Salesforceでメール連携を利用していると、送信したはずのメールのログが追えずに困ることがあります。特に、いつ誰がどのレコードにメールを送信したのかを確認したいとき、通常のリストビューでは不十分な場合が多くあります。監査ログやメール履歴(Activity)を活用することで、送信アクションを詳細に追跡できます。本記事では、これらの機能を使った具体的な確認方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 設定の監査ログ、メール履歴(Activity)、メールログ関連オブジェクト(EmailMessage、ActivityHistory)
- 切り分けの軸: ユーザー権限(監査ログ参照権限)、システム設定(監査ログの有効化)、メールログ設定(Enhanced Emailなど)
- 注意点: 監査ログは管理者権限が必要で、保存期間に制限があります。また、メール履歴はユーザーが手動削除可能なため、長期保存には監査ログを利用します。
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目次
メール送信ログ確認の基本的な考え方
Salesforceでメール送信ログを追跡する方法は主に三つあります。一つは監査ログ、二つ目は各レコードのメール履歴(Activity)、三つ目はEmailMessageオブジェクトを用いたカスタムレポートです。それぞれ保存期間、参照権限、操作の詳細度が異なります。監査ログはすべての操作を一元的に記録するため、システム全体の追跡に適しています。一方、メール履歴は特定のレコードに紐づくメール送信を素早く確認するのに便利です。EmailMessageオブジェクトを直接参照する方法は、開発者向けの高度な手法ですが、カスタムレポートで柔軟に抽出できます。
以下の表で、各方法の特徴を比較します。
| 項目 | 監査ログ | メール履歴(Activity) | EmailMessageオブジェクト |
|---|---|---|---|
| 保存期間 | エディションによる(通常6ヶ月) | 無制限(手動削除可能) | 無制限(削除ポリシーによる) |
| 参照権限 | システム管理者または「監査ログの参照」権限 | レコードへのアクセス権限 | EmailMessageオブジェクトへのアクセス権限 |
| 操作の詳細度 | 操作日時、ユーザー、アクション、詳細(例:メール件名) | 件名、送信日時、送信者、添付ファイルの有無 | From、To、Cc、Bcc、Body、添付ファイルなど |
| 削除の可否 | 不可(管理者も削除不可) | ユーザーによる手動削除可能 | 管理者による削除可能 |
| 検索のしやすさ | エクスポート後フィルタリング | レコードの関連リストから確認 | SOQLやレポートで検索 |
監査ログを使って送信アクションを追跡する
監査ログにはSalesforce上のすべての操作が記録されます。メール送信も「EmailMessage」オブジェクトの作成や「EmailSend」アクションとして記録されるため、送信日時や送信者を確実に特定できます。監査ログをエクスポートするには、以下の手順を実行します。
- 設定(歯車アイコン)から「監査ログ」を検索し、「監査ログのエクスポート」をクリックします。
- エクスポート範囲を指定します。期間は過去最大6ヶ月分(エディションにより異なります)を選択でき、ユーザーやアクションタイプで絞り込めます。
- アクションタイプで「EmailMessage」や「EmailSend」を選択します。メール送信に関連するアクションは「Created」または「Updated」として記録される場合があります。
- 「エクスポート」をクリックすると、CSVファイルがダウンロードされます。ファイルサイズが大きい場合は分割されることがあるため注意してください。
- ダウンロードしたCSVをExcelなどで開き、日時、ユーザー名、アクション、詳細(メール件名など)を確認します。詳細列には送信したメールの件名や関連レコードのIDが含まれることがあります。
- 必要に応じて、フィルタ機能を使って特定の期間やユーザーのログだけを抽出します。
監査ログのエクスポートは、大量のログがあると時間がかかる場合があります。また、エクスポートできるのは設定された保存期間内のデータのみである点に留意してください。保存期間は組織のエディション(Enterprise Edition以上)や設定により異なります。
エクスポートデータの見方
エクスポートしたCSVの列には、Date/Time、User、Action、Detail、Sectionなどがあります。Detail列に記録される例として、”EmailMessage: Subject ‘プロジェクト進捗報告'” のように送信メールの件名が含まれます。Action列が”Created”の場合、メールが新規作成されたことを示し、”Updated”の場合は既存メールが変更されたことを示します。メール送信自体は「EmailSend」というアクションで記録されることが多いですが、バージョンや設定によって異なるため、実際のログで確認してください。
メール履歴(Activity)からの確認方法
特定のレコード(取引先、商談、ケースなど)に送信されたメールのログは、そのレコードのメール履歴で確認できます。メール履歴はActivityHistoryオブジェクトに保存され、ユーザーが手動で削除しない限り残り続けます。確認手順は以下の通りです。
- レコードの詳細ページを開き、「アクティビティ」関連リストまでスクロールします。
