OneDriveの同期が突然止まってしまうと、業務に大きな支障が出ます。特に、個人アカウントは正常に同期しているのに、会社アカウントだけが停止するケースでは、原因が絞りやすくなります。多くの場合、Windowsが記憶している認証情報(資格情報)が古くなっているか、何らかの理由で無効化されていることが原因です。この記事では、会社アカウントの同期だけ止まる場合に、資格情報を安全に更新する方法を詳しく解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: タスクトレイのOneDriveアイコン(雲マーク)の状態を確認します。×印や停止アイコンが出ている場合は、同期の問題が発生しています。また、OneDriveの設定画面でアカウントタブを開き、会社アカウントが「サインインが必要」と表示されていないか確認します。
- 切り分けの軸: 端末側の要因(資格情報の有効期限切れ、キャッシュ破損)と、アカウント側の要因(パスワード変更、多要素認証のポリシー変更、アカウントの無効化)を分けて考えます。さらに、ネットワークのプロキシやファイアウォールが影響していないかも確認します。
- 注意点: 会社PCでは、管理者によってセキュリティポリシーが設定されています。特に、資格情報マネージャーで項目を削除したり変更したりすると、他のサービスにも影響を与える可能性があります。必ず管理者の指示に従うか、作業前に相談してください。
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目次
会社アカウントの同期だけ止まる原因
OneDriveで会社アカウントの同期だけが止まる場合、主に以下の原因が考えられます。
- 資格情報の有効期限切れ: Windowsの資格情報マネージャーに保存されている会社アカウントのパスワードやトークンが、パスワード変更や一定期間経過により無効になっている。
- 多要素認証(MFA)の変更: 会社が多要素認証を導入している場合、認証方法(アプリ通知、SMSなど)が変更されたり、新しいデバイスの登録が必要になったりすると、同期が停止することがあります。
- 条件付きアクセスポリシーの影響: 管理者が特定のIPアドレスやデバイスからのアクセスを制限するポリシーを変更した場合、該当する端末からは接続できなくなります。
- プロキシやファイアウォールの変更: 社内ネットワークの設定変更により、OneDriveの通信がブロックされる場合があります。
特に資格情報の期限切れは頻繁に発生するため、まず資格情報の更新を試みることが効果的です。次に、具体的な手順を説明します。
資格情報の更新手順(Windows資格情報マネージャー)
Windows資格情報マネージャーを使って、保存済みの会社アカウントの資格情報を更新する手順です。この方法は、サインアウトせずに資格情報だけをリフレッシュできるため、即効性があります。
- タスクバーの検索ボックスに「資格情報マネージャー」と入力し、表示されたアプリを開きます。
- 「Windows 資格情報」を選択します。「一般的な資格情報」ではなく、「Windows 資格情報」のタブをクリックしてください。
- 「資格情報の一覧」から、会社アカウントに関連するエントリを探します。通常は「MicrosoftOffice16_Data:ADAL:…」や「MicrosoftOffice16_Data:STS:…」のような名前で、つづいてUPN(ユーザープリンシパル名)やテナントIDが表示されています。
- 該当するエントリをクリックして展開し、「編集」を選択します。パスワード欄に最新のパスワードを入力し、「保存」をクリックします。多要素認証を使用している場合は、パスワードだけでは不十分なため、次の手順でサインインし直す必要があります。
- 編集が完了したら、エクスプローラーでOneDriveフォルダを開き、同期が再開されたか確認します。それでも同期しない場合は、以下の代替手段を試してください。
注意:資格情報マネージャーでエントリを削除してしまうと、他のMicrosoftサービス(Outlook、Teamsなど)のサインインも解除される可能性があります。絶対に削除せず、編集のみを行ってください。
手順の補足:多要素認証(MFA)対応の場合
会社がMFAを有効にしている場合、パスワードだけでは認証が完了しません。資格情報マネージャーでのパスワード更新後も同期が復旧しない場合は、以下の「サインアウトとサインイン」の手順を実施してください。サインイン時にMFAのチャレンジが発生し、新しいトークンが発行されます。
代替手段:サインアウトとサインイン
資格情報マネージャーで解決しない場合、OneDriveから会社アカウントをサインアウトして再サインインします。これにより、最新の認証情報が端末に保存されます。
- タスクトレイのOneDriveアイコン(雲マーク)を右クリックし、「設定」を選択します。
- 「アカウント」タブを開き、会社アカウントの横にある「このPCからリンクを解除する」をクリックします。確認ダイアログで「アカウントのリンクを解除」を選びます。
- サインアウトが完了したら、同じ画面で「サインイン」ボタンをクリックします。会社のメールアドレスを入力し、パスワードを入力します。多要素認証が求められた場合は、画面の指示に従って認証を完了します。
