Salesforceを利用していると、レコードにファイルを添付する際に「添付ファイル(Attachments)」と「Salesforce Files(Files)」の2種類があることに気づくでしょう。どちらもファイルを関連付ける機能ですが、仕組みや制限が異なります。誤った使い方をするとストレージ容量の圧迫や共有トラブルの原因になるため、違いを正しく理解することが重要です。この記事では、両者の特徴を比較し、適切な選択と整理の方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 自分のSalesforce環境で添付ファイルとFilesのどちらが使われているか確認する方法
- 切り分けの軸: データの保存容量、共有設定、バージョン管理、関連先の制限
- 注意点: 既存の添付ファイルをFilesに移行する場合、権限やリンク切れに注意する必要がある
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目次
添付ファイル(Attachments)の概要
添付ファイルはSalesforceで長く使われてきたファイル関連付け方式です。各レコードに直接紐付けるため、シンプルで分かりやすい反面、機能面での制限も多いです。
主な特徴
- 保存場所: レコードに紐付くオブジェクト(Attachment)として保存されます。
- サイズ制限: 1ファイルあたり最大2MBです。大きなファイルはアップロードできません。
- バージョン管理: ありません。同じファイルを更新する場合は削除して再アップロードする必要があります。
- 共有設定: 親レコードの共有設定に依存します。レコードを閲覧できるユーザーは添付ファイルも見えますが、ファイル単位の細かな権限制御はできません。
- 検索: ファイル名で検索可能ですが、ファイル内容の全文検索は標準ではできません。
- 複数レコードとの関連: 1つの添付ファイルは1つのレコードにのみ関連付けられます。
メリットとデメリット
メリットは、設定不要で即利用できること、管理が簡単なことです。デメリットは、ファイルサイズ制限が厳しい、バージョン管理がない、多くの添付ファイルがあるとパフォーマンスが低下する、などです。特に大量に添付しているとデータベースの負荷が高まり、レコード画面の表示が遅くなることがあります。
Salesforce Filesの概要
Salesforce Filesは、ContentDocument、ContentVersion、ContentDistributionというオブジェクトで構成される、よりモダンなファイル管理機能です。ファイルはレコードから独立して保存され、柔軟な共有と管理が可能です。
主な特徴
- 保存場所: Filesに関連するオブジェクト(ContentDocumentライブラリ)に保存されます。レコードとはリレーション(ContentDocumentLink)で結び付けられます。
- サイズ制限: 最大2GBのファイルをアップロードできます(組織のFilesストレージ容量の範囲内)。
- バージョン管理: 可能です。ContentVersionとして複数バージョンを保持でき、過去のバージョンに戻せます。
- 共有設定: ファイル単位で共有範囲を設定できます。レコードの共有とは独立して、特定のユーザーやグループと共有可能です。
- 検索: ファイル名およびファイル内容の全文検索が可能です(標準設定で有効)。
- 複数レコードとの関連: 1つのファイルを複数のレコードにリンクできます。例えば、契約書ファイルを取引先と商談の両方に関連付けることができます。
メリットとデメリット
メリットは、大容量ファイル対応、バージョン管理、柔軟な共有、検索性の高さです。デメリットは、設定によっては利用に管理者の有効化が必要なこと、添付ファイルに慣れたユーザーには操作が複雑に感じられることです。また、Filesストレージは別枠で課金される場合があるため、容量監視が必要です。
比較表:添付ファイル vs Salesforce Files
| 項目 | 添付ファイル | Salesforce Files |
|---|---|---|
| 保存場所 | レコードに直接紐付くAttachmentオブジェクト | ContentDocument(ファイルライブラリ) |
| 最大ファイルサイズ | 2MB | 2GB(組織のFilesストレージ容量による) |
| バージョン管理 | なし | あり(最大50世代程度) |
| 関連先の数 | 1レコードのみ | 複数レコード(無制限) |
| 共有設定 | 親レコードの共有に依存 | ファイル単位で個別設定可能 |
| 検索 | ファイル名のみ | ファイル名+内容の全文検索 |
| 容量扱い | データストレージ(課金対象) | ファイルストレージ(別枠、課金対象) |
| 移行可能性 | 管理者ツールでFilesに変換可能(一部制限あり) | – |
どちらを使うべきか?選択の基準
基本的には、最新の機能を活用するためにSalesforce Filesを推奨します。ただし、組織のポリシーや既存の運用によっては添付ファイルを続ける方が合理的な場合もあります。
添付ファイルを選ぶべきケース
- 外部システムとの連携で添付ファイルインターフェースが必須の場合(例:メールからの自動添付など)
- 1ファイルが2MB未満で、バージョン管理や複数関連が不要な小さなメモ画像など
- 組織でFiles機能が無効化されている、またはライセンス制限で使えない場合
- 非常に単純な運用で、あえて学習コストをかけたくない場合
