iPhoneで撮影した写真をパソコンに送ったら、ファイル名が「.heic」となっていて開けない、あるいはサムネイルが表示されないといったトラブルが急増しています。これはAppleが採用している高効率な画像フォーマット(HEIF)が原因です。特別な有料ソフトを使わずに、Windows標準機能や信頼性の高い無料ツールだけで「.jpg」へ変換、あるいはそのまま表示させるための決定版ガイドを公開します。
- ⏱ 解決時間: 3分
- 💻 対象OS: Windows 10 / 11
- 🛠 難易度: 初級〜中級
- ✅ 期待効果: HEICファイルの閲覧・編集・JPG変換の完全自動化
目次
1. なぜWindowsで「.heic」ファイルが開けないのか?
HEIC(High Efficiency Image Container)は、従来のJPGに比べて約半分のファイルサイズで同等の画質を維持できる画期的な規格です。AppleはiPhoneのストレージを節約するために2017年からこれを標準採用しましたが、Windows側では標準でデコード(解析)する準備が整っていないバージョンが多く、そのままでは「フォト」アプリなどで開くことができません。
2. 解決策①:公式拡張機能を導入して「そのまま」開く
変換の手間をかけず、ダブルクリックで開けるようにしたい場合は、Microsoft Storeから拡張機能をインストールするのが最もスマートです。
- Microsoft Storeを開き、「HEIF 画像拡張」と検索します。
- [入手] または [インストール] ボタンをクリックします(無料です)。
- ※「HEVC ビデオ拡張」を求められる場合がありますが、画像のみであれば基本的にはHEIF拡張だけで表示可能です。
インストール完了後、エクスプローラーを再起動すると、HEICファイルのサムネイルが表示され、標準のフォトアプリで開けるようになります。
3. 解決策②:ブラウザだけでJPGに一括変換する(インストール不要)
「他人に送るためにJPGに直したい」という場合は、Webツールが便利です。インストール不要で、ドラッグ&ドロップだけで完了します。
- ブラウザで「iMazing Converter」または「Squoosh」(Google製)などの信頼できる変換サイトにアクセスします。
- 対象のHEICファイルを画面に放り込みます。
- 出力形式を「JPEG」に設定し、品質を選択して [Download] を押します。
注意:社外秘の写真などをアップロードする場合は、セキュリティポリシーを確認してください。オフラインで作業したい場合は、iMazing Converterのデスクトップ版(無料)を導入するのが最も安全です。
4. 再発防止:iPhone側の設定で「常にJPG」にする
今後パソコンに送る写真を最初からJPGにしておきたい場合は、iPhone側で設定変更が可能です。
- 方法A(撮影時): [設定] > [カメラ] > [フォーマット] > 「互換性優先」にチェック。これで写真は常にJPGで保存されます。
- 方法B(転送時): [設定] > [写真] > 一番下の「MACまたはPCに転送」を 「自動」に設定。これで転送時だけ自動的にJPGへ変換されます。
5. 各手法のメリット・デメリット比較表
| 手法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 公式拡張機能 | 変換不要でそのまま見れる | 他のPCに送ると結局見れない |
| Web変換ツール | ソフト不要で誰にでも送れる | クラウドへのアップロードが必要 |
| iPhone設定変更 | 根本的な解決になる | iPhoneの容量消費が増える |
まとめ:閲覧だけなら「拡張機能」、配布なら「変換」
自分のPCで中身を確認したいだけなら公式拡張機能がベストです。一方、仕事でクライアントに送る、あるいはブログ等にアップロードするのが目的であれば、WebツールでのJPG変換が欠かせません。用途に合わせて最適なルートを選び、HEICの「開けない」ストレスを解消しましょう。
