社内でSharePointを運用していると、前任者の退職や異動によってサイトの所有者が不在になるケースが発生します。サイトの所有者がいなくなると、サイトの編集や管理ができなくなるだけでなく、自動削除の対象となるリスクも生じます。スムーズに引き継ぎを行うためには、SharePoint管理センターで事前に確認すべき項目を把握しておくことが重要です。本記事では、前任者の所有サイトを引き継ぐ際に管理センターで確認するポイントと、具体的な手順を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: SharePoint管理センターの「アクティブなサイト」一覧で、対象サイトの所有者とサイトの状態を確認します。
- 切り分けの軸: サイトの所有者が存在するかどうか、サイトのテナントポリシー(削除設定)がどうなっているか、自分に管理者権限があるかどうか。
- 注意点: 会社PCでSharePoint管理センターにアクセスする際は、グローバル管理者またはSharePoint管理者の権限が必要です。権限がない場合は上位のIT管理者に依頼してください。サイトの直接的な編集権限はサイト所有者が付与するため、所有者がいない場合は管理者が介入する必要があります。
ADVERTISEMENT
目次
所有権の引き継ぎが必要になるのは、主に人事異動や退職が発生したタイミングです。特に、サイトの唯一の所有者が不在になると、他のメンバーはサイトにアクセスできても管理操作ができなくなります。また、SharePoint Onlineでは、所有者が一定期間アクティブでないサイトを自動的に「アイドル状態」とみなし、通知の上で削除するポリシーを設定できます。そのため、前任者が退職したまま放置されたサイトは削除されるリスクが高まります。こうした事態を防ぐために、早めに所有権を引き継ぐことが推奨されます。
退職や異動による所有者不在
前任者が退職すると、そのユーザーアカウントは無効化または削除されることが一般的です。その結果、サイトの所有者として設定されていたアカウントが存在しなくなるため、サイトの管理画面にアクセスできなくなります。同様に、異動で部署が変わった場合も、前任者が元のサイトの所有者であり続けると、新しい担当者が権限を追加できず困ることがあります。
サイト削除を防ぐための対応
テナントの設定によっては、所有者がいないサイトは自動削除の対象になります。削除を防ぐためには、管理者が所有権を別のアクティブなユーザーに移すか、サイトに複数の所有者を追加しておくことが有効です。管理センターでは、サイトの状態(アクティブ、アイドル、削除予定など)を確認できるため、事前に把握しておきましょう。
管理センターで確認すべきポイント
所有権の引き継ぎを実施する前に、SharePoint管理センターで以下の項目を確認してください。確認にはグローバル管理者またはSharePoint管理者の権限が必要です。
- SharePoint管理センター(https://admin.microsoft.com/SharePoint)にサインインします。
- 左メニューから「サイト」→「アクティブなサイト」を選択します。
- 一覧から引き継ぎ対象のサイトを見つけ、サイト名をクリックして詳細パネルを開きます。
- 「所有者」欄に現在設定されているユーザーを確認します。前任者のアカウントが表示されていて、そのアカウントが既に無効化されている場合は、所有権の移譲が必要です。
- 詳細パネルで「サイトの管理」タブを開き、「所有者の管理」をクリックします。ここに現在の所有者一覧が表示されます。
これらの手順で現在の所有者を確認したら、引き継ぎ先のユーザーを追加するか、所有者を変更します。ただし、前任者のアカウントが既に削除されている場合は、そのアカウントを所有者一覧から削除してから新しい所有者を追加する必要があります。削除は所有者の管理画面から行えます。
失敗パターン:前任者のアカウントが削除されていて所有者の変更ができない
よくある失敗は、前任者のアカウントが完全に削除されている場合、所有者の管理画面で「ユーザーが見つかりません」というエラーが表示されることです。この場合は、PowerShellを使用して強制的に所有者を変更する方法や、Azure ADで削除されたユーザーを一時的に復元して対応する必要があります。管理者であれば、PowerShellのSet-SPOUserコマンドレットで所有者を更新できます。ただし、テナントの設定によっては制限があるため、上位管理者に相談してください。
所有権を正しく引き継ぐための手順
管理センターで所有者を確認したら、以下の手順で引き継ぎを実施します。ここでは、所有者を追加する方法を説明します。
- SharePoint管理センターで対象サイトの詳細パネルを開き、「サイトの管理」タブをクリックします。
- 「所有者の管理」をクリックし、表示されたパネルで「所有者の追加」を選択します。
- 引き継ぎ先のユーザーのメールアドレスまたは名前を入力し、検索結果から選択します。
- 必要に応じて、前任者のアカウントを所有者から削除します。前任者のアカウントが存在する場合は、そのアカウントの横の「削除」ボタンをクリックします。
- 変更を保存し、引き継ぎ先のユーザーがサイトにアクセスして所有者権限が付与されていることを確認します。
注意点として、所有者を追加する際には、引き継ぎ先のユーザーが既にサイトのメンバー(サイトのメンバーまたは訪問者)として追加されている必要はありません。所有者として追加すれば自動的にフルコントロール権限が付与されます。また、所有者が複数いる場合は、必ず1人以上アクティブなユーザーを残すようにしましょう。
別の方法:PowerShellを使用した所有者の一括変更
