会社のWindows PCでプリンターを共有しようとしたときに、「権限がありません」というエラーメッセージが表示されて困った経験はありませんか。このエラーは、共有設定の権限やプリンターの所有者が原因であることが多く、適切な確認手順を踏めば解決できるケースがほとんどです。特に会社のドメイン環境では、個人の設定だけでなく管理者側のポリシーも影響するため、切り分けが重要になります。本記事では、エラーの原因を特定するための具体的な確認手順と、権限や共有範囲の設定方法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: プリンターのプロパティ内にある「共有」タブと「セキュリティ」タブ。特にセキュリティタブのアクセス許可一覧で、自分やEveryoneに適切な権限が割り当てられているかを確認します。
- 切り分けの軸: 共有元のPC側の問題か、アクセスするPC側の問題か。共有元では所有者と共有範囲、アクセス側ではネットワーク探索や資格情報の設定をチェックします。
- 注意点: 会社PCでは管理者権限が必要な操作が多く、誤った変更がセキュリティポリシー違反になる場合があります。特にドメイン参加PCでは、ローカルグループポリシーやActive Directoryの設定を変更する前に、必ずIT管理者に相談してください。
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目次
共有プリンターで「権限がありません」と表示される主な原因
プリンター共有時のエラーは、原因がいくつかのパターンに分かれます。最初に、なぜ権限エラーが発生するのかを整理しておきましょう。
プリンターの所有者が正しく設定されていない
Windowsのプリンターには「所有者」という属性があり、通常はプリンターをインストールしたユーザーアカウントが所有者になります。しかし、共有設定を行う際に所有者が意図しないアカウントになっていると、他のユーザーがアクセスしようとしたときに権限エラーが発生します。特に、管理者権限でインストールしたプリンターを一般ユーザーが共有しようとする場合などに起こりやすいです。
共有タブのアクセス許可が不足している
プリンターの共有設定には「共有名」の他に、アクセスを許可するユーザーやグループを指定する「アクセス許可」があります。ここに「Everyone」や特定のユーザーが含まれていないと、共有にアクセスできません。また、「印刷」権限だけでなく「このプリンターを管理する」権限が必要な場合もあります。
セキュリティタブのNTFS権限が影響している
プリンターはオブジェクトとして、セキュリティタブで詳細なアクセス制御リスト(ACL)を持ちます。ここで特定のユーザーやグループに「拒否」エントリが設定されていると、共有経由でも権限が否定されます。また、Everyoneグループに読み取り権限がない場合もエラーになります。
共有元のPCでプリンターの所有者と権限を確認する手順
エラーの原因を特定するには、まず共有元のPCでプリンターのプロパティを開き、所有者と共有設定を確認します。以下の手順に沿って操作してください。
- 共有元のPCに管理者権限を持つユーザーでサインインします。ドメイン環境の場合は、ドメイン管理者アカウントか、ローカル管理者グループに所属するアカウントを使用してください。
- 「コントロールパネル」→「デバイスとプリンター」を開きます。またはスタートメニューで「プリンター」と検索して直接開いても構いません。
- 対象のプリンターアイコンを右クリックし、「プリンターのプロパティ」を選択します。プリンター名が表示されない場合は、プリンターがオフラインになっていないか確認してください。
- 「共有」タブをクリックし、「このプリンターを共有する」にチェックが入っていることを確認します。共有名が適切に設定されているかも併せて確認しましょう。
- 同じ「共有」タブの下部にある「追加のドライバー」ボタンをクリックし、32ビット版や64ビット版のドライバーが必要に応じてインストールされているか確認します。異なるアーキテクチャのPCからアクセスする場合に必要です。
- 「セキュリティ」タブに切り替えます。ここに表示されているグループまたはユーザー名の一覧で、「Everyone」またはアクセスを許可したいユーザーが含まれているか確認します。
- 一覧の下にある「アクセス許可」欄で、「印刷」が「許可」になっていることを確認します。必要に応じて「編集」ボタンから権限を追加・変更します。
- さらに詳細を確認するには、セキュリティタブの「詳細設定」をクリックし、「所有者」タブを開きます。現在の所有者が誰かを確認し、必要なら「変更」ボタンから適切なアカウント(例:Administrators)に変更します。
上記の手順で所有者と権限を確認したら、一度プリンターの共有を無効にしてから再度有効にする(再共有)と、設定が正しく反映されることがあります。また、変更を適用した後は必ず「OK」を押して閉じてください。
共有範囲の設定方法と注意点(すべてのユーザー vs 特定ユーザー)
プリンターの共有範囲は、セキュリティタブのアクセス許可で制御します。設定によって、社内の全員が使えるようにするか、特定の部署やユーザーのみに限定するかを選べます。
すべてのユーザーに公開する場合
共有プリンターを社内の誰でも利用できるようにするには、セキュリティタブで「Everyone」グループに「印刷」権限を許可します。このとき注意したいのは、ゲストアカウントが無効になっている環境では、Everyoneグループには認証済みユーザーのみが含まれることです。ドメイン環境では「Domain Users」グループを追加するほうが確実な場合もあります。
特定のユーザーやグループに限定する場合
機密文書を扱うプリンターなど、アクセスを制限したい場合は、セキュリティタブからEveryoneを削除し、代わりに特定のユーザーアカウントやセキュリティグループを追加します。追加する際は「オブジェクトの種類」で「ユーザー」または「グループ」を選択し、Active Directory上のアカウント名を入力します。ただし、この設定はドメイン環境で有効であり、ワークグループ環境ではローカルユーザーアカウントを指定する必要があります。
