Power Automateで他のユーザーと共有しているフローが突然停止し、「接続の再認証が必要です」といったエラーが表示されることがあります。このエラーは、共有接続の有効期限切れや、データ損失防止(DLP)ポリシー、ライセンスの変更が原因で発生します。しかし、単に再認証しようとしても、権限不足やポリシー違反で操作が完了しないケースが少なくありません。本記事では、共有接続の再認証でつまずいたときに、DLPポリシーとライセンスの観点から原因を切り分け、適切な対応を取る方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Power Automateの「接続」一覧ページで、該当接続の状態(「接続済み」「期限切れ」「エラー」)を確認します。
- 切り分けの軸: エラーが「ユーザー単位の権限不足」なのか、「DLPポリシーによるブロック」なのか、「ライセンスの不足」なのかを、エラーメッセージと管理センターの設定から判断します。
- 注意点: 会社PCでDLPポリシーやライセンス割り当てを変更する際は、必ずPower Platform管理者またはグローバル管理者の権限が必要です。個人で変更しようとせず、管理者に依頼してください。
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共有接続の再認証エラーの主な原因
共有接続の再認証エラーは、以下の3つの要因が重なることで発生します。それぞれの要因を理解しておくことで、エラーメッセージの見方が変わります。
接続の有効期限切れ
Power Automateで使用する接続(Outlook、SharePoint、Teamsなど)には、OAuthトークンの有効期限があります。一般的に、アクセストークンは1時間、リフレッシュトークンは90日間有効です。共有フローが長期間実行されなかった場合、リフレッシュトークンが期限切れとなり、再認証が必要になります。このとき、接続の所有者(フローを共有した元のユーザー)が再認証を行えば問題ありませんが、所有者が退職や異動で不在になると、他の共有ユーザーが代わりに再認証しようとした際に権限エラーが発生することがあります。
DLPポリシーによる接続のブロック
組織のPower Platform管理者は、データ損失防止(DLP)ポリシーを設定して、特定のコネクタの使用を制限できます。たとえば、「SharePointとOneDriveは許可するが、サードパーティコネクタは禁止する」といったポリシーが適用されている場合、該当する接続の再認証が拒否されることがあります。特に、共有フローに含まれるコネクタがポリシーの対象外になったり、ポリシーが厳格化されたりすると、再認証時に「このコネクタは組織のポリシーで許可されていません」というエラーが表示されます。
ライセンスの不足または変更
Power Automateには、無料のOffice 365ライセンスに含まれる「Power Automate for Office 365」と、有償の「Power Automate 有償プラン」があります。共有フローが有償プラン専用のコネクタ(例:SQL Server、Azure DevOpsなど)を使用している場合、そのフローを共有されたユーザーに適切なライセンスが割り当てられていないと、フローの実行や再認証が失敗します。また、組織でライセンスの見直しが行われ、一部のユーザーからライセンスが剥奪された場合も同様の問題が起こります。
再認証エラー発生時の切り分け手順
以下の手順に沿って、エラーの原因を特定します。手順はPower Automateメーカー(ユーザー)側と、管理者側の両方を含みます。
- エラーメッセージを確認する:フローの実行履歴または通知に表示されるエラーメッセージを記録します。「接続の再認証が必要です」という一般的なメッセージの他に、「このコネクタは許可されていません」「ライセンスが不足しています」などの具体的な文言があれば、原因の手がかりとなります。
- 接続の状態を確認する:Power Automateポータル(make.powerautomate.com)にサインインし、左メニューの「データ」→「接続」を開きます。該当する接続の状態を確認します。「期限切れ」または「エラー」と表示されている場合は、その接続を選択し「編集」または「再認証」を試みます。
- 再認証を実行する:接続を選択し、「編集」をクリックして再度資格情報を入力します。このとき、自分が接続の所有者である場合(フローを作成した本人)は、通常これで解決します。しかし、自分がフローを共有されただけのユーザーである場合、再認証ボタンがグレーアウトしている、または「権限がありません」と表示されることがあります。その場合は、フロー所有者に再認証を依頼するか、フローを自分でコピーして新しい接続を作成する必要があります。
- DLPポリシーを確認する(管理者権限が必要):Power Platform管理センター(admin.powerplatform.microsoft.com)に管理者としてサインインし、「ポリシー」→「データポリシー」を開きます。環境(Environment)ごとに設定されているDLPポリシーを確認し、該当のコネクタが「ブロック」または「許可されていないビジネスデータグループ」に分類されていないかをチェックします。もしブロックされている場合は、ポリシーを編集してコネクタを許可するか、例外として特定の環境だけ許可する設定を行います。
- ライセンス割り当てを確認する:Microsoft 365管理センター(admin.microsoft.com)に管理者としてサインインし、「ユーザー」→「アクティブユーザー」で該当するユーザーを選択します。「ライセンスとアプリ」タブで、Power Automateのライセンスが割り当てられているか確認します。無料の「Power Automate for Office 365」はOffice 365 E3/E5などに含まれていますが、有償プラン(Power Automate per user/flow)が必要なコネクタを使用している場合は、適切なプランが割り当てられているか確認します。
