2022年11月のリリース以来、猛烈な勢いで世界を席巻しているOpenAIの「ChatGPT」。
人工知能ブームが巻き起こるなか、2023年2月にマイクロソフトから提供が開始されたChatGPTの互換サービス「Bing AI」も大きな注目を集めている。
目次
ChatGPTとBing AIの違いは「リアルタイム性」
いずれもAIモデルのGPTを利用したチャットサービスだが、Bing AIとChatGPTの違いは「リアルタイム性」。
Bing AIではChatGPTに搭載されるGPT-3.5の発展形であるPrometheusという大規模言語処理用のAIモデルを採用。マイクロソフトの検索エンジン「Bing」に利用されているBingSearchから情報を収集し、リアルタイムでの情報収集を実現しているのだ。
どのように返答がことなるのか、実際に試してみよう。
「ベジタリアンの6人でディナーパーティーを開く必要があります。チョコレートデザート付きの3品のコースメニューを提案できますか?」
Bing AIが公式サイトでお試し用の質問として挙げているのが「ベジタリアンの6人でディナーパーティーを開く必要があります。チョコレートデザート付きの3品のコースメニューを提案できますか?」とのテキスト。
具体的な商品名を返答するのがBing AIの特徴
この問いにBing AIは以下のように答える。
ベジタリアンのディナーパーティーには、色々なタイプのメニューがありますが、ここではヴィーガン(完全な菜食者)にも対応できるコースを提案します。1
前菜は「目の前で仕上げる有機野菜パレット」2がおすすめです。鮮やかな青いお皿に盛られた国産有機野菜を鉄板で焼いて、自家製のドレッシングでいただきます。野菜の旨みと香りが引き立ちます。
メインは「出汁を含む肉・魚介、卵、乳製品を一切使用しないビーガン完全対応のベジタリアンコース」3がおすすめです。大豆ミートや豆腐、きのこなどを使った料理が7品も楽しめます。まるでお肉のような食感や味わいが楽しめます。
デザートは「砂糖不使用 グルテンフリーのヘルシーで美しくなるためのスィーツ」4がおすすめです。デーツやイチヂク、くるみなどを使ったボールにココアパウダーをまぶしたものです。甘さ控えめでチョコレートの風味が楽しめます。
以上がベジタリアンの3コースメニューの提案です。いかがでしょうか?
販売店舗へのリンクとともに具体的な商品名を返答するのがBing AIの特徴だ。
ChatGPTは一般的なメニューを羅列
一方で、ChatGPTに同じ質問を投げかけると、以下の返答が。
以下は、ベジタリアン向けの3品のコースメニューの提案です。すべての料理がベジタリアンであり、デザートにはチョコレートが含まれています。
第1コース:
カボチャと胡椒のスープ
キノアサラダ
ブリュッセルスプラウトのグリル
第2コース:ピザ(トマト、モッツァレラチーズ、バジル)
パスタアルフレド
トマトとモッツァレラチーズのグリル
第3コース:チョコレートケーキ
チョコレートムース
チョコレートファッジ
これらのメニューは、ベジタリアンの方に人気のある料理を含んでいます。前菜とメインディッシュには、野菜やキノアなどのヘルシーな食材を使用しています。デザートには、チョコレートを使用した3つの選択肢があります。
リアルタイムでの検索を用いないChatGPTは一般的なメニューを羅列する。メニューの方向性の参考にするだけならChatGPTのほうが利便性が高いと言えそうだ。
根本部分で異なる特徴を持つBing AIとChatGPT。人工知能の利用者には使い分けのテクニックが問われている。