SalesforceのWeb-to-ケース機能は、お問い合わせフォームから自動的にケースを生成できる便利な仕組みですが、「せっかく設定したのにレポートにケースが表示されない」「項目の値が正しく反映されない」といったトラブルが頻繁に発生します。これらの問題は、レポートのフィルタ条件やWeb-to-ケースの項目マッピング設定に起因することがほとんどです。本記事では、具体的な確認手順と修正方法を、現場の実務レベルで解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: レポートのフィルタ条件(作成日、ステータス、Web-to-ケースの送信元)と、Web-to-ケースHTMLの hidden 項目名が正しいか
- 切り分けの軸: フォーム側(HTMLの name 属性)とSalesforce側(項目API名、レポートフィルタ、割り当てルール)のどちらに原因があるか
- 注意点: 会社で共有の組織設定を変更する際は必ず管理者に確認し、Sandboxでテストしてから本番に適用すること
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目次
1. Web-to-ケースでよくあるトラブルとその原因
Web-to-ケースに関する問い合わせで最も多いのは「ケースが作成されない」「レポートに表示されない」「項目の値が空欄になる」の3つです。それぞれの原因を下表にまとめました。
| 症状 | 主要原因 | 対応 |
|---|---|---|
| ケースが全く作成されない | HTMLの送信先URLが間違っている、または組織のWeb-to-ケースが無効 | フォームの action 属性を確認し、設定画面で有効化 |
| ケースは作成されるがレポートに出ない | レポートのフィルタが範囲外(日付、ステータス、レコードタイプなど) | フィルタ条件を見直し、必要なら「すべてのケース」で確認 |
| 特定の項目だけ値が入らない | hiddenフィールドの name 属性と項目API名が不一致、または必須項目が不足 | HTMLソースとオブジェクトの項目定義を突き合わせる |
失敗パターン:レポートだけにこだわってしまう
多くのユーザーは「レポートに表示されない=データがない」と判断しますが、実際にはデータは存在していて、レポートのフィルタが原因で隠れているケースが頻繁にあります。まずは「すべてのケース」レポートで該当のケースを検索してから、フィルタの問題かどうかを切り分けてください。
2. レポートにケースが表示されない場合の確認手順
レポートにWeb-to-ケースで作成されたケースが表示されない場合、以下の手順で原因を特定します。
- 手順1:Salesforceの「ケース」タブで「最近のケース」を開き、Web-to-ケースの送信テストで作成されたケースが存在するか確認します。存在しない場合は、フォームの送信自体が失敗している可能性があります。
- 手順2:存在する場合は、そのケースの「ケースレコードタイプ」と「ステータス」をメモします。レポートのフィルタと一致しているか確認してください。
- 手順3:レポートビルダーで「すべてのケース」レポートを新規作成し、日付フィルタを「過去30日間」に設定してデータを確認します。この時点で表示されるなら、元のレポートのフィルタ条件に問題があります。
- 手順4:元のレポートのフィルタ条件を開き、「作成日」「ステータス」「レコードタイプ」「割り当てルール」「Web-to-ケースの送信元(存在する場合)」などを一つずつ確認します。特に「ステータス」が「新規」のみに絞られている場合、既に更新されたケースは表示されません。
- 手順5:フィルタに「Web-to-ケースID」のような項目がある場合、その値が正しく設定されているか確認します。不明な場合は一度フィルタをすべて解除して表示を確認すると原因が明確になります。
レポートフィルタの具体的な確認ポイント
レポートフィルタで見落としがちなのは「ケース作成元」の選択です。標準の「ケース作成元」項目には「Web」「Email」「Phone」などの値があり、Web-to-ケースで作成されたケースは「Web」または「Web-to-ケース」になります(組織の設定により異なります)。このフィルタが正しく設定されていないと、せっかくのデータが表示されません。
3. 項目マッピングの誤りを修正する方法
Web-to-ケースのHTMLフォームでは、hiddenフィールドのname属性にSalesforceの項目API名(例: Subject、Description、Priority等)を指定します。このAPI名が間違っていると、値がケースに反映されません。修正手順は以下の通りです。
- 手順1:Salesforceの「設定」→「Web-to-ケース」を開き、現在のHTMLコードを表示します。または、手元に保存しているHTMLソースを確認します。
