Power Automateでフローを作成・編集していると、突然「このフローはマネージドソリューションの一部です」というメッセージが表示されて操作ができなくなることがあります。このような状況は、組織の管理ポリシーやソリューションの構成が原因で発生します。本記事では、マネージドソリューションに関連するつまずきの原因を特定し、会社の環境で安全に再設定する方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: ソリューションのプロパティ画面で「管理」と表示されているかどうかを確認します。表示されていればマネージドソリューションです。
- 切り分けの軸: ソリューションが管理対象か非管理か、自分が作成したものか組織の標準提供品かを区別します。管理対象かつ自分以外が作成した場合は直接編集しないでください。
- 注意点: 管理ソリューションを安易に削除したり編集したりすると、他のフローやアプリに影響を与える可能性があります。必ず管理者に確認してから作業を進めてください。
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マネージドソリューションとは何か
Power Platformにおけるソリューションは、フロー、エンティティ、アプリなどを一つのパッケージとして管理するための機能です。ソリューションには「管理」と「非管理」の2種類があります。マネージドソリューションは、組織の管理者がDynamics 365やサードパーティ製アプリと一緒に配布することを想定して作成されたもので、通常は編集や削除が制限されています。会社の環境でPower Automateを利用する際、あらかじめインストールされているマネージドソリューションにフローが含まれていると、個人で変更できずに困ることがあります。この状態は、意図しない設定変更を防ぐためのセキュリティ対策でもありますが、業務上の柔軟性を損なう場合もあるため、適切な対処が必要です。
マネージドソリューションかどうかは、ソリューション一覧画面でアイコンや「管理」ラベルで判別できます。また、Power Automateのフロー詳細画面でも「ソリューション」フィールドに表示される場合があります。自分が作成した非管理ソリューションであれば自由に編集できますが、組織内の標準ソリューションとして配布されているものは影響範囲が広いため注意が必要です。
つまずきの原因を特定する
マネージドソリューションでつまずくケースは、主に以下の症状として現れます。それぞれの原因と対処法を比較表にまとめました。
| 症状 | 考えられる原因 | 安全な対処法 |
|---|---|---|
| フローを編集できない | フローがマネージドソリューションに含まれている、または自分に編集権限がない | 非管理ソリューションにフローをエクスポートして再作成するか、管理者に権限変更を依頼 |
| フローを削除できない | フローがマネージドソリューションの一部で、削除が禁止されている | 最初にソリューション自体を非管理に変更する必要がある(ただし安全な手順で) |
| ソリューションをエクスポートできない | ソリューションが管理対象であり、エクスポートが制限されている | 非管理の複製を作成し、そこからエクスポートする方法を検討 |
管理ソリューションと非管理ソリューションの見分け方
Power Automateの左メニューから「ソリューション」を選択し、一覧を表示します。各ソリューションの「種類」列に「管理」または「非管理」と表示されます。また、ソリューション名の横に鍵アイコンがある場合も管理ソリューションです。自分が作成した非管理ソリューションは自由に編集できますが、組織の標準として配布されたマネージドソリューションは変更が制限されています。もし自分のフローが誤って管理ソリューションに追加されてしまった場合は、後述の手順で非管理ソリューションに移行することを検討してください。
安全な再設定のための事前準備
マネージドソリューションの再設定を行う前に、必ず以下の準備を実施してください。特に、管理者への確認とバックアップの取得は不可欠です。
管理者に確認する事項
- 現在問題となっているソリューションが組織の業務に必須かどうか。必須の場合は独自に変更せず、管理者に代替案を相談してください。
- フローを非管理ソリューションに移行する許可が得られるか。場合によっては管理者が専用の開発環境を用意してくれることもあります。
- 他のユーザーやシステムに影響を与えないかどうか。マネージドソリューションは複数のフローやアプリに関連している可能性があるため、影響範囲を事前に確認してください。
バックアップの作成
- Power Automate画面で該当のフローを開き、「エクスポート」ボタンをクリックします。ただしマネージドソリューション内のフローは直接エクスポートできない場合があるため、その場合は画面のスクリーンショットを取得したり、トリガーやアクションの内容をメモに残しておきます。
- 可能であれば、フローのJSON定義を「編集」モードからコピーしてテキストファイルに保存します。管理ソリューションの場合は編集画面自体が開けないことがありますが、読み取り専用の詳細画面から情報を収集してください。
- 関連するコネクタや参照している環境変数があれば、それらの設定も記録しておきます。