Salesforce Filesを選ぶべきケース
- 大きなファイル(2MB超)を扱う必要がある場合
- ファイルのバージョン管理が必要な場合(契約書、仕様書など)
- 1つのファイルを複数のレコードやユーザーで共有したい場合
- ファイル内容の全文検索を活用したい場合
- ファイルごとに細かい権限制御が必要な場合
添付ファイルからSalesforce Filesへの移行方法
既に添付ファイルが大量にある環境では、Filesへの移行を検討する価値があります。ただし、移行には注意点があるため、段階的に進めることをお勧めします。
自分で確認できる事前準備
- レポート機能を使って、組織内の添付ファイルの数を確認します。「添付ファイル」オブジェクトでレポートを作成し、ファイルサイズやレコードタイプ別に集計します。
- Filesストレージの空き容量を確認します。設定の「ファイルストレージ使用量」レポートで現在の使用率を把握します。移行後の容量が足りるか確認してください。
- 管理者に、標準の「添付ファイル変換ユーティリティ」が利用可能か問い合わせます。このツールは設定から有効にできる場合があります。
- 移行テストとして、重要度の低いレコードの添付ファイル1つを手動でダウンロードし、Filesにアップロードして動作を確認します。
- 現状の添付ファイルの共有設定を記録します。Filesに移行後は、同等の共有設定をファイル単位で適用する必要があります。
手動による移行手順(小規模向け)
- 添付ファイルが付いているレコードを開き、「添付ファイル」関連リストを表示します。
- 各添付ファイルのダウンロードリンクをクリックし、ローカルに保存します。
- 同じレコードの「Files」関連リスト(または「ノートと添付ファイル」セクション内の「ファイル」タブ)で「アップロードファイル」をクリックします。
- ダウンロードしたファイルを選択してアップロードします。必要に応じてファイルの名前やタグ、説明を設定します。
- アップロード後、元の添付ファイルを残すか削除するか判断します。レコードの整合性を保つため、当面は両方残しておくことを推奨します。削除する場合は、他のユーザーが参照しなくなることを確認してから行います。
大量の添付ファイルを移行する場合は、管理者に依頼して一括変換ツール(例:データローダでのエクスポート/インポートや、AppExchangeの移行アプリ)を利用するのが効率的です。
失敗パターンと注意点
実際の運用でありがちな失敗をいくつか挙げます。事前に把握しておくことでトラブルを防げます。
失敗例1:サイズ制限を超えてエラー
添付ファイルの最大2MBを超えるファイルをアップロードしようとするとエラーになります。また、Filesでも組織のストレージ上限を超えるとアップロードできなくなります。事前に空き容量を確認してください。
失敗例2:Filesの重複アップロード
同じファイルを複数回アップロードすると、バージョンではなく別ファイルとして重複作成されます。意図しない容量消費や混乱につながるため、必ず同一ファイルを上書きするかどうか確認してからアップロードしましょう。
失敗例3:移行によるリンク切れ
添付ファイルを削除してFilesに置き換えた場合、既存のメールテンプレートや外部連携で添付ファイルパスを参照している個所がリンク切れになる可能性があります。移行前に関連する参照元を洗い出し、影響範囲を把握しておく必要があります。
注意点:権限の再設定
Filesはファイル単位で共有設定ができるため、移行後は意図せず閲覧範囲が変わることがあります。移行前の添付ファイルは親レコードの共有に従っていましたが、Filesはデフォルトで所有者のみ参照可能など、設定によって振る舞いが異なります。必ず共有設定を確認し、必要に応じて見直してください。
よくある質問(FAQ)
- Q1: 添付ファイルとFilesの両方を同じレコードで使えますか?
- はい、併用可能です。レコードの「添付ファイル」関連リストと「Files」関連リストは独立して存在するため、両方にファイルを追加できます。ただし、管理が複雑になるため、組織としてどちらかに統一することを推奨します。
- Q2: 添付ファイルを自動的にFilesに変換する機能はありますか?
- 設定の「添付ファイル変換ユーティリティ」を使うと、条件を指定して添付ファイルをFilesに一括変換できます。ただし、この機能は有効にしていないと使えません。管理者に確認してください。
- Q3: Filesのファイルは削除したら元に戻せますか?
- 削除後はごみ箱に移動し、ごみ箱から復元可能です(期間は組織設定に依存)。ただし、ごみ箱からも削除すると完全に消失します。添付ファイルにはごみ箱がないため、削除すると直接復元できません。
- Q4: Filesのストレージ容量は増やせますか?
- はい、Salesforceの契約内容によって追加購入できます。管理者が「ファイルストレージ追加」オプションを検討できます。
まとめ
添付ファイルとSalesforce Filesは、保存方法、サイズ制限、バージョン管理、共有設定など多くの点で異なります。ファイルの用途や要件に応じて適切な方法を選択することが重要です。基本的には、より柔軟なFilesの利用を検討し、既存の添付ファイルは計画的に移行することで、ファイル管理の効率が向上します。管理者と連携しながら、自社の運用に最適なファイル管理方法を整えていきましょう。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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