が可能 |
| 応用範囲 | 判定結果を直接「○」「×」で表示したい場合に適している | 判定結果を色やアイコンで分かりやすく示したい場合に便利。アイコンセット機能と組み合わせることも可能 |
| 集計への影響 | 表示上の「○」「×」は計算に使われない。実際の値(数値・文字列)が使われる | 表示上の書式は計算に影響しない。実際の値(数値・文字列)が使われる |
どちらの方法も一長一短があり、用途に応じて使い分けることが重要です。判定結果そのものを「○」や「×」という文字で表示したい場合はカスタム表示形式が適しています。判定結果を色などで強調したい場合は条件付き書式が便利です。
まとめ
ExcelでIF関数とカスタム表示形式を組み合わせることで、判定結果を「○」や「×」といった記号で表示できます。これにより、データの可読性が向上し、一覧性が高まります。
IF関数で数値を返し、セルの表示形式を「カスタム」に設定し、「[=1]”○”;[=0]”×”;」のような形式で入力することで、この表示を実現できます。条件付き書式も同様の目的で活用できる代替手段です。ぜひ、これらのテクニックを活用して、Excelでのデータ表示をより分かりやすくしてください。
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超解決 Excel・Word研究班
企業のDX支援や業務効率化を専門とする技術者チーム。20年以上のExcel・Word運用改善実績に基づき、不具合の根本原因と最短の解決策を監修しています。ExcelとWordを使った「やりたいこと」「困っていること」「より便利な使い方」をクライアントの視点で丁寧に提供します。
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