Power Automateで承認フローを運用していると、承認者を変更する「承認の再割り当て」アクションで権限エラーが発生することがあります。このエラーは、割り当て先ユーザーの指定方法が間違っている場合や、承認の状態が再割り当て不可の状態にある場合に起こります。また、フローを実行するユーザーに十分な権限がないケースも原因として考えられます。本記事では、権限エラーの原因を特定し、正しい入力値の指定方法と条件分岐の修正手順を詳しく解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: フローの実行履歴に表示されるエラーメッセージ(HTTP 403 Forbidden、BadRequest など)と、承認の状態(保留中かどうか)を確認します。
- 切り分けの軸: 端末側の設定ではなく、Power Automateのコネクタ権限・アカウントのライセンス・承認の状態の3つに絞って調査します。
- 注意点: 会社PCでPower Automateの設定を変更する際は、テナント管理者またはPower Automate管理者に許可を得てから行ってください。特にコネクタの共有やカスタムコネクタの使用は管理ポリシーに影響される場合があります。
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目次
権限エラーの主な原因と確認すべきポイント
承認の再割り当てで発生する権限エラーは、大きく3つの原因に分類できます。それぞれの原因を正しく特定するために、フローの実行履歴を確認し、エラーメッセージを読み解くことが第一歩です。
原因1: 割り当て先ユーザーの指定形式が誤っている
「承認の再割り当て」アクションの「割り当て先」パラメータには、ユーザーのユーザープリンシパル名(UPN)またはユーザーID(GUID)を指定する必要があります。よくある間違いは、表示名やメールアドレス(UPN以外)を入力してしまうことです。また、複数のユーザーに再割り当てする場合は、セミコロン区切りでUPNを並べる必要がありますが、カンマやスペースで区切るとエラーになります。
原因2: 承認が既に完了している
承認の状態が「承認済み」「却下済み」など、既に完了している場合は再割り当てができません。この状態で再割り当てを実行すると、HTTP 400 Bad Request エラーが発生します。フローの設計時に、承認の状態を条件分岐でチェックし、再割り当てのアクションを実行する前に保留中であることを確認する必要があります。
原因3: フローを実行するユーザーに十分な権限がない
承認の再割り当てを実行するには、元の承認者(作成者)またはテナント管理者である必要があります。また、フローが使用するコネクタの権限(承認コネクタ)が正しく設定されていないと、403 Forbiddenエラーになります。特に、フローが「承認者として実行」する設定になっている場合は、実行ユーザーの権限が直接影響します。
承認の再割り当てに必要な権限と入力値の正しい指定方法
必要な権限の種類
承認の再割り当てを実行するための権限は、以下の表のように整理できます。自分の環境に合った権限設定を確認してください。
| 権限の種類 | 説明 | 再割り当て可能か |
|---|---|---|
| フロー所有者 | フローを作成したユーザー | 常に可能 |
| 承認者(現在の割り当て先) | 承認アクションで現在指定されているユーザー | 可能(ただし、承認の状態が保留中の場合のみ) |
| テナント管理者 | グローバル管理者またはPower Automate管理者 | 可能 |
| その他ユーザー | 上記以外のユーザー | 不可(403エラー) |
割り当て先の正しい入力値
「割り当て先」パラメータに入力する値は、ユーザープリンシパル名(例: user@contoso.com)またはAzure ADのオブジェクトID(GUID)です。メールアドレスがUPNと異なる場合は、UPNを指定してください。複数人に再割り当てする場合は、セミコロンで区切ります(例: user1@contoso.com;user2@contoso.com)。末尾に余分なスペースがあるとエラーになるため、トリミングを行うか、動的コンテンツから直接選択することを推奨します。
条件分岐を使ったエラー回避の実装手順
権限エラーを未然に防ぐために、承認の状態を条件分岐で確認してから再割り当てを実行するフローを設計します。以下の手順に従って実装してください。
- 承認IDの取得: フローのトリガーまたはアクションで、再割り当てしたい承認の「承認ID」を動的コンテンツとして取得します。承認が複数ある場合は、ループ処理などで個別に処理します。
- 「承認の取得」アクションを追加: 「承認」コネクターにある「承認の取得」アクションをフローに追加し、承認IDを指定して承認の詳細(状態など)を取得します。