具体的な再設定手順
以下の手順は、マネージドソリューションに含まれるフローを安全に再設定するための一般的な流れです。すべての操作は、管理者の許可を得た上で行ってください。
- 手順1:ソリューションの種類を確認する
Power Automateの「ソリューション」一覧を開き、問題のフローが含まれているソリューションを特定します。そのソリューションの「種類」が「管理」になっていることを確認します。 - 手順2:非管理ソリューションを作成する
「ソリューション」画面で「+新しいソリューション」をクリックし、表示名と名前(半角英数字)を入力し、発行元をデフォルトのまま「作成」します。これで非管理の空のソリューションが作成されます。 - 手順3:フローを非管理ソリューションにコピーする
マネージドソリューション内のフローを開き、「保存」アイコンの横にある「…」から「コピー」を選択します(可能な場合)。コピー先として先ほど作成した非管理ソリューションを指定します。コピーができない場合は、フローの内容を手動で再現する必要があります。そのため、事前にバックアップした情報を元に新しいフローを非管理ソリューション内に作成します。 - 手順4:新しいフローをテストする
非管理ソリューション内に作成したフローが正常に動作するかテストします。元のフローと同じトリガーとアクションが設定されていることを確認し、必要に応じて微調整します。 - 手順5:元のマネージドソリューションからフローを削除する(管理者連携)
動作確認が完了したら、管理者に連絡して元のマネージドソリューションから古いフローを削除してもらうか、自分に削除権限がある場合は削除します。ただし管理ソリューションの場合は直接削除できないことが多いため、管理者が非管理に変換するか、別の方法で対応します。安全のため、削除は行わずに無効化するだけの選択肢もあります。 - 手順6:ソリューションをエクスポートしてバックアップを取得する
新しい非管理ソリューションをマネージドソリューションに変換する必要がない場合は、そのまま運用します。ただし組織のポリシーで管理ソリューションとして配布する必要がある場合は、管理者が非管理ソリューションを管理ソリューションに変換する作業を行います。変換後は再び編集制限がかかるため、その前に必ず最新のバックアップをエクスポートしておきます。
失敗パターンと回避方法
マネージドソリューションの再設定でよく見られる失敗と、その回避方法を紹介します。
- 失敗パターン1:権限不足でコピーできない
フローのコピーには適切な権限が必要です。エラーが出た場合は、自分のセキュリティロールが「環境作成者」以上であることを確認してください。足りない場合は管理者に権限を依頼します。 - 失敗パターン2:コピー後にトリガーが正しく動作しない
コピーや手動再作成の際に、コネクタの接続参照が引き継がれないことがあります。コピー後に各アクションの接続を確認し、必要に応じて再認証を行ってください。 - 失敗パターン3:元のソリューションを誤って削除してしまう
管理ソリューションであっても、削除権限がある場合は削除できてしまいます。削除すると同一ソリューション内の他のフローやアプリにも影響が出るため、削除は管理者の指示がある場合のみ行ってください。安全のため、まずはフローを無効化するだけにとどめることをおすすめします。
よくある質問
Q1. マネージドソリューションを自分で非管理に変更できますか?
通常、一般ユーザーがマネージドソリューションを非管理に変更することはできません。これは管理者のみが行える操作です。変更が必要な場合は、Power Platform管理センターまたはPowerShellを使用して管理者が対応します。ただし、非管理ソリューションを新たに作成してそこにフローを移行する方法は、自分で行える場合があります。
Q2. フローを削除したいが「管理ソリューションの一部」と表示される
そのフローは組織の標準ソリューションに含まれている可能性が高いです。無理に削除しようとせず、管理者に連絡してください。管理者は該当ソリューションの管理レイヤーを解除するか、フローを個別に削除する権限を持っています。
Q3. 非管理ソリューションに移行したフローは、元のマネージドソリューションに戻せますか?
戻すことは可能ですが、再度管理ソリューションに変換するには管理者の作業が必要です。また、変換後は編集制限が再度かかるため、変更が必要な場合は非管理のまま運用することをおすすめします。組織のポリシーで管理ソリューションが義務付けられている場合は、管理者と相談の上で対応してください。
まとめ
Power Automateのマネージドソリューションでつまずいた場合、まずはソリューションの種類を確認し、編集や削除が制限されている原因を特定することが重要です。管理者への確認とバックアップを必ず行い、安全な非管理ソリューションへの移行手順を踏むことで、業務に支障をきたさずに再設定できます。無理に管理ソリューションを直接操作せず、適切な権限と手順を守ることで、会社の環境を安定して維持しながらフローを活用し続けることができます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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