OneDriveの「オンライン専用ファイル」は、クラウド上にのみ実体を持ち、パソコンのストレージを節約できる便利な機能です。しかし、出張先やネットワークが不安定な環境では、ファイルを開くたびにダウンロードが発生し、作業に支障をきたすことがあります。そうした状況を避けるには、特定のファイルやフォルダを「常にこのデバイスに保持する」設定にしておくことが効果的です。ここでは、その具体的な設定方法と、会社のパソコンで設定が反映されない場合の対処法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: タスクトレイのOneDriveアイコン、またはファイルエクスプローラーのOneDriveフォルダ内でファイルやフォルダを右クリックします。
- 切り分けの軸: 設定が反映されない原因は「自分で変更できる個人設定」か「会社の管理者が固定したグループポリシー」かの違いです。
- 注意点: 会社のパソコンでは、管理者が特定のフォルダを常に保持するよう強制している場合があり、自分で設定を変えられないことがあります。その場合はIT部門に相談してください。
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目次
オンライン専用と「常にこのデバイスに保持」の違い
OneDriveの同期には、ファイルの状態として「オンライン専用」「ローカルで使用可能」「常にこのデバイスに保持」の3種類があります。それぞれの特徴を理解することが、適切な設定の第一歩です。
各状態の特徴
- オンライン専用: ファイルのアイコンに雲マークが表示され、実体はクラウド上のみに存在します。パソコンのストレージを消費しませんが、ファイルを開くときにインターネット経由でダウンロードが発生します。
- ローカルで使用可能: 一度でも開いたりダウンロードしたりしたファイルが、一時的にパソコンに保存されます。緑色のチェックマークが表示され、オフラインでも開けますが、容量が不足すると自動的にオンライン専用に戻る場合があります。
- 常にこのデバイスに保持: ファイルやフォルダを明示的に指定し、常にパソコンに保持する設定です。白地に緑のチェックマーク(または塗りつぶされた丸)が表示され、ストレージを消費しますが、常にオフラインでアクセスでき、自動的にオンライン専用に戻ることはありません。
どのような場面で常時保持が必要か
常時保持が役立つのは、以下のようなケースです。
- 出張先やモバイル環境で、安定したネットワークが期待できない場合。
- 容量の大きいファイル(動画、CADデータ、プレゼンテーションなど)を頻繁に編集する場合。
- オフライン中に複数のファイルを連続して参照する必要がある場合。
ファイル単位での設定手順(個人で変更可能な場合)
個人のMicrosoft 365アカウントでOneDriveを使用している場合、ユーザー自身で任意のファイルやフォルダを「常にこのデバイスに保持する」に変更できます。以下の手順で操作してください。
- タスクトレイのOneDriveアイコン(雲のマーク)を右クリックし、「設定」を開きます。
- 「アカウント」タブで「フォルダーを選択」をクリックし、同期するフォルダを確認します。ここで選択したフォルダがファイルエクスプローラーに表示されます。
- ファイルエクスプローラーで、OneDriveフォルダを開きます。
- 常に保持したいファイルまたはフォルダを右クリックし、「常にこのデバイスに保存する」を選択します。
- 状態が「常にこのデバイスに保持」に変わったことを確認します。アイコンが白地に緑のチェックマーク(または塗りつぶし)になります。
- 元に戻したい場合は、同じメニューから「空き領域を増やしてください。オンライン専用にする」を選択します。
手順は以上です。ただし、会社のパソコンでは後述するグループポリシーによってこのメニューがグレーアウトしている場合があります。
フォルダ全体を常にPCに保持する設定
フォルダ全体の一括設定
フォルダ全体を常に保持したい場合は、フォルダ自体を右クリックして同じ操作を行います。フォルダ配下のすべてのファイルが対象になります。新しいファイルが追加された場合も、自動的に常時保持状態になります。
同期の優先順位と注意
OneDriveは、設定したフォルダ内のファイルを優先的にダウンロードします。ただし、パソコンのストレージ容量が不足している場合は、同期が停止したり、エラーが発生する可能性があります。特に大きなフォルダを常時保持に設定する場合は、空き容量を事前に確認してください。
比較表:各状態の違い
| 状態 | ストレージ消費 | オフラインアクセス | 自動オンライン専用化 | アイコン |