- 環境のタイプを確認する:Power Automateには「既定環境」「生産環境」「サンドボックス環境」などがあり、環境のタイプによってDLPポリシーやライセンスの適用範囲が異なります。フローが配置されている環境が何であるかを確認し、その環境に適用されているポリシーとライセンス要件を再確認します。
原因別の症状と対応の比較
以下の表は、主な原因ごとに典型的な症状と推奨される対応をまとめたものです。エラー発生時にまずこの表を参照すると、原因の切り分けが迅速に行えます。
| 原因 | 症状(エラーメッセージ例) | 対応 |
|---|---|---|
| 接続の有効期限切れ | 「この接続は期限切れです。再認証してください。」 | フロー所有者が再接続を認証する。所有者が不在の場合は、フローを複製して新しい接続を使用する。 |
| DLPポリシーによるブロック | 「このコネクタは組織のポリシーで許可されていません。管理者に問い合わせてください。」 | 管理者がDLPポリシーを編集し、該当コネクタを許可する。または、許可されたコネクタに置き換える。 |
| ライセンス不足 | 「このフローを実行するにはPower Automate有償プランが必要です。ライセンスを購入してください。」 | 管理者が該当ユーザーに適切なライセンスを割り当てる。または、フローで使用されるコネクタを無料ライセンスで利用可能なものに変更する。 |
よくある失敗パターン
実際の現場でよく見られる失敗パターンをいくつか紹介します。これらを事前に知っておけば、同じ轍を踏まずに済みます。
共有ユーザーが勝手に再認証しようとする
フローを共有されたユーザーが、接続の再認証を試みて「アクセスが拒否されました」と表示されるケースです。接続の所有権はあくまでフローを作成したユーザーにあるため、共有ユーザーは再認証できません。この場合、共有ユーザーはフロー所有者に再認証を依頼するか、フローを自分の環境にコピーして新しい接続を作成する必要があります。
DLPポリシーを変更する際に影響範囲を考慮しない
管理者がDLPポリシーを編集してコネクタを許可したつもりが、ポリシーの適用範囲(環境、ユーザーグループ)を誤って設定し、結果的に他のフローに悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、「すべての環境」に適用されるポリシーでコネクタを許可すると、予期しない場所でそのコネクタが使われてしまう可能性があります。変更前には、必ずステージング環境でテストするか、影響を受けるフローを事前に洗い出してください。
ライセンス割り当て後に反映を待たずに操作する
管理者がライセンスを割り当てても、Power Automate側に反映されるまでに最大で数時間かかることがあります。割り当て直後に再認証を試みると、まだライセンスが認識されずエラーが続くため、しばらく待ってから再試行する必要があります。
管理者に確認・依頼すべき情報
問題解決のために管理者に協力を仰ぐ際は、以下の情報を整理して伝えるとスムーズです。
- 該当のフローIDと環境名:フローの詳細ページのURLからフローIDを取得できます。例:
https://make.powerautomate.com/environments/{環境ID}/flows/{フローID}。環境名は、左上の環境セレクターで確認できます。 - エラーのスクリーンショット:エラーメッセージが表示されている画面のスクリーンショットを添付します。特に、エラーコードやコネクタ名が含まれていると原因特定が早まります。
- 再認証を試みたユーザーのアカウント:フロー所有者、共有ユーザー、それぞれのUPN(メールアドレス)を伝えます。
- 使用しているコネクタ一覧:フロー内で使用している全コネクタ(例:SharePoint、Outlook、HTTPなど)をリストアップします。特にプレミアムコネクタ(有償プランが必要なもの)が含まれているかどうかを明記します。
よくある質問
Q1. フローを共有したユーザー(所有者)が退職しました。再認証はどうすればよいですか?
A. 所有者が不在の場合、共有接続を再認証することはできません。この場合は、フローを自分でコピーし(「保存」→「名前を付けて保存」)、新しい接続を作成してフローを再構成する必要があります。または、Power Platform管理者がフローの所有者を変更できる場合もあります(環境の管理者であれば、フローのプロパティから所有者を変更できます)。
Q2. DLPポリシーを変更すると、他のフローに影響がありますか?
A. はい、影響があります。特に「すべての環境」に適用されるポリシーを編集すると、組織全体のフローに影響する可能性があります。変更前に、影響を受けるフローをPower Automate管理センターの「フロー分析」で確認することをお勧めします。可能であれば、特定の環境だけを対象にしたポリシーを作成してください。
Q3. ライセンスを割り当てたのに、再認証してもエラーが続きます。どのくらい待てばよいですか?
A. ライセンスの反映には、通常15分から数時間かかることがあります。割り当て後、一度サインアウトして再度サインインするか、ブラウザのキャッシュをクリアしてから再試行してください。それでも解決しない場合は、Power Platform管理センターの「ライセンス」セクションで割り当て状況を確認してください。
まとめ
Power Automateの共有接続再認証エラーは、接続の期限切れ、DLPポリシー、ライセンスの3つの観点で切り分けることが基本です。エラーメッセージの内容を注意深く確認し、最初に接続の状態を確認した上で、権限不足であれば所有者に対応を依頼しましょう。管理者の立場であれば、DLPポリシーの変更は影響範囲を慎重に評価し、ライセンス割り当て後は十分な待ち時間を確保してください。これらの手順を踏むことで、再認証問題を効率的に解決し、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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