Outlookで大きなファイルを添付してメールを送ろうとした際、「メッセージが大きすぎるため送信できません」というエラーが表示された経験はありませんか。
このエラーは、Outlookが接続しているExchange Onlineのメール送信サイズ上限に達していることが原因です。
本記事では、Microsoft 365管理者がExchange Onlineでこの送信メールサイズ上限を変更する具体的な設定手順を解説します。
【要点】Outlookの送信メールサイズ上限を変更する設定
- Exchange Online PowerShell モジュール: PowerShellを使用してExchange Onlineに接続し、設定を変更します。
- Set-TransportConfig コマンドレット: メール送信サイズの上限を設定するコマンドです。
- Set-Mailbox コマンドレット: 特定のユーザーのメール送信サイズ上限を個別に設定します。
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目次
Exchange Onlineにおけるメール送信サイズ上限の仕組み
Microsoft 365のOutlookでは、メールの送受信サイズには上限が設けられています。この上限は、Exchange Onlineのトランスポート設定によって管理されています。
デフォルトでは、送信メールの最大サイズは25MBに設定されています。これは、メールサーバーへの負荷を軽減し、ネットワーク帯域幅を効率的に利用するための措置です。
しかし、業務上、25MBを超えるファイルをメールで送信する必要が生じる場合があります。そのような場合に、管理者はExchange Onlineの設定を変更することで、この上限を引き上げることが可能です。
管理者がExchange Online PowerShellで設定を変更する手順
メール送信サイズの上限を変更するには、Microsoft 365管理者がExchange Online PowerShellを使用する必要があります。
管理者権限を持つアカウントで、以下の手順を実行してください。
準備:Exchange Online PowerShellへの接続
まず、Exchange Online PowerShellモジュールをインストールし、接続します。
- PowerShellの起動
Windowsの検索バーに「PowerShell」と入力し、「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - Exchange Online PowerShell モジュールのインストール(初回のみ)
まだインストールしていない場合は、次のコマンドを実行します。Install-Module -Name ExchangeOnlineManagement
インストール中に確認を求められたら、「Y」を入力してEnterキーを押します。 - Exchange Online への接続
次のコマンドを実行し、Microsoft 365管理者の資格情報でサインインします。Connect-ExchangeOnline -UserPrincipalName <管理者のUPN>
例:Connect-ExchangeOnline -UserPrincipalName admin@yourdomain.com
サインイン画面が表示されたら、パスワードを入力してサインインします。
組織全体の送信メールサイズ上限を変更する手順
組織全体の送信メールサイズ上限を変更するには、Set-TransportConfig コマンドレットを使用します。
- 現在の設定値の確認(任意)
変更前に現在の設定値を確認するには、次のコマンドを実行します。Get-TransportConfig | Format-List MaxSendSize, MaxReceiveSize
これにより、現在の送信最大サイズ(MaxSendSize)と受信最大サイズ(MaxReceiveSize)が表示されます。 - 送信メールサイズ上限の変更
送信メールの最大サイズを例えば50MBに変更するには、次のコマンドを実行します。Set-TransportConfig -MaxSendSize 50MB
単位はKB、MB、GBで指定できます。例えば100MBにする場合は100MB、1GBにする場合は1GBと指定します。 - 設定の確認
変更が正しく適用されたかを確認するには、再度Get-TransportConfig | Format-List MaxSendSizeコマンドを実行します。
注意点:MaxSendSize を変更すると、組織内のすべてのユーザーの送信メールサイズ上限がこの値に変更されます。また、MaxReceiveSize も同時に変更しておくと、送受信のバランスが取れます。
特定のユーザーの送信メールサイズ上限を個別に変更する手順
組織全体の送信サイズ上限とは別に、特定のユーザーのみ上限を変更したい場合は、Set-Mailbox コマンドレットを使用します。
- 現在の設定値の確認(任意)
特定のユーザー(例: user@yourdomain.com)の設定を確認するには、次のコマンドを実行します。Get-Mailbox user@yourdomain.com | Format-List MaxSendSize, MaxReceiveSize - 送信メールサイズ上限の変更
特定のユーザーの送信メール最大サイズを例えば75MBに変更するには、次のコマンドを実行します。Set-Mailbox user@yourdomain.com -MaxSendSize 75MB
この設定は、組織全体のMaxSendSizeより優先されます。 - 設定の確認
変更が正しく適用されたかを確認するには、再度Get-Mailbox user@yourdomain.com | Format-List MaxSendSizeコマンドを実行します。
注意点:Set-Mailbox で設定した値は、そのユーザーにのみ適用されます。組織全体の MaxSendSize とは独立して動作します。ただし、ユーザーが組織全体の MaxSendSize を超えるメールを送信することはできません。
Exchange Online PowerShellからの切断
