日本の国会は衆議院と参議院の二院制を採用しています。それぞれ異なる役割を持ち、法案の審議や国政の運営に関わっています。この二つの議院の違いを理解することは、日本の政治の仕組みを知る上で重要です。
衆議院議員の任期は4年ですが、解散があるため、実際にはそれより短くなることもあります。一方、参議院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選される仕組みになっています。これにより、参議院は比較的安定した運営が可能です。
衆議院の議員定数は465人(小選挙区289人、比例代表176人)です。参議院の議員定数は248人(選挙区148人、比例代表100人)となっています。
衆議院は小選挙区比例代表並立制を採用しており、全議席のうち約6割が小選挙区制、残りが比例代表制によって選ばれます。参議院は選挙区制と比例代表制の二本立てですが、比例代表では非拘束名簿式が採用されています。これにより、政党名だけでなく個人名での投票も可能です。
衆議院は内閣に対する不信任決議が可能であり、内閣は衆議院の信任を得られなければ総辞職するか、衆議院を解散しなければなりません。これに対し、参議院には内閣不信任決議の権限がありません。
法律案の審議において、衆議院が可決し、参議院が否決した場合、衆議院が再可決すれば法律として成立します(憲法第59条)。このため、最終的には衆議院の意思が優先される仕組みとなっています。
予算案は衆議院が先に審議し、参議院が異なる結論を出しても、最終的には衆議院の議決が優先されます。これは予算執行の迅速化を図るための措置です。
条約の承認も衆議院が優越されます。参議院が異議を唱えても、衆議院の議決が最終的に優先されます。
衆議院は内閣の判断で解散することが可能ですが、参議院には解散がありません。このため、衆議院選挙は政権交代の機会となりやすいのに対し、参議院選挙は政治の安定性を保つ役割を果たしています。
衆議院は政策決定の迅速性が求められ、内閣の信任と密接に関わる機関です。一方、参議院は長期的な視点で政策を審議し、政治の安定を担保する役割があります。二院制の仕組みを理解することで、日本の政治構造をより深く知ることができます。