SalesforceのLightningページが動作中に突然遅くなると、業務効率に大きな影響が出ます。画面の切り替えに数秒以上かかったり、レコード保存でタイムアウトが発生したりするケースは珍しくありません。この問題の原因は、ネットワーク、ブラウザ、組織設定、大量データなど多岐にわたります。本記事では、Lightningページの表示遅延が発生したときに、どこを確認すればよいか、段階を追って切り分ける方法を解説します。会社のPCで作業されている方向けに、管理者への依頼が必要な箇所と自分で対応できる箇所を明確に分けて説明します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: ブラウザの開発者ツール(ネットワークタブ)で各リクエストの応答時間を計測し、時間がかかっている処理を特定します。
- 切り分けの軸: 端末側の問題(ブラウザ拡張、キャッシュ、スペック)、アカウント側の問題(権限、プロファイル)、管理設定側の問題(Lightningアプリケーションページの構成、リモートサイト設定、大量データのリストビュー)の3軸で原因を絞り込みます。
- 注意点: 会社PCではブラウザの設定や拡張機能を自由に変更できない場合があります。また、Salesforce側の設定変更は管理者権限が必要です。自己判断で行わず、必ず管理者やIT部門に連絡してください。
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目次
1. まずはブラウザの開発者ツールで原因を特定する
表示が遅いと感じたら、最初に行うべきはブラウザの開発者ツール(F12)を使った計測です。Chrome、Edge、Firefoxいずれでも同様の機能が利用できます。ネットワークタブを開き、ページをリロードして各リソースのロード時間を確認します。特に「XHR」「Fetch」「Doc」の種類で数秒以上かかるリクエストがないかチェックしてください。
よくあるのは、特定のSOQLクエリが遅い場合です。Salesforce内部ではレコードの取得や集計に時間がかかると、そのリクエストのレスポンスが長くなります。開発者ツールで確認したら、そのリクエストのURLやレスポンスデータを管理者に伝えることで、具体的な改善が可能になります。
手順:開発者ツールを使った確認
- 該当のLightningページを開いたまま、キーボードのF12キー(またはCtrl+Shift+I)を押して開発者ツールを起動します。
- 「Network」タブに切り替え、左上の録画ボタン(赤丸)がオンになっていることを確認します。
- ページをリロード(F5)します。すると、すべてのネットワークリクエストが一覧表示されます。
- 各リクエストの「Waterfall」列を見て、処理に時間がかかっているものを特定します。3秒以上かかるリクエストは要注意です。
- 特に「salesforce.com」や「my.salesforce.com」へのリクエストで時間がかかっている場合、サーバー側の処理がボトルネックの可能性があります。該当リクエストのURLを右クリックしてコピーしておきましょう。
2. 端末側の問題を切り分ける
開発者ツールで目立った遅延が見られない場合、端末(PC)の性能やブラウザ設定が原因かもしれません。以下の項目を順に確認してください。
ブラウザのキャッシュと拡張機能
ブラウザのキャッシュが古いデータを保持していると、ページの読み込みが遅くなることがあります。シークレットモード(プライベートブラウズ)で同じページを開き、表示速度が改善するか試してみてください。改善する場合は、通常のブラウザのキャッシュをクリアするか、拡張機能を無効にすることで解決します。会社PCでは拡張機能の管理が制限されている場合もありますが、少なくとも自分でインストールした拡張は一時的に無効にできます。
PCスペックとネットワーク帯域
メモリ不足やCPU使用率が高いと、ブラウザ全体の動作が重くなります。タスクマネージャーを開き、他のアプリケーションがリソースを占有していないか確認します。また、会社のネットワークが混雑している時間帯(始業直後、昼休み明けなど)は、VPN経由の通信が遅延する可能性があります。自宅のテザリングなど別のネットワークで試せる場合は、切り分けに有効です。
3. Salesforce管理設定側の原因をチェックする
端末やブラウザの問題でない場合、Salesforce組織の設定やデータに原因があります。ここからは管理者権限が必要な領域です。管理者に依頼する前に、以下の観点で情報を整理しておくとスムーズです。
Lightningアプリケーションページの構成
ページに配置しているコンポーネントの数や種類が多すぎると、レンダリングに時間がかかります。特に「関連リスト」「レポートチャート」「フィルタリングされた関連リスト」などは、表示するたびにクエリが発生します。管理者は「Lightningアプリケーションビルダー」でページ構成を確認し、不要なコンポーネントを削除したり、遅延読み込みを有効にしたりできます。