|---|---|---|---|---|
| オンライン専用 | なし | 不可 | — | 雲 |
| ローカルで使用可能 | あり(一時的) | 可能 | される場合あり | 緑チェック |
| 常にこのデバイスに保持 | あり(永続的) | 可能 | されない | 白地に緑チェック |
管理者が設定する「自動的にダウンロード」ポリシー
グループポリシーで強制される場合
会社のパソコンでは、管理者がグループポリシーやIntuneを使って、特定のOneDriveフォルダを常に保持するよう強制していることがあります。この場合、ユーザーが右クリックメニューから設定を変更しようとしても、オプション自体が表示されないか、グレーアウトしています。管理者が設定できる主なポリシーは以下の通りです。
- 既知のフォルダーの移動: デスクトップ、ドキュメント、ピクチャをOneDriveに自動的にバックアップし、常に保持する設定。
- 特定のフォルダーの自動ダウンロード: 管理者が指定したフォルダをすべてのユーザーのPCに強制的にダウンロードさせる設定。
会社PCで自分で変更できない場合の対処
もし「常にこのデバイスに保存する」メニューが使えない場合、以下の手順を試してみてください。
- まず、パソコンがインターネットに接続されていることを確認します。オフラインでは設定がグレーアウトすることがあります。
- OneDriveの設定画面で「ファイル オンデマンド」が有効になっているか確認します。無効の場合は有効にしてください。
- それでも変更できない場合は、管理者によってポリシーで固定されている可能性が高いです。IT部門に連絡し、「このフォルダを常にローカルに保持したい」と伝えてください。管理者はユーザー単位でポリシーを調整できます。
失敗パターンと注意点
ストレージ不足による同期停止
常に保持するファイルが多すぎると、パソコンの空き容量が枯渇し、OneDriveの同期が停止したりエラーが発生したりします。特にSSD容量が少ないノートPCでは注意が必要です。定期的に不要なファイルを整理するか、外付けストレージに退避することを検討してください。
同期の競合
同じファイルを複数のデバイスで同時に編集すると、競合コピーが作成されることがあります。常に保持しているファイルはローカルで開きっぱなしになりがちなので、編集後は忘れずに保存・同期を確認しましょう。
ネットワーク負荷
大量のファイルを常に保持する設定に変更した直後は、すべてのファイルをダウンロードするため、ネットワーク帯域を大きく消費します。混雑する時間帯を避けて設定するか、IT部門に事前に相談することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q: 「常にこのデバイスに保存する」を選択しても、アイコンが変わらないのはなぜですか?
A: まず、OneDriveの設定で「ファイル オンデマンド」が有効になっているか確認してください。無効だとこの機能自体が使えません。また、会社のポリシーで上書きされている可能性もあります。
Q: 常に保持しているファイルを削除したら、クラウドからも消えますか?
A: はい、OneDriveフォルダ内でファイルを削除すると、クラウド上のファイルもごみ箱に移動します。誤って削除しないよう注意してください。
Q: バッテリー駆動時に同期を停止したいのですが、どうすればよいですか?
A: OneDriveの設定で「バッテリー駆動時に同期を一時停止する」オプションをオンにできます。ただし、常に保持しているファイルは同期を一時停止してもローカルに残ります。
Q: 家族と共有しているOneDriveフォルダを常に保持にできますか?
A: 可能です。共有フォルダも個人フォルダと同様に右クリックから設定できます。ただし、共有相手が編集したファイルは自動的に同期されます。
まとめ
OneDriveの「常にこのデバイスに保持する」設定は、オフライン環境や頻繁に使用するファイルを快適に扱うための重要な機能です。基本的な操作はファイルやフォルダの右クリックから簡単に行えますが、会社のパソコンでは管理者ポリシーによって制限される場合があるため、その際はIT部門に状況を伝えて調整を依頼してください。ストレージ容量やネットワーク負荷にも注意しながら、自分に合った同期設定を選びましょう。この記事で紹介した手順を参考に、安定したファイルアクセス環境を構築してください。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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