- フィルターボタンをクリックし、「アクティビティタイプ」で「メール」のみを選択します。
- リストに表示されたメールの件名をクリックすると、送信日時、送信者、本文、添付ファイルの詳細がポップアップで表示されます。
- 必要に応じて、「すべてのアクティビティを表示」を選択し、絞り込み条件を追加することもできます。
メール履歴はユーザーが容易に削除できるため、削除されたログを追跡するには監査ログに頼る必要があります。また、メール履歴は各レコードに紐づくため、システム全体の送信ログを俯瞰するには適していません。大量のログを分析する場合は、EmailMessageオブジェクトのレポート出力を検討してください。
失敗パターン別の対処法
権限不足でログが参照できない
監査ログやメール履歴を参照するには適切な権限が必要です。監査ログの場合、「監査ログの参照」権限がユーザープロファイルまたは権限セットに含まれている必要があります。メール履歴はレコードへのアクセス権限に依存します。権限不足でログが表示されないケースでは、管理者に対象ユーザーの権限設定を確認してもらいましょう。権限が正しく設定されていても、プロファイルのオブジェクト設定で「読み取り」権限が不足している場合があります。
監査ログがそもそも有効化されていない
監査ログ機能は、組織のエディションによってデフォルトで有効になっている場合と、管理者が手動で有効化する必要がある場合があります。具体的には、設定の「監査ログ」画面で「監査ログの有効化」オプションが ON になっているか確認します。オフになっている場合は、管理者が有効化する必要があります。有効化後、過去のログは遡及して取得できず、設定後の操作から記録が開始されます。
メールログオブジェクトが空で何も表示されない
メール履歴やEmailMessageオブジェクトが空の場合は、Enhanced EmailやLightning for Outlookなどのメール連携設定が正しく構成されていない可能性があります。例えば、メールクライアント統合で「メールをSalesforceに保存する」設定が無効だと、送信メールが記録されません。また、Apexコードで送信されたメールは自動的にActivityに追加されない場合があるため、カスタム開発箇所の確認も必要です。管理者にメール連携設定の状態を確認してもらってください。
管理者が確認すべき設定と権限
監査ログ設定
監査ログ機能が有効であることを確認します。設定画面で「監査ログ」を検索し、「監査ログの有効化」がオンになっているか確認してください。また、監査ログの保存期間は、エディションによって異なります。Enterprise Editionではデフォルトで6ヶ月間保存されますが、Performance Editionでは長期保存オプションを購入できます。保存期間の延長が必要な場合は、Salesforceの営業担当者に相談することをおすすめします。
ユーザー権限
監査ログを参照する権限は、プロファイルまたは権限セットで「監査ログの参照」を有効にする必要があります。また、メール履歴を確認するには、対象レコードへの「読み取り」権限と、ActivityHistoryオブジェクトへのアクセス権限が必要です。一般ユーザーに監査ログへのアクセスを許可する場合は、権限セットを使って限定付きで付与するのが安全です。
メールログ設定
Enhanced Emailが有効になっているか、Lightning for OutlookやGmail統合が正しく連携しているか確認します。設定の「メール」セクションで、「メールをSalesforceに保存する」オプションが有効になっている必要があります。また、メール送信時のBCCオプションで自動保存する設定も可能です。管理者は定期的にメールログの保存状態をテストすることを推奨します。
よくある質問(FAQ)
Q1: 監査ログは何日分保存されますか?
A: 標準エディションでは通常6ヶ月間です。Enterprise Edition以上では、設定により最長12ヶ月まで延長可能な場合があります。正確な保存期間は、組織の設定画面で確認してください。
Q2: メール履歴をCSVでエクスポートできますか?
A: 標準機能では直接CSVエクスポートできませんが、EmailMessageオブジェクトのレポートを作成し、リストビューからエクスポートできます。また、メール履歴のデータをAPIを通じて取得する方法もあります。管理者に問い合わせてください。
Q3: 送信ログが一部しか表示されません。全体を確認するにはどうすればよいですか?
A: 確認する範囲がレコード単位なのかシステム全体なのかを見極めてください。システム全体の履歴は監査ログで確認し、特定レコードの履歴はメール履歴で確認します。両方を組み合わせることで、より正確な追跡が可能です。また、フィルター条件が適切かどうかも確認してください。
まとめ
Salesforceのメール送信ログを追跡するには、監査ログとメール履歴の二つの主要な方法があります。監査ログはシステム全体の操作を網羅的に記録し、保存期間内であれば確実に送信アクションを特定できます。一方、メール履歴は特定レコードの送信ログを手軽に確認できる反面、削除リスクがあります。障害が発生した場合は、権限設定や監査ログの有効化、メール連携設定を順に確認することで原因を特定できます。管理者と連携して適切な設定を維持し、必要に応じて監査ログの長期保存オプションを検討することをおすすめします。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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