「文字を打とうとしてもアルファベットしか出ない」「右下の『あ』や『A』のアイコンに×印が付いていて、クリックしても反応しない」「半角/全角キーを押しても日本語に切り替わらない」……。
これは、Windowsの日本語入力システム(Microsoft IME)がクラッシュしている状態です。
パソコンを再起動すれば直ることもありますが、作業中で再起動できない場合や、再起動しても直らない場合があります。
この記事では、再起動せずに「入力機能だけを強制的に再起動させるコマンド」を使って、今すぐ日本語入力を復活させる手順を解説します。
目次
手順1:【最速】「ctfmon」コマンドで叩き起こす
日本語入力ができなくなる原因の9割は、裏で動いている「CTFローダー(ctfmon.exe)」というプログラムが停止していることです。
これを手動で実行すれば、一瞬で直ります。
⌨️ 復活の呪文(コマンド)
- キーボードの [Windows] + [R] キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に、以下の文字を半角で入力(コピペ)します。
ctfmon.exe - [OK] ボタンを押します。
画面には何も表示されませんが、これで裏側のプログラムが起動しました。
右下の×印が消え、「あ」や「A」に戻っているか確認してください。
手順2:IMEの設定をリセット(以前のバージョンに戻す)
Windows 10/11のアップデート後、新しいIMEと相性が悪くて不具合が起きている可能性があります。
設定画面から「以前のバージョン」に戻すことで安定します。
- タスクバーの右下にある「あ」や「A」のアイコンを右クリックし、[設定] を選びます。
(※右クリックできない場合は、[設定] > [時刻と言語] > [言語と地域] > [日本語]の[…] > [言語のオプション] > [Microsoft IME] の[…] > [キーボードオプション] と進んでください) - [全般] をクリックします。
- 一番下にある「互換性」という項目の、「以前のバージョンの Microsoft IME を使う」を [オン] にします。
- 確認画面が出るので [OK] を押します。
これでIMEが旧仕様に戻り、入力トラブルが解消されることが多いです。
手順3:日本語言語パックを入れ直す
上記でも直らない場合、日本語入力の辞書データ自体が壊れています。一度削除して入れ直します。
⚠️ 英語キーボードの追加が必要です
日本語を削除するには、一時的に「別の言語(英語など)」をメインにする必要があります。
- [設定] > [時刻と言語] > [言語と地域] を開きます。
- [言語の追加] を押し、「English (United States)」などをインストールします。
- 追加した英語を、リストの一番上に移動(優先)させます。
- 一度サインアウト(または再起動)します。
- 再度設定画面を開き、[日本語] の右メニューから [削除] を選びます。
- 削除できたら、もう一度 [言語の追加] から [日本語] をインストールし直します。
少し手間ですが、これで日本語入力機能が完全に新品の状態になります。
まとめ:再起動で直らなければ「ctfmon」
日本語入力トラブルの対処フローチャートです。
| 状況 | 対処法 | 手軽さ |
|---|---|---|
| 急に打てなくなった | 手順1:ctfmon.exeの実行 | ◎ 最速 |
| 変換がおかしい・頻発する | 手順2:以前のバージョンに戻す | ◯ 安定 |
| ×印が消えない | 手順3:言語パック再インストール | △ 手間 |
「ctfmon.exe」というコマンドは、Windows XP時代からある伝統的な修復テクニックです。覚えておくと、職場の同僚が困っている時にも颯爽と助けることができます。