- 手順2:各inputタグのname属性を確認します。例えば
name="Subject"は件名、name="Priority"は優先度に対応します。大文字小文字も含めて正確である必要があります。 - 手順3:カスタム項目を使用している場合、API名の末尾に「__c」が付いていることを確認します(例: name=”InquiryType__c”)。標準項目には「__c」は付きません。
- 手順4:必須項目が漏れていないか確認します。ケースオブジェクトで必須となっている項目(例: Subject、Status)がHTMLに含まれていないと、ケース作成時にエラーになったり、値が空になります。
- 手順5:修正が完了したら、実際にフォームを送信して動作確認をします。Sandbox環境でテストしてから本番に反映することを推奨します。
よくある失敗パターン:API名のコピーミス
設定画面からAPI名をコピーする際に、余計なスペースや改行が入ったり、全角文字が混ざることがあります。特にHTMLを手書きで編集している場合は注意が必要です。必ず管理者から提供された正しいAPI名リストと突き合わせてください。
4. レポートのフィルタ条件を見直すポイント
Web-to-ケース専用のレポートを作成する際に押さえておくべきフィルタ設計のポイントを説明します。
フィルタ条件の設計例
- 作成日: システムのタイムゾーンとユーザのタイムゾーンのズレに注意。レポートの「作成日」フィルタはUTC基準であることが多いため、実際の時刻とずれる場合があります。
- ステータス: ワークフローや自動化でステータスがすぐに変わることがあります。レポート側で「新規」のみに絞ると、処理中のケースが表示されなくなります。
- 作成元: 標準項目「ケース作成元」のピックリスト値を確認し、「Web」または「Web-to-ケース」でフィルタします。組織によって値の名称が異なる場合があるので事前に確認してください。
- レコードタイプ: Web-to-ケースの設定で特定のレコードタイプを指定している場合、レポートでも同じレコードタイプでフィルタする必要があります。
5. 管理者に確認すべき設定項目
一般ユーザでは変更できない設定もあります。以下の項目は管理者に問い合わせてください。
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| Web-to-ケースの有効/無効 | 組織レベルで無効になっていると送信自体がエラーになる |
| ケースの割り当てルール | 自動割り当てが失敗するとケースが未割り当てのままになり、レポートで除外される可能性がある |
| プロファイル権限 | レポートを実行するユーザのプロファイルで「すべてのケース」の参照権限がないと表示されない |
| セキュリティ設定(CSRF対策) | 組織でCSRF対策が有効な場合、Web-to-ケースの送信がブロックされることがある |
6. よくある質問(Q&A)
Q1: Web-to-ケースで作成されたケースが「ケース作成元」で「Web」と表示されるのはなぜですか?
A: 標準設定ではWeb-to-ケース経由のケースは「Web」として記録されます。組織によって「Web-to-ケース」という個別の値を使用する場合もありますが、その場合は管理者がカスタマイズする必要があります。
Q2: レポートに表示されないケースがあるのですが、すべてのケースリストには存在します。なぜですか?
A: レポートのフィルタで「レコードタイプ」または「ステータス」が特定の値に絞られていないか確認してください。また、共有ルールでレポートを実行するユーザがそのケースを参照できない可能性もあります。
Q3: 複数のWeb-to-ケースフォームを使い分けたいのですが、レポートで区別する方法はありますか?
A: hiddenフィールドにフォームを識別するカスタム項目(例: FormID__c)を追加し、レポートでその値をフィルタすると簡単に区別できます。
7. まとめ
Web-to-ケースのトラブルは、レポートのフィルタ条件とHTMLの項目マッピングの二点に集中して確認すると、原因を効率的に特定できます。特に、レポートにケースが出ない場合はまず「すべてのケース」レポートで生データを確認し、フィルタ条件を段階的に解除しながら原因を絞り込んでください。項目マッピングの修正は、必ずSandboxでテストしてから本番環境に反映するようにしましょう。管理者と連携しながら、組織の設定や権限を確認することも忘れずに行ってください。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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