リストビューの設定
リストビューに大量のレコード(例えば1万件以上)が表示されると、ページの読み込みが極端に遅くなります。ユーザー自身がフィルタ条件を絞り込むことで改善する場合があります。また、管理者は「リストビューの表示件数」の上限を設定したり、不要なリストビューを整理したりできます。
4. 失敗パターンとよくある間違い
実際の現場でよく見られる失敗例をいくつか紹介します。同じ轍を踏まないように注意してください。
- すべてをブラウザキャッシュのせいにする: キャッシュクリアで改善しない場合、根本原因は別にあります。開発者ツールで確認せずに闇雲にクリアするのは時間の無駄です。
- ネットワークタブを見ない: 「なんとなく遅い」と感覚だけで判断し、データを取らないと管理者に伝える情報が不足します。必ず客観的な数値を添えて報告しましょう。
- 自分で管理設定を変更しようとする: システム管理者権限がないユーザーが設定を変更しようとすると、エラーが発生するだけでなく、監査ログに記録されます。必ず管理者に依頼してください。
5. 比較表:原因別の特徴と対応
| 原因 | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| ブラウザキャッシュ | シークレットモードで高速化する | キャッシュクリア、拡張機能無効化 |
| PCスペック不足 | 他アプリも重い、タスクマネージャーで高いCPU | 不要アプリ終了、IT部門にPC増設依頼 |
| ネットワーク遅延 | 特定の時間帯のみ遅い、VPN経由で顕著 | ネットワーク管理者に相談、オフライン作業で回避 |
| SOQLクエリの遅延 | 開発者ツールで特定のリクエストが長い | 管理者にインデックス追加やクエリ最適化を依頼 |
| リストビューの大量データ | 特定のリストビュー表示時のみ遅い | フィルタを絞る、管理者にビュー整理依頼 |
6. 管理者に伝えるべき情報のまとめ
管理者に問い合わせる際は、以下の情報を準備しておくとスムーズです。
- 発生時刻と頻度: 毎日10時頃に発生する、特定の操作後だけなど、具体的な状況を伝えます。
- 影響を受けるページやオブジェクト: 「商談の詳細ページ」「取引先責任者の一覧」など、ピンポイントで指定します。
- 開発者ツールのスクリーンショット: ネットワークタブのキャプチャがあれば、どのリクエストが遅いか一目でわかります。
- 使用しているブラウザとバージョン: Chrome 120など、具体的なバージョンを伝えます。
- 試したこと: キャッシュクリア、シークレットモード、他のブラウザでの確認結果などを列挙します。
7. よくある質問(FAQ)
Q. 特定のレコードだけ表示が遅いのはなぜ?
そのレコードに関連する子レコードが大量にあったり、項目数が多すぎたりする可能性があります。また、項目の数式やワークフロー更新が重なっていることもあります。管理者にレコードの関連リストや項目設定を確認してもらいましょう。
Q. 他のユーザーは遅くないと言っているのですが、自分だけ遅いです。
その場合、端末のスペックやブラウザ設定、ネットワーク環境に原因がある可能性が高いです。まずは別の端末で試してみるか、社内の別のネットワークから接続してみてください。それでも改善しない場合は、アカウント固有の権限やプロファイルが原因かもしれません。
Q. 管理設定は一切変更できないのですが、ユーザー側でできることはありますか?
はい。リストビューのフィルタを絞る、表示するタブを減らす、ブラウザの拡張機能を無効にする、キャッシュをクリアする、といった対策があります。また、Lightning ExperienceではなくSalesforce Classicに切り替えることで回避できる場合もあります(ただし管理者がClassicを許可している必要があります)。
まとめ
Lightningページの表示が遅いときは、まず開発者ツールで客観的にデータを取得し、原因を端末側・ネットワーク側・Salesforce設定側の3軸で切り分けることが重要です。ユーザー自身で対応可能な範囲(キャッシュクリア、ブラウザ変更、フィルタ絞り込み)と、管理者に依頼すべき範囲(サーバー設定、クエリ最適化)を明確に区別することで、無駄な手戻りを防げます。適切な情報を揃えて管理者に報告すれば、問題解決のスピードが格段に向上します。日頃から定期的なブラウザメンテナンスを心がけ、業務に集中できる環境を整えてください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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