Salesforceの本番リリース後、レポートの表示が想定と異なるケースは少なくありません。例えば、特定のレコードが表示されない、数値が合わない、項目が空欄で表示されるなどの症状が発生します。その原因の多くは、レポートのフィルタ条件や項目設定にあります。この記事では、表示が想定と違う場合に、レポートの条件と項目設定をどのように確認・修正すればよいか、手順を交えて解説します。本番環境であるため、変更による影響を考慮しながら作業を進めてください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: レポートのフィルタ条件とレポートタイプの設定です。表示されないレコードがあれば、まずフィルタが原因でないか確認します。
- 切り分けの軸: 端末側の問題なのか、アカウントの権限なのか、管理設定なのかを切り分けます。具体的には、レコードの参照権限、項目レベルセキュリティ、共有ルールなどを確認します。
- 注意点: 会社PCでプロファイルや権限設定を変更する場合は、管理者の承認が必要です。勝手に変更すると他のユーザーに影響が出る恐れがあります。まずは影響範囲を確認してから修正してください。
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1. 原因を切り分けるための確認手順
まず、表示が想定と違う原因がどこにあるのかを特定します。以下の手順で順に確認してください。
1.1 レポートのフィルタ条件を確認する
レポートに設定されているフィルタ条件が、表示したいデータを除外していないか確認します。特に、日付範囲やステータスフィールドの条件が原因でレコードが除外されているケースが多いです。
- レポートを開き、[フィルタ] セクションを表示します。
- フィルタ条件の一覧を確認し、想定外の条件が設定されていないかチェックします。
- 特に、[すべて] ではなく [条件に一致] が選択されている場合、特定のレコードのみ表示されます。条件式が正しいか確認してください。
- 標準フィルタと詳細フィルタの両方を確認します。詳細フィルタは折りたたまれていることがあるため、忘れずに展開します。
- フィルタを一時的にすべてクリアし、レポートが全データを表示するかテストします。ただし、本番環境ではクリア前に元の設定をメモしておいてください。
1.2 項目レベルセキュリティを確認する
レポートには表示されるが、特定の項目が空欄や [–] と表示される場合、項目レベルセキュリティ(FLS)が原因の可能性があります。ユーザーのプロファイルまたは権限セットで当該項目の読み取り権限が設定されているか確認します。
- 設定 > ユーザ > プロファイル から該当ユーザーのプロファイルを開きます。
- [オブジェクト設定] で関連オブジェクトを見つけ、項目レベルセキュリティを確認します。
- 読み取りアクセスが [なし] になっている項目がないか確認します。必要に応じて [読み取り] を有効にします。
- 権限セットを使用している場合は、そちらも同様に確認します。
1.3 データそのものを確認する
レポート以外の方法(リストビューや SOQL クエリ)で同じデータが正しく参照できるか確認します。これにより、レポート固有の問題か、データや権限全体の問題かを切り分けられます。
- 該当オブジェクトのリストビューを作成し、同じフィルタ条件でデータが表示されるか確認します。
- 開発者コンソールで簡易 SOQL クエリを実行し、期待するレコードが取得できるか確認します(権限が必要な場合があります)。
- データが存在しない場合は、レコードの作成日やステータスを確認します。
2. フィルタ条件と項目設定の修正手順
原因が特定できたら、実際に修正を行います。以下の手順を参考に、適切な設定に変更してください。
2.1 レポートのフィルタ条件を修正する
- レポートエディタで [フィルタ] をクリックします。
- 修正したいフィルタ条件を選択し、値を変更します。例えば、日付範囲を [すべて] に変更するなどです。
- 不要なフィルタ行は [削除] をクリックします。
- [保存] をクリックして変更を適用します。
- 保存後、すぐにレポートを実行して表示を確認します。
2.2 項目の表示設定を変更する
レポートに項目が表示されない場合、レポートタイプでその項目が有効になっていないか、フィールドがレポートに追加されていない可能性があります。
- レポートエディタで [レポートタイプ] を確認します。使用しているレポートタイプが目的のオブジェクトを含むか確認します。
- レポートの [アウトライン] で、表示したい項目が [列] に追加されているか確認します。
