SalesforceのEinstein活動キャプチャを導入している企業で、特定のユーザーだけが活動レコードを参照できないというトラブルはよく発生します。この現象は、設定の差異やアクセス権の問題、データの所有権など複数の原因が考えられます。本記事では、監査ログと活動履歴を活用して、どこに問題があるのかを体系的に切り分ける方法を解説します。まず基本の確認手順を押さえた上で、ログや履歴から具体的な証拠をたどる流れを説明します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 対象ユーザーのプロファイルまたは権限セットで「Einstein活動キャプチャ」関連の権限が有効になっているか確認します。
- 切り分けの軸: 端末側(ブラウザ・拡張機能)の問題か、アカウント側(権限・共有)の問題か、管理設定側(Einstein設定・監査ログ取得)の問題かを分けて考えます。
- 注意点: 会社PCのブラウザ設定や拡張機能は勝手に変更しないでください。管理者に連絡してから操作するようにしてください。
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目次
Einstein活動キャプチャが見えない現象の概要
Einstein活動キャプチャは、メールやカレンダーイベントを自動的にSalesforceに関連レコードとして取り込む機能です。この機能が有効な組織では、通常すべてのユーザーが共通の活動レコードを閲覧できます。しかし、一部のユーザーだけが特定の取引先や案件に関連する活動を見られない場合があります。その原因としては、以下のようなものが考えられます。
- ユーザーのプロファイルや権限セットで活動キャプチャの権限が不足している
- 共有ルールや組織の共有設定により、活動レコードへのアクセスが制限されている
- 活動レコードの所有者が特定のユーザーであり、そのユーザーのチームやロールに属していない
- Einstein活動キャプチャの設定自体が正しく機能していない(キャプチャの停止など)
- ブラウザのキャッシュや拡張機能が原因で表示が阻害されている
これらの原因を切り分けるためには、まず設定を段階的に確認し、次に監査ログと活動履歴を調査します。
まず確認すべき基本設定 – アクセス権と可視性
プロファイル・権限セットの確認
最初に、問題のユーザーが「Einstein活動キャプチャ」を使用するために必要な権限を持っているかを確認します。設定 > ユーザー > ユーザー詳細から、該当ユーザーに割り当てられているプロファイルと権限セットを確認し、以下の権限が有効になっているかチェックしてください。
- 「Einstein活動キャプチャ」の権限(名称は組織により異なる場合あり)
- 「活動へのアクセス」または「活動の参照」権限
- 「すべての活動を参照」権限(必要に応じて)
権限が不足している場合は、権限セットを割り当てるか、プロファイルの編集を管理者に依頼します。
共有設定の確認
活動レコードは通常、関連先のレコード(取引先、案件など)の共有設定に依存します。見えない活動が特定の取引先にのみ関連している場合、その取引先の共有設定を確認します。取引先の共有設定で、該当ユーザーが少なくとも「参照」権限を持っていることを確認してください。また、活動の共有ルールが別途設定されている場合は、その影響も考慮します。
レコードタイプの影響
カスタムレコードタイプやビジネスプロセスが設定されている場合、特定のプロファイルだけが特定のレコードタイプの活動を表示できるよう制限されていることがあります。レコードタイプの割り当てを確認し、問題のユーザーが適切なレコードタイプにアクセスできるかを確認します。
監査ログで原因を追跡する方法
基本設定に問題がない場合は、監査ログを調査して、活動キャプチャが正しく動作しているか、また誰がどの活動を参照したかを確認します。監査ログは「設定 > 監査ログ > イベント監査ログ」から確認できます。以下の手順で調査を進めてください。
- 「設定」から「監査ログ」を開き、「イベント監査ログ」を選択します。
- フィルタで期間を「過去30日間」などに設定し、イベントタイプを「EinsteinActivityCapture」または「Einstein活動キャプチャ」に関連するものを選択します。組織によってイベント名が異なる場合があるため、関連すると思われるイベントを広めに抽出します。
- 表示されたログから、対象ユーザーまたは対象レコード(取引先IDなど)でフィルタリングします。
- 活動キャプチャが実行されたことを示すイベント(例:EinsteinActivityCapture.ActivityCreated)を確認します。このイベントが存在しない場合、キャプチャ自体が行われていない可能性があります。
- もし「EinsteinActivityCapture.AccessDenied」や「EinsteinActivityCapture.Error」などのイベントがあれば、権限不足や設定エラーが原因であることがわかります。
| イベント名(例) | 説明 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| EinsteinActivityCapture.ActivityCreated | 活動レコードが作成された | 作成された時間とユーザー |