多数のサイトを一括で引き継ぐ場合や、前任者のアカウントが削除されて管理画面から操作できない場合は、SharePoint Online Management Shellを使用します。管理者は以下のコマンドを実行することで、サイトの所有者を変更できます。
Connect-SPOService -Url https://[tenant]-admin.sharepoint.com Set-SPOUser -Site https://[tenant].sharepoint.com/sites/example -LoginName newowner@domain.com -IsSiteCollectionAdmin $true
ただし、PowerShellの実行には適切な権限と事前のモジュールインストールが必要です。また、コマンドを誤ると予期しない権限変更が発生する可能性があるため、テスト環境で検証してから本番サイトに適用することを推奨します。
失敗しやすいパターンとその対策
実際の現場でよく見られる失敗パターンと、その対策を以下の表にまとめました。参考にしてください。
| 状況 | 失敗例 | 対策 |
|---|---|---|
| 前任者のアカウントが削除済み | 管理画面から所有者の追加を試みるが、エラーで失敗する。 | PowerShellで強制的に所有者を追加するか、Azure ADで削除ユーザーを30日以内なら復元してから権限を変更する。 |
| 引き継ぎ先のユーザーに管理者権限がない | 一般ユーザーが管理センターにアクセスできず、引き継ぎ作業ができない。 | グローバル管理者またはSharePoint管理者に依頼する。または自分が管理者権限を得る。 |
| サイトがアイドル状態で削除ポリシー対象 | 引き継ぎ前にサイトが削除されてしまう。 | 管理センターでサイトの状態を確認し、削除予定の場合は事前に所有者を追加してアクティブ状態に戻す。 |
| 複数の所有者が設定されているが全員退職 | 誰もサイトにアクセスできず、管理者がPowerShellで対応する必要がある。 | 定期的に所有者一覧を棚卸しし、退職者を削除して現役メンバーを追加する。 |
管理者に確認しておくべき情報
引き継ぎ作業をスムーズに進めるために、事前に以下の情報を管理者に確認しておきましょう。
- 自分のアカウントにSharePoint管理者権限があるかどうか。ない場合は、管理者に依頼する必要があります。
- 引き継ぎ対象のサイト一覧。前任者が所有していたサイトが複数ある場合は、すべてのURLを把握しておきましょう。
- サイトの自動削除ポリシーの設定。テナント全体の設定とサイト個別の設定を確認し、削除リスクを評価します。
- 前任者のアカウント状態。削除済みか、無効化されているか、まだ有効かを確認します。有効な場合は一時的にアクセス可能な場合もあります。
- 引き継ぎ先のユーザーが適切かどうか。新任者や管理者など、責任を持ってサイトを管理できる人を選びましょう。
よくある質問
Q1. サイトの所有者がいない場合、一般ユーザーが自分で所有者を追加できますか?
いいえ、一般ユーザーはサイトの所有者設定を変更できません。サイトの所有者のみが「サイトの権限」から他のユーザーを所有者として追加できます。所有者がいない場合は、テナント管理者が管理センターまたはPowerShellで対応する必要があります。
Q2. 引き継ぎ先のユーザーが現在のサイトメンバーでなくても所有者になれますか?
はい、できます。所有者として追加すると、自動的にそのサイトのフルコントロール権限(サイトコレクション管理者)が付与されます。サイトメンバーである必要はありません。
Q3. 所有者を複数人設定しておくべきですか?
はい、ベストプラクティスとして、サイトには少なくとも2名以上のアクティブな所有者を設定することを推奨します。これにより、1人が不在になってももう1人が管理を継続できます。特に人事異動が多い部署では重要です。
まとめ
SharePointサイトの所有権引き継ぎは、管理センターでの事前確認が成功の鍵です。サイトの所有者一覧、サイトの状態、自動削除ポリシーを把握した上で、適切な手順で所有者を追加または変更しましょう。前任者のアカウントが削除されている場合はPowerShellなどの代替手段が必要になることもあります。また、再発防止には、定期的な所有者の棚卸しと複数所有者の設定が有効です。日頃から管理画面にアクセスし、サイトの健全性をチェックする習慣を身につけてください。
ADVERTISEMENT
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
Office・仕事術の人気記事ランキング
- 【Word】差し込み印刷で数字の桁を整える!金額にカンマ(桁区切り)を入れる設定
- 【Teams】メッセージを「保存済み」にして後で読む!重要なチャットをブックマークして整理する技
- 【Outlook】添付ファイルが「Winmail.dat」に化ける!受信側が困らない送信設定
- 【Copilot】「サービスに接続できません」エラーの原因切り分けと対処法
- 【PDF】PDFのサムネイルプレビューが表示されない!エクスプローラーの設定とAcrobat環境設定
- 【PDF】PDFに入力した文字の「フォント・サイズ・色」を変更するプロパティ設定
- 【Excel】文字がセルの枠からはみ出す・隠れる!「折り返して表示」と「縮小して全体を表示」の使い分け
- 【Word】校閲機能の基本!赤字(変更履歴)とコメントで修正を見える化する
- 【神技】保存せずに閉じたExcel・Wordファイルを復元する!消えたデータを復活させる4つの救出法
- 【Teams】会議の「参加者リスト」を出席後にダウンロードする!誰が参加したか確認する手順
