ZoomやMicrosoft Teamsでの会議中、相手から「自分の声が反響して聞こえる」「キーンという不快な音がする」と指摘されたことはありませんか? この現象(エコーやハウリング)は、スピーカーから出た相手の声をマイクが再び拾ってしまうことで発生します。単に音量を下げるだけでは解決しないことが多く、OSの設定や物理的な配置、さらには「ステレオミキサー」の干渉など、複合的な要因を一つずつ潰していく必要があります。スムーズなWEB会議を実現するための、音声トラブル完全解消ガイドを解説します。
- ⏱ 解決時間: 5分
- 💻 対象OS: Windows 10 / Windows 11
- 🛠 難易度: 初級〜中級(サウンド設定の調整)
- ✅ 期待効果: 会議中のエコー・ハウリングの根絶、通話品質の向上、周囲への不快感解消
目次
1. なぜエコーやハウリングは起きるのか?
主な原因は「音声の無限ループ」です。相手の声が自分のスピーカーから流れ、それを自分のマイクが拾って相手に送り返すと「エコー」になります。その音がさらに増幅されると「キーン」という「ハウリング」に発展します。また、PC内部で再生されている音をそのままマイク入力として流してしまう「ステレオミキサー」設定がオンになっている場合も、深刻なエコーの原因となります。
2. 解決手順①:Windows標準の「エコーキャンセル」を有効化
Windowsには、マイクが拾ったスピーカー音を自動で打ち消す機能があります。
- [スタート] > [設定] > [システム] > [サウンド] を開きます。
- 下部の [サウンドの詳細設定](または「サウンドのコントロールパネル」)をクリックします。
- [録音] タブを選択し、使用中のマイクを右クリックして [プロパティ] を開きます。
- [拡張] または [Enhancements] タブがある場合、[Acoustic Echo Cancellation](音響エコーキャンセル)にチェックを入れます。
- [OK] を押して適用します。
3. 解決手順②:「ステレオミキサー」をオフにする
意図せず自分のPCの音が相手に聞こえている場合の対処法です。
- 前述のサウンドのコントロールパネルの [録音] タブを開きます。
- 一覧に [ステレオ ミキサー] があるか確認します。
- もし「準備完了」や「既定のデバイス」になっていたら、右クリックして [無効化] を選択します。
4. 会議アプリ側(Zoom/Teams)での高度な設定
Windows側の設定で改善しない場合は、アプリ自体のノイズ除去機能を最大にします。
| アプリ | 設定箇所 | 推奨設定 |
|---|---|---|
| Zoom | 設定 > オーディオ | 「背景雑音を抑制」を [高] に、エコーキャンセルを [自動] に。 |
| Teams | 設定 > デバイス | 「ノイズ抑制」を [高] に設定。 |
5. 物理的な改善:ヘッドセットの利用が「最強」の解決策
どれだけ設定を追い込んでも、ノートPC本体のスピーカーとマイクを使っている限り、物理的な距離の近さからエコーを100%防ぐのは困難です。
- イヤホン・ヘッドセットを使う: 耳に直接音を流せば、マイクがその音を拾うことは物理的にあり得なくなります。
- マイクの向きを変える: 外付けマイクの場合、スピーカーと反対側を向けるだけでも効果があります。
まとめ:会議の質は「音声の安定」で決まる
オンライン会議において、音声のトラブルは進行を妨げる最大のノイズです。本人が気づかないうちに相手に不快感を与えていることも多いため、会議前に 「サウンド設定」でのセルフテスト を習慣化することが重要です。まずはステレオミキサーの無効化と、エコーキャンセルの確認から始めてみてください。適切な設定とイヤホンの併用だけで、あなたの声は驚くほどクリアに相手に届くようになります。