- 条件分岐(コントロール)を追加: 「条件」アクションを追加し、左側に「承認の状態」(承認の取得の出力から選択)、条件を「次の値に等しい」、右側に「保留中」と入力します。これにより、保留中の場合のみ再割り当てを実行できます。
- 再割り当てアクションを配置: 条件の「はいの場合」の分岐内に「承認の再割り当て」アクションをドラッグします。承認IDと割り当て先のパラメータを正しく設定します。割り当て先は動的コンテンツや変数から指定すると、誤入力を防げます。
- エラーハンドリングを追加: 条件の「いいえの場合」の分岐には、承認が保留中でない場合の処理を記述します。例えば、メール送信アクションを使って管理者に通知するフローを追加しておくと、再割り当てできなかった理由を追跡できます。
- フローの保存とテスト: フローを保存し、実際に承認の再割り当てをテスト実行します。実行履歴でエラーが出ていないか確認し、必要に応じて条件や入力値を見直します。
失敗パターンと具体的な修正例
失敗パターン1: 割り当て先に表示名を指定してしまった
例えば、割り当て先に「山田太郎」と入力するとエラーになります。正しくは「yamada.taro@contoso.com」のようなUPN形式です。修正方法は、動的コンテンツで「ユーザープリンシパル名」を選択するか、Office 365ユーザーのプロパティからUPNを取得するように変更します。
失敗パターン2: 承認が既に完了しているのに再割り当てしようとした
フローの設計時に条件分岐を入れていなかった場合、承認が完了しているとHTTP 400エラーになります。修正例として、前述の条件分岐の実装手順を追加し、「承認の状態」が「保留中」の場合のみ再割り当てを実行するようにします。
失敗パターン3: フローの実行ユーザーに適切な権限がない
例えば、フローが共有されており、実行ユーザーがフロー所有者でも承認者でもない場合、403エラーが発生します。この場合、フローの所有者を変更するか、実行ユーザーに「承認の再割り当て」の権限を付与する必要があります。管理者に依頼して、該当ユーザーを承認者として追加してもらうか、フローを「所有者のみ実行」から「承認者も実行可能」に変更します。
管理者に確認しておくべき設定項目
権限エラーが解決しない場合、テナント全体のPower Automate設定やライセンスが原因である可能性があります。以下の項目を管理者に確認してください。
- Power Automateライセンス: 承認コネクタの使用には、ユーザーごとにPower Automateのプレミアムライセンス(有料)が必要な場合があります。フローがプレミアムコネクタを使用しているかどうかを確認し、必要に応じてライセンスを割り当ててもらいます。
- データ損失防止(DLP)ポリシー: 組織のDLPポリシーにより、承認コネクタと他のコネクタの組み合わせが禁止されている可能性があります。管理者にポリシーを確認してもらい、必要な緩和措置を依頼します。
- 承認の設定: Power Automate管理センターで「承認の再割り当てを許可」などの設定が有効になっているか確認します。無効になっていると、再割り当てアクション自体がエラーになります。
- カスタムコネクタの使用: もし標準の承認コネクタではなくカスタムコネクタを使っている場合、そのコネクタの権限設定が適切かどうか確認します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 権限エラーが出たとき、最初に確認すべきことは何ですか?
まず、フローの実行履歴を開き、エラーの詳細メッセージを確認してください。HTTP 403であれば権限不足、400であれば入力値または承認状態が原因の可能性が高いです。次に、承認の状態を手動で確認し、保留中かどうかを確かめます。
Q2. 再割り当てできない承認がある場合、手動で対処できますか?
はい、Power Automateの承認センター(make.powerautomate.com > 承認)から手動で再割り当てが可能です。ただし、この操作にも必要な権限(承認者または管理者)が必要です。手動で再割り当てできる場合は、フローの入力値や条件分岐を見直す必要があります。
Q3. 複数の承認を一括で再割り当てするにはどうすればよいですか?
「申請のリスト」アクションで対象の承認を取得し、ループ処理内で条件分岐と再割り当てを繰り返します。各ループで承認IDを正しく指定し、レート制限に注意して設定してください。
まとめ
権限エラーを防ぐには、割り当て先の入力形式(UPN)の正確さと、承認の状態を条件分岐でチェックすることが不可欠です。フローの実行履歴を確認してエラー原因を切り分け、必要な権限が付与されているか管理者に問い合わせることも重要です。本記事で紹介した手順と修正例を参考に、安定した承認の再割り当てフローを構築してください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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