作業が完了したら、セッションを切断します。
- セッションの切断
次のコマンドを実行します。Disconnect-ExchangeOnline
新しいTeams (v2) と従来Teamsの比較
Microsoft Teamsは、新しいTeams (v2) への移行が進んでいます。Outlookのメールサイズ上限設定とは直接関係ありませんが、Teamsの利用においては、新しいインターフェースや機能の変更点に注意が必要です。
新しいTeamsは、パフォーマンスの向上や、よりモダンなユーザーエクスペリエンスを目指して設計されています。しかし、機能の提供状況や操作方法が従来バージョンと異なる場合があります。
今回のメールサイズ上限変更は、OutlookとExchange Onlineの設定であり、Teamsのバージョンに影響されるものではありません。しかし、組織全体のIT環境を理解することは、円滑な業務遂行のために重要です。
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新しいOutlook と従来Outlookの比較
Microsoft Outlookも、新しいOutlookへの移行が進んでいます。新しいOutlookは、Web版Outlookの体験をデスクトップアプリケーションに統合し、より統一されたインターフェースを提供します。
新しいOutlookでは、操作画面や一部機能の挙動が従来版と異なる場合があります。しかし、メールの送受信サイズ上限に関する設定は、バックエンドのExchange Onlineで行われるため、Outlookのバージョンによる影響は受けません。
管理者がExchange Online PowerShellで設定を変更すれば、新しいOutlook、従来Outlookのどちらを使用しているユーザーにもその設定が適用されます。
注意点とよくある問題
最大値には制限がある
Exchange Onlineでは、送信・受信メールの最大サイズに上限が設けられています。Set-TransportConfig で設定できる MaxSendSize および MaxReceiveSize の最大値は、テナントの種類やライセンスによって異なります。
一般的に、Exchange Online Plan 1 および Plan 2 では、最大 150MB まで設定可能です。これを超える値を設定しようとしても、システムによって制限されるか、意図しない動作を引き起こす可能性があります。
設定する際は、組織の要件とExchange Onlineの仕様を確認してください。
受信メールサイズ上限との関係
送信メールサイズ上限(MaxSendSize)を変更する際は、受信メールサイズ上限(MaxReceiveSize)も合わせて考慮することが重要です。
例えば、送信上限を100MBに引き上げたとしても、受信上限が25MBのままでは、相手から100MBのメールを受け取ることができません。逆に、受信上限を100MBにしても、送信上限が25MBのままでは、大きなメールを送信できません。
相手とのスムーズなメール送受信のため、両方の設定値を組織のニーズに合わせて調整してください。
設定変更が反映されない場合
設定変更後、すぐにユーザーに反映されない場合があります。Exchange Onlineの設定変更は、反映までに数分から数時間かかることがあります。
しばらく待っても反映されない場合は、以下の点を確認してください。
- 管理者権限の確認: PowerShellコマンドを実行したアカウントに、必要な管理者権限があるか確認してください。
- コマンドの入力ミス: コマンドレット名、パラメータ名、メールアドレスなどに誤りがないか、再度確認してください。
- テナント設定の制限: 組織のAzure AD (Azure Active Directory) やExchange Onlineのテナント設定で、何らかの制限がかけられている可能性があります。
- キャッシュの問題: Outlookクライアント側でキャッシュが原因で古い設定が表示されている場合があります。Outlookの再起動や、場合によってはキャッシュのクリアを試みてください。
メールで大きなファイルを送信する代わりに、SharePointやOneDriveなどのクラウドストレージサービスを利用することも有効な手段です。
これらのサービスを利用すれば、ファイルへのリンクをメールで共有できるため、メールのサイズ上限を気にする必要がなくなります。
特に、受信側がメールサーバーのサイズ上限に引っかかることを防ぐためにも、大容量ファイルの共有にはSharePointやOneDriveの活用を検討しましょう。
Mac版・モバイル版・Web版での違い
今回解説したExchange Onlineのメール送信サイズ上限設定は、サーバーサイドの設定です。
そのため、この設定は、Windows版Microsoft Outlookだけでなく、Mac版Outlook、Outlook on the web(Web版Outlook)、およびOutlookモバイルアプリ(iOS/Android)を使用しているユーザーにも適用されます。
どのプラットフォームのOutlookからメールを送信しても、Exchange Onlineで設定されたサイズ上限が適用されるため、ユーザーが利用しているデバイスやアプリケーションの種類を気にする必要はありません。
まとめ
本記事では、Microsoft 365管理者がExchange Online PowerShellを使用して、Outlookの送信メールサイズ上限を変更する手順を解説しました。
Set-TransportConfig コマンドレットで組織全体の最大送信サイズを、Set-Mailbox コマンドレットで個別のユーザーの最大送信サイズを設定できます。
これにより、業務上必要な大容量ファイルのメール送信が可能になりますが、上限設定には制限があること、受信サイズ上限とのバランス、およびSharePointやOneDriveの活用も検討しましょう。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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