| EinsteinActivityCapture.ActivityViewed | 活動が参照された | 参照したユーザーとそのアクセス可否 |
| EinsteinActivityCapture.AccessDenied | アクセスが拒否された | 拒否されたユーザーと理由 |
| EinsteinActivityCapture.SettingChanged | 設定が変更された | 変更者と変更内容 |
失敗パターン:監査ログに記録されない場合
監査ログにEinstein関連のイベントが全く記録されていない場合、以下の可能性があります。
- 監査ログの設定自体が無効になっている。管理者に問い合わせて「Einstein活動キャプチャ」の監査が有効か確認してください。
- Einstein活動キャプチャ機能そのものが組織レベルで無効になっている。設定 > Einstein > 活動キャプチャで有効状態を確認します。
- キャプチャデータが保存される前にエラーが発生している。そのエラーは監査ログにキャプチャされない場合があるため、Einsteinのキャプチャログやエラーログを別途確認する必要があります。
活動履歴を確認してデータ有無を特定する
監査ログでアクセス拒否などが記録されていない場合、実際に活動レコードが存在するかどうかを活動履歴から確認します。活動履歴は、関連先レコードの「活動」関連リストで表示されます。以下の手順で確認します。
- 見えないと言われている取引先や案件のレコードを開きます。
- 「活動」関連リストを表示します。(存在しない場合はページレイアウトに追加が必要)
- 表示件数を増やして、該当の活動レコードがリストに含まれているか確認します。フィルタで「すべての活動表示」を選択してください。
- もし活動レコードが存在しない場合、キャプチャが実行されていない可能性があります。管理者がキャプチャ設定を確認する必要があります。
- 活動レコードが存在するが、特定のユーザーだけ見えない場合は、その活動レコードの共有設定や所有者を確認します。
| 状況 | 見えるユーザー | 見えないユーザー | 考えられる原因 |
|---|---|---|---|
| 活動レコードが存在する | 表示される | 表示されない | 共有設定、権限、所有者 |
| 活動レコードが存在しない | 何も表示されない | 何も表示されない | キャプチャ未実行、設定ミス |
| 一部の活動のみ見えない | それらの活動は表示 | それらの活動のみ非表示 | 所有者ベースの共有、チーム設定 |
管理者に確認すべき設定と情報
上記の確認を行っても原因が特定できない場合、システム管理者に以下の情報を伝えてさらに詳細な調査を依頼します。
- 問題のユーザー名、プロファイル、権限セット一覧
- 見えない活動レコードの具体例(レコードID、関連先オブジェクト)
- 監査ログの取得結果(特にAccessDeniedやErrorイベントの有無)
- 活動履歴の確認結果(活動レコードが存在するかどうか)
- Einstein活動キャプチャの設定画面のスクリーンショット(設定 > Einstein > 活動キャプチャ)
よくある質問
Q: 見えない活動が特定のユーザーだけなのはなぜですか?
A: 最も多い原因は権限の不足です。プロファイルまたは権限セットで「すべての活動を参照」が有効になっていないと、自分が所有者の活動しか見えません。また、共有ルールで活動の可視性が制限されている場合もあります。
Q: 監査ログに何も記録されていません。どうすればいいですか?
A: まず組織でEinstein活動キャプチャの監査が有効になっているか確認してください。設定 > 監査設定 > イベント監査ログで「EinsteinActivityCapture」が有効になっている必要があります。また、監査ログは一度設定すると即座に記録が始まるわけではないので、数日待ってから再確認してください。
Q: 活動履歴にはレコードが表示されているのに、特定のユーザーだけ見えません。共有設定を変更したいのですが。
A: 共有設定の変更は管理者権限が必要です。活動レコードがどのように共有されているかを確認し、必要に応じて管理者に共有ルールの追加または所有権の変更を依頼してください。ただし、過度に共有を緩めるとセキュリティリスクになるため、業務要件に合わせて調整してください。
Q: Einstein活動キャプチャが一部ユーザーで停止している可能性はありますか?
A: 可能性はあります。各ユーザーの個人設定でEinstein活動キャプチャを無効にできる場合があります。問題のユーザーにログインしてもらい、設定 > Einstein > 活動キャプチャで「有効」になっているか確認してもらうとよいでしょう。
まとめ
Einstein活動キャプチャが一部ユーザーだけ見えない場合、まずは権限と共有設定の基本を確認し、その上で監査ログと活動履歴を組み合わせて原因を特定します。監査ログでアクセス拒否の有無を確認し、活動履歴でデータの存在を確認することで、設定の問題かデータの問題かを切り分けることができます。系統だった手順を踏めば、多くのトラブルは解決可能です。どうしても解決しない場合は、Salesforceサポートへの問い合わせも検討してください。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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