- 項目がグレーアウトしている場合は、レポートタイプの項目設定で有効になっていない可能性があります。レポートタイプの編集が必要です。
- [保存] してレポートを再実行します。
2.3 レポートタイプの項目を追加する
レポートタイプ自体に項目が含まれていない場合、レポートタイプをカスタマイズする必要があります。
- 設定 > レポートタイプ に移動し、該当のレポートタイプを編集します。
- [項目] セクションで、追加したい項目を [使用可能] から [選択済み] に移動します。
- レポートタイプを保存します。
- 元のレポートを開き、[列] にその項目が追加できることを確認します。
3. よくある失敗パターンと対処法
実際の現場で発生しやすい失敗パターンをまとめました。同様の症状が出た場合は、以下の表を参考に対処してください。
| パターン | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 特定のレコードがレポートに表示されない | フィルタ条件でレコードが除外されている、または共有ルールで参照権限がない | フィルタ条件を確認し、不要な条件を削除。共有設定を確認し、必要に応じて共有ルールを追加 |
| 数値フィールドがすべて 0 または空で表示される | 集計条件の設定ミス、または項目レベルセキュリティで読み取り不可 | 集計行の設定を確認。項目レベルセキュリティを確認し読み取りを有効に |
| レポートに項目が表示されない(列に追加できない) | レポートタイプにその項目が含まれていない | レポートタイプを編集し、項目を追加する |
| レポートの表示がユーザーごとに異なる | プロファイルや権限セットの違い、または共有ルールの影響 | ユーザーの権限を統一するか、レポートを [全員で共有] に設定 |
4. 管理者に確認すべき情報
問題の原因が権限や共有設定にある場合、一般ユーザーでは変更できないため管理者に依頼する必要があります。以下の情報を整理して伝えるとスムーズです。
4.1 プロファイルと権限セットの確認
自分が所属するプロファイルや権限セットで、該当オブジェクトへの参照権限や項目レベルセキュリティが正しいか確認します。管理者に依頼する際は、「どのオブジェクトのどの項目が表示されないか」を具体的に伝えてください。
4.2 共有ルールの影響
レコードが表示されない場合、組織全体の共有設定や共有ルールが原因の可能性があります。管理者は [共有設定] から、該当オブジェクトのデフォルトアクセス権や、ユーザーが所属するグループの共有ルールを確認できます。
4.3 システム管理者以外の視点
システム管理者アカウントでログインして同じレポートを表示した場合に問題がないか確認します。システム管理者はすべてのデータを参照できるため、問題が再現しない場合は権限の問題である可能性が高いです。
5. よくある質問
ここでは、本番リリース後の表示に関するFAQをまとめました。
Q1. 本番環境とSandboxでレポートの表示が違うのはなぜですか?
Sandboxと本番環境ではデータが異なるため、フィルタ条件に一致するレコード数が変わることが原因です。また、権限設定や項目設定が完全に同期されていない場合もあります。Sandboxから本番へのデプロイ後は、必ずレポートの表示を確認してください。
Q2. レポートに表示したい項目が列の候補に表示されません。
レポートタイプにその項目が含まれていない可能性があります。レポートタイプの編集が必要です。また、項目レベルセキュリティで読み取りが無効になっている場合も候補に表示されません。
Q3. レポートの数値が合わないのですが、どこを確認すればよいですか?
集計行の設定(合計、平均など)とフィルタ条件を確認してください。また、通貨換算や端数処理が影響している場合があります。詳細フィルタで数値範囲を指定していないかも確認しましょう。
6. まとめ
本番リリース後のレポート表示の不具合は、フィルタ条件、項目レベルセキュリティ、レポートタイプの設定が原因であることがほとんどです。まずはシンプルなフィルタ条件から確認し、問題を切り分けることが重要です。修正を行う際は、他のユーザーへの影響を考慮し、管理者と連携しながら作業を進めてください。日頃からレポートの設定をドキュメント化しておくと、トラブル時の原因特定が容易になります。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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