Googleドライブを仕事で使っていると、左メニューの「共有アイテム」が、過去のプロジェクト資料や一時的な共有ファイルで溢れかえり、必要なファイルがどこにあるのか分からなくなることがあります。しかも、これらは自分がオーナーではないため、勝手に削除すると元の持ち主のデータに影響が出るのではないかと不安で手が出せないケースも多いでしょう。本稿では、データを安全に保持したまま、共有リストをクリーンに保つための整理技術を詳説します。
目次
1. Googleドライブ「共有アイテム」の特殊な仕様と注意点
整理を始める前に、「共有アイテム」が通常のフォルダ(マイドライブ)とは異なる論理構造で動いていることを理解する必要があります。
1-1. 「共有アイテム」はフォルダではなく「検索結果の履歴」
共有アイテムの中身は、実体としてのファイルがそこに「置いてある」わけではありません。誰かがあなたに閲覧権限を与えたファイルの「ショートカット履歴」が時系列で並んでいるだけの場所です。そのため、ここにファイルを溜め込んでも、あなたのGoogleドライブの容量を消費することはありません。
1-2. 削除(削除ボタン)とゴミ箱の挙動
共有アイテム内でファイルを選択して「削除(ゴミ箱アイコン)」を押した場合、それは「あなたのリストから表示を消す」という命令になります。元のファイル(オーナー側の実体)が消えることはありませんが、再度そのファイルが必要になった場合は、オーナーに再共有を依頼するか、検索窓から直接ファイル名を探す必要が出てきます。
1-3. 共有解除ができない理由
自分から「共有を解除」したい場合、自分が「閲覧者」や「編集者」であれば可能ですが、多くの場合はオーナー側が権限を管理しています。そのため、自分の画面から消すには「非表示(リストからの削除)」という操作が基本となります。
2. ファイルを消さずに整理する「ショートカット活用術」
共有アイテムの最大の問題は、フォルダ分けができないことです。この制限を打破するのが「ショートカット」機能です。
2-1. 「マイドライブ」にショートカットを作成する
必要な共有ファイルは、共有アイテムの中に放置せず、自分の「マイドライブ」内に作ったフォルダへショートカットを作成します。
- 共有アイテム内の対象ファイルを右クリック。
- 「整理」→「ショートカットを追加」を選択。
- 自分のマイドライブ内の任意のフォルダを指定して追加。
これにより、ファイルの実体はオーナーの管理下のまま、自分だけが好きなフォルダ構成で管理できるようになります。
2-2. ショートカット作成後に「共有アイテム」から削除する
マイドライブにショートカットを作成した後は、共有アイテム側のリストからそのファイルを削除しても問題ありません。ショートカットは有効なまま残り、共有アイテムのメインリストだけがスッキリします。これが、プロのGoogleドライブ整理術の基本ルーチンです。
3. 検索フィルタを駆使した一括整理テクニック
数年分溜まったファイルを一つずつ整理するのは現実的ではありません。検索オプションを使い、一気に「掃除」をしましょう。
3-1. オーナー別・期間別フィルタの活用
検索窓の右端にあるフィルタアイコンをクリックし、以下の条件で絞り込みます。
- オーナー: 特定の退職者や、終了したプロジェクトの担当者で絞り込む。
- 最終更新: 「1年以上前」などに設定し、古いファイルを抽出する。
3-2. 一括非表示の実行
絞り込まれた結果を「Ctrl + A」ですべて選択し、ゴミ箱アイコンをクリックします。前述の通り、これで実体が消えることはないため、過去の遺産を安全に自分の視界から消し去ることができます。
4. 比較表:移動(マイドライブへ) vs ショートカット作成
| 操作 | データの所在 | オーナーへの影響 | おすすめの場面 |
|---|---|---|---|
| そのまま放置 | 共有アイテム | なし | たまにしか見ないファイル |
| ショートカット作成 | マイドライブ | なし | 【推奨】日常的に使う共有ファイル |
| 実体の移動 | マイドライブ | オーナー側のフォルダから消える | 権限を完全に譲渡された場合のみ |
| リストから削除 | 非表示 | なし | 二度と使わない古いファイル |
5. まとめ:共有アイテムを「作業場」にしない
Googleドライブの共有アイテムは、あくまで「通知欄」のようなものです。そこを整理しようとするのではなく、必要なものだけを自分のマイドライブへ「ショートカット」として引き抜き、残りは定期的に一括非表示にする。このルールを徹底するだけで、情報の検索性は劇的に向上し、仕事のストレスは最小化されます。今日から「共有アイテム」の整理をルーチン化し、快適なデジタルワークスペースを手に入れてください。