- サインイン後、OneDriveの同期が自動的に開始されます。同期フォルダの場所は以前と同じでも問題ありませんが、場合によっては再同期に時間がかかることがあります。
この方法は確実ですが、サインアウト中はそのアカウントのファイルにアクセスできなくなります。また、大量のファイルがあると再同期に時間がかかるため、時間に余裕があるときに行ってください。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 資格情報マネージャー編集 | 同期を中断せずに更新、手軽 | MFA非対応、エントリ特定が難しい場合あり |
| サインアウト&サインイン | MFA対応、確実にトークン更新 | 同期停止時間あり、再同期に時間 |
失敗パターンと対処法
資格情報更新の際によくある失敗パターンを紹介します。同じ状況になった場合は、記載の対処法を試してください。
- 資格情報エントリが見つからない: OneDriveの資格情報は「一般的な資格情報」に保存されている場合もあります。両方のタブを確認してください。それでも見つからない場合は、コマンドプロンプトで「rundll32.exe keymgr.dll,KRShowKeyMgr」を実行して古い資格情報マネージャーを開き、そこから探すことも可能です。
- パスワードを変更したが反映されない: パスワード変更後、しばらく時間をおかないと同期サーバーに反映されないことがあります。また、Webブラウザで一度サインインし直してから、資格情報を更新すると成功率が上がります。
- サインアウト後にサインインできない: 多要素認証の設定が端末と合っていない可能性があります。管理者に問い合わせて、正しい認証方法を確認してください。
- 「このPCからリンクを解除する」がグレーアウトしている: グループポリシーでサインアウトが禁止されている場合があります。管理者に連絡してください。
管理者に確認すべき設定
上記の方法で解決しない場合、管理者側の設定が原因である可能性があります。以下の情報を管理者に伝えることで、問題解決がスムーズになります。
- 多要素認証のポリシー: 「すべてのユーザーにMFAを強制」などの変更があった場合、新しい認証方法に対応する必要があります。
- 条件付きアクセス: 特定のIPアドレス範囲やデバイスのコンプライアンス状態が原因でアクセスが拒否されている可能性があります。
- アカウントの状態: アカウントが無効化されていないか、ライセンスが有効か確認してもらいましょう。
- OneDriveの同期制限: 管理者がOneDriveの同期にファイルサイズ制限やファイルタイプ制限をかけている場合、特定のファイルが同期できないことがあります。
管理者へ連絡する際は、「個人アカウントは同期するが会社アカウントだけ同期しない」「資格情報を更新しても改善しない」といった具体的な症状を伝えてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人アカウントは同期するのに、会社アカウントだけ止まるのはなぜですか?
A. 個人アカウントと会社アカウントでは認証基盤が異なります。会社アカウントはAzure Active Directory(現Microsoft Entra ID)で管理され、多要素認証や条件付きアクセスなどのセキュリティポリシーが適用されているため、端末側の資格情報が古くなると会社アカウントだけ同期できなくなることがあります。
Q. 資格情報マネージャーでエントリを削除しても安全ですか?
A. 削除すると、OutlookやTeamsなど他のMicrosoftサービスでもサインインが切れる可能性があります。削除ではなく、編集を行ってください。もし誤って削除した場合は、該当サービスにサインインし直すことで資格情報が再作成されます。
Q. 同期が止まった状態で新しいファイルを追加するとどうなりますか?
A. 同期が止まっている間は、OneDriveフォルダに追加したファイルはローカルに保存されますが、クラウドにアップロードされません。同期が復旧した後に自動的にアップロードが開始されます。同期が長期間停止していると、ファイルが失われるリスクは低いですが、バックアップとして別の場所にも保存しておくことをおすすめします。
Q. 会社のポリシーで資格情報マネージャーを開くことが禁止されています。どうすればよいですか?
A. その場合は、サインアウト&サインインの方法を試すか、管理者に連絡して資格情報のリセットを依頼してください。管理者はAzure ADからユーザーのセッションを無効化することで、強制的に再サインインさせることができます。
まとめ
OneDriveで会社アカウントの同期だけが止まる場合、最初に試すべきは資格情報の更新です。Windows資格情報マネージャーでパスワードを編集するか、OneDriveからサインアウトして再サインインすることで、多くの問題が解決します。多要素認証が有効な環境では、サインアウト&サインインの方が確実です。もしこれらの方法で解決しない場合は、管理者に連絡してアカウントやポリシーの状態を確認してもらいましょう。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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