「Web会議を始めようとしたら、自分の映像だけ真っ暗」「カメラのライトは点灯しているのに、画面には何も映らない」「『カメラが見つかりません』というエラーが出る」……。
焦って外付けカメラを買う必要はありません。最近のノートパソコンには、盗撮防止のための「物理的な蓋(プライバシーシャッター)」や、キーボードでカメラを遮断する「キルスイッチ」が付いており、それに気づかず閉じてしまっているケースが多発しています。
この記事では、カメラが映らない原因のトップである「物理スイッチの場所」と、Windowsやセキュリティソフトによる「ブロック解除手順」を解説します。
目次
手順1:【原因No.1】カメラの「物理的な蓋」を確認する
「設定は完璧なのに真っ暗」という場合、9割がこれです。
ノートパソコンの画面上部、カメラレンズの周りをよく見てください。
- 🔍 極小のスライドスイッチ: レンズの真上や横に、米粒のようなつまみはありませんか? これを指でスライドさせると、レンズの前の赤いマーク(蓋)が開きます。
- ⌨️ キーボードのFキー: [F8]や[F10]あたりに「カメラに斜線」のマークがありませんか?
メーカー(MSIやASUSなど)によっては、[Fn] + [Fキー] を押すことでカメラ機能をシステム的に遮断(キルスイッチ)しています。もう一度押して解除してください。
手順2:Windowsの「アクセス許可」をオンにする
マイクと同様に、Windowsがセキュリティのために「カメラの使用」をブロックしている可能性があります。
Windows 11の場合
- [設定] > [プライバシーとセキュリティ] を開きます。
- 「アプリのアクセス許可」にある [カメラ] をクリックします。
- [カメラへのアクセス] を [オン] にします。
- その下の [アプリにカメラへのアクセスを許可する] も [オン] にします。
- リストの中にあるZoomやTeams、Chromeなどが [オン] になっているか確認します。
Windows 10の場合
- [設定] > [プライバシー] > [カメラ] を開きます。
- 「アプリがカメラにアクセスできるようにする」を [オン] にします。
- 下の方にある「デスクトップアプリがカメラにアクセスできるようにする」も [オン] にします。
手順3:セキュリティソフトの設定を確認する
意外な落とし穴です。「ウイルスバスター」や「ESET」「カスペルスキー」などのセキュリティソフトには、「Webカメラ保護機能」が付いており、これがZoomなどを「怪しいアプリ」と誤認して映像をブロックすることがあります。
- タスクバー右下のセキュリティソフトのアイコンを開きます。
- 設定メニューから「プライバシー保護」や「Webカメラ保護」といった項目を探します。
- 一度その機能を[オフ] にするか、ブロックリストにZoomなどが入っていないか確認します。
※オフにして映るようになった場合は、そのソフトの設定でZoomを「許可するアプリ」に登録してください。
手順4:デバイスマネージャーでドライバーを入れ直す
上記すべてを確認してもダメな場合、カメラの制御プログラム(ドライバー)がフリーズしています。
- スタートボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー] を開きます。
- [カメラ] または [イメージングデバイス] を展開します。
- 「Integrated Webcam」や「USB Camera」などの名前を右クリックし、[デバイスのアンインストール] を選びます。
- 警告が出ますが、チェックボックスには触れずに [アンインストール] を実行します。
- パソコンを再起動します(再起動後に自動で修復されます)。
【Q&A】よくある症状と原因
- Q. 自分の顔ではなく「カメラに斜線が入ったマーク」が表示される
- A. パソコン本体のキーボード操作(Fnキー+カメラマーク)で機能がオフになっている可能性が高いです。解除キーを探してください。
- Q. 映像がグレーまたは真っ黒だが、ライトは点いている
- A. 物理的なスライドシャッターが閉まっているか、セキュリティソフトが映像信号だけを遮断しています。レンズの蓋を確認してください。
まとめ:レンズを指で隠してみよう
Webカメラトラブルの解決チャートです。
| 確認順序 | チェック項目 | 解決率 |
|---|---|---|
| 1 | 物理シャッター・Fキー | 激高 |
| 2 | Windowsのアクセス許可 | 高 |
| 3 | セキュリティソフトの設定 | 中 |
特にLenovoやHPのパソコンを使っている方は、「レンズの上の米粒スイッチ」をまず探してください。そこに答えがあるはずです。
