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参加状況のロギングを自動化し、会議後の事後処理やフォローアップをデータに基づいて効率化する
社内研修や大規模なウェビナーにおいて、『誰が参加していたか』を手動でメモしたり、チャットで名乗りを上げてもらったりするのは非効率であり、正確性にも欠けます。Teamsには、主催者(開催者)が会議の開始から終了までの全参加者の入退室状況を自動的に記録し、詳細なリストとして出力できる『出席者レポート』機能が備わっています。
これは技術的には、Teamsの会議セッション中に発生する各ユーザーの『接続(Join)』と『切断(Leave)』のタイムスタンプをリアルタイムで収集し、会議オブジェクトのメタデータとして集計する処理です。会議終了後、これらのデータはクレンジング(重複排除や滞在時間の計算)を経て、CSVまたはExcel形式のレポートとして生成されます。本記事では、レポート機能を有効化する会議オプションの設定から、開催中・終了後のダウンロード手順、そしてレポートが生成されない場合の管理ポリシー設定について詳説します。
結論:出席者レポートを確実に取得する3つの技術的ステップ
- 会議オプションの事前確認:「出席者レポートを許可する」フラグがオンになっていることを確認し、ロギングを活性化させる。
- 開催中のリアルタイム取得:会議が継続している間に「参加者」パネルから最新の入室状況をスナップショットとして保存する。
- 終了後の自動集計データの利用:会議チャットや予定表の「出席」タブから、詳細な滞在時間が記載された最終レポートを取得する。
目次
1. 技術仕様:出席者レポートのデータ収集メカニズム
出席者レポートは、Teamsのシグナリングサーバーが記録するイベントログに基づいています。
内部的なデータ収集ロジック
・イベント・テレメトリ:ユーザーが「参加」ボタンを押すと $Event_{Join}$ が、ブラウザやアプリを閉じると $Event_{Leave}$ が生成されます。これにはユーザーID、デバイス情報、参加時刻が含まれます。
・滞在時間の計算:システムは各ユーザーの入退室イベントをペアリングし、合計滞在時間を算出します。途中でネットワークが切断されて再入場した場合も、複数のセッションとして記録された後に合算されます。
・Microsoft Graphの関与:レポートの実体は、Microsoft Graph APIの attendanceReports エンドポイントから取得可能なデータセットです。会議終了後にこのデータがパッケージ化され、UI上にダウンロードリンクとして提示されます。
エンジニアリングの視点では、この機能は「セッションごとの接続ログを、管理可能なビジネスレポートへと変換するデータパイプライン」といえます。
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2. 実践:出席者レポートを有効にしてダウンロードする手順
会議の主催者が、漏れなく参加データを取得するための具体的な操作ステップです。
事前設定(会議オプション)
- 会議の予定を作成後、または会議中に「その他(…)」 > 「会議オプション」を開きます。
- 「出席報告を許可する」(Allow attendance report)のスイッチをオンにします。
- 「保存」をクリックします。
レポートの取得プロトコル
- 会議中に取得する場合:「参加者」パネルを開き、右上の「…(その他の操作)」 > 「出席者リストをダウンロード」をクリックします。この時点までの入室状況がCSVで保存されます。
- 会議終了後に取得する場合:Teamsの「カレンダー」から該当の会議を開くか、会議のチャット履歴を表示します。上部のタブにある「出席」(またはAttendance)をクリックすると、視覚的な要約とダウンロードボタンが表示されます。
3. 技術的洞察:レポートに含まれる詳細メタデータ
単なる名前のリスト以上に、どのようなデータが解析対象となるかを提示します。
・ロール(役割):「開催者」「発表者」「出席者」といった会議内の権限設定も記録されます。
・メールアドレスとユーザーID:組織内ユーザーであれば、一意の識別子(UPN)が含まれるため、社内データベースとの突合が技術的に容易です。
・登録情報の統合:Teamsの「登録」機能(ウェビナー形式)を併用している場合、事前に回答してもらったアンケート結果と実際の出席状況が紐付けられた、より高度なレポートが生成されます。
4. 高度な修復:レポートが表示されない・ダウンロードできない時の対処
「出席」タブが現れない、あるいはボタンが反応しない場合のデバッグ手順です。
不具合解消のプロトコル
- テナント管理者設定の確認:Teams管理センターの「会議ポリシー」にて、「出席者レポート」(AllowAttendanceReport)がオフに設定されていると、個人の操作では取得できません。IT管理者にポリシーの解放を依頼してください。
- 開催者の変更:レポートを取得できるのは、原則として「会議の開催者(Organizer)」のみです。代理で作成した会議の場合は、作成者のアカウントで確認する必要があります。
- 会議の規模と期間:非常に短時間の会議や、参加者が自分1人だけのテスト会議では、レポートが生成されない仕様があります。複数人での接続を確認してからテストしてください。
5. 運用の知恵:データを「アクション」に変える設計思想
レポートを取得する目的を明確にし、業務改善に繋げるエンジニアリング思考を提示します。
・「離脱ポイント」の解析:滞在時間データを分析し、多くの参加者が一斉に退出した時刻を特定します。その時間帯のアジェンダを振り返ることで、コンテンツの改善(リテンション向上)に繋げる「データドリブンな会議運営」が可能になります。
・未参加者への自動フォロー:レポートをCSVとして書き出し、ExcelのVLOOKUP関数やPower Automateを用いて、「招待したのに欠席した人」を抽出。ワンクリックで後日録画URLを送付する自動化フローを構築します。
・参加証明の発行:研修の修了証発行のトリガーとして、レポート上の「滞在時間 $80\%$ 以上」という条件を技術的な閾値(スレッショルド)として設定します。
このように、出席者レポートを制御することは、オンライン会議という『場』で発生したイベントを客観的な数値へと変換し、組織のガバナンスと教育効果を技術的に保証するプロセスです。
まとめ:会議形式別のレポート取得可否
| 会議の種類 | レポートの特性 | 主な活用データ |
|---|---|---|
| 通常の会議 | シンプル。入退室のみ。 | 誰がいたかの確認。 |
| ウェビナー(登録制) | 詳細。登録情報と連動。 | リード獲得、興味関心の分析。 |
| チャネル会議 | チャネルのメンバー履歴。 | プロジェクト内の関与度測定。 |
Teamsの「出席者レポート」は、会議というブラックボックスになりがちな時間を、透明性の高いデジタル資産へと変えてくれるツールです。手動の点呼というアナログな苦労を、システムによる自動ロギングへと置き換えること。この一工夫が、あなたの管理者としての負荷を減らし、参加者一人ひとりの関与を正しく評価・サポートするための揺るぎない証拠(エビデンス)を提供してくれます。まずは次回の会議の前に、会議オプションの「出席報告」がオンになっているかを再確認することから始めてみてください。
この記事の監修者
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