共有範囲に関する比較表
| シチュエーション | 推奨設定 | 注意点 |
|---|---|---|
| 同じワークグループ内の数台で共有 | Everyoneに印刷権限 | ゲストアカウントが無効だとアクセスできない場合あり |
| ドメイン環境で全社員に公開 | Domain Usersグループに印刷権限 | グループポリシーで制限されていないか確認 |
| 特定の部署のみ利用 | 部署のセキュリティグループに印刷権限 | グループ作成とメンバー管理は管理者に依頼 |
| 個人用プリンターを特定ユーザーのみ | そのユーザーアカウントのみ許可 | プリンターの所有者もそのユーザーにする |
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エラーが出た時のトラブルシューティング(失敗パターンと対処法)
設定を見直してもエラーが解消しない場合、以下のような失敗パターンが考えられます。該当するケースがないか確認してください。
Everyoneに権限を与えてもアクセスできない
最も多いのが、セキュリティタブのEveryoneに「印刷」権限を追加したにもかかわらず、アクセス元PCで「権限がありません」と出るケースです。原因として、アクセス元PCが共有元PCのネットワークプロファイルを「パブリック」として認識している可能性があります。この場合、ネットワーク探索とファイルとプリンターの共有が無効になっています。コントロールパネルの「ネットワークと共有センター」→「詳細な共有設定の変更」で、現在のプロファイルに対して「ネットワーク探索を有効にする」と「ファイルとプリンターの共有を有効にする」をオンにしてください。
プリンターの所有者が「信頼されていないインストーラー」になっている
セキュリティタブの詳細設定で所有者を確認したときに、「信頼されていないインストーラー」や「不明なアカウント」と表示される場合があります。これは、プリンタードライバーを管理者以外のアカウントでインストールした場合などに発生します。この場合、所有者をAdministratorsグループまたは適切なユーザーアカウントに変更しないと、他のユーザーが共有プリンターにアクセスできません。変更後は一度PCを再起動してから再試行してください。
ドメイン環境でグループポリシーが優先される
会社のPCがドメインに参加している場合、ローカルのプリンター共有設定よりもグループポリシーの設定が優先されることがあります。特に「プリンターの共有を禁止する」ポリシーや「プリンターの公開を制限する」ポリシーが適用されていると、いくら権限を変更しても効果がありません。この場合はIT管理者に連絡し、グループポリシーの変更を依頼する必要があります。
管理者に確認すべきポイントと伝える情報
プリンター共有のトラブルが解決しないときは、IT管理者やヘルプデスクに以下の情報を伝えるとスムーズです。
- エラーメッセージの正確な内容: 「権限がありません」だけでなく、エラーコード(例:0x000006be、0x00000709)が表示される場合はそれも伝えます。
- 環境情報: 共有元とアクセス元のPCのOSバージョン(Windows 10, 11)、ドメイン参加の有無、ワークグループの名称。
- 実施した設定: プリンターの共有名、セキュリティタブで追加したグループ、所有者の変更など、どのような操作を試したかを具体的に伝えます。
- 発生タイミング: プリンター共有を初めて行ったときか、以前は使えていたのに突然使えなくなったのか。
- ネットワーク構成: 有線LANか無線LANか、VPN経由かどうか。また、ファイアウォールやセキュリティソフトの影響も考えられるため、その情報も有用です。
管理者はこれらの情報をもとに、サーバー側の設定(プリントサーバー、グループポリシー、Active Directoryの権限)を調査してくれます。特に大規模な組織では、ローカルの設定変更だけでは解決しないことが多いため、早めに連絡することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
ここでは、プリンター共有の権限エラーに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 共有プリンターにアクセスすると「Windows はプリンターにアクセスできません」と表示されます。どうすればいいですか?
A. まずは共有元PCのプリンターのプロパティで、共有タブの「追加のドライバー」が正しく設定されているか確認してください。特に64ビットOSから32ビットOSのプリンターにアクセスする場合、ドライバーがないとこのエラーが発生します。また、アクセス元PCの「サービス」から「プリントスプーラー」を再起動すると改善することもあります。
Q. セキュリティタブにEveryoneを追加したのに、別のPCからアクセスするとパスワードを求められます。
A. これは共有元PCの「ネットワークアクセス」の設定が影響しています。共有元PCで「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」→「詳細な共有設定の変更」を開き、「パスワード保護共有を無効にする」を選択してください。ただし、会社のセキュリティポリシーでパスワード保護共有が必須の場合は、アクセス元PCで共有元PCのユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
Q. プリンターの所有者を変更しても、設定が保存されません。
A. 所有者の変更には管理者権限が必要です。また、ドメイン環境ではローカルのAdministratorsグループだけでなく、ドメイン管理者権限が必要な場合もあります。変更が反映されない場合は、グループポリシーでプリンターのセキュリティ設定が上書きされていないか確認してください。管理者に依頼するのが確実です。
まとめ
会社PCでプリンター共有の権限エラーが発生した場合は、まず共有元のプリンタープロパティで所有者とセキュリティ権限を確認することが第一歩です。特にEveryoneやDomain Usersグループに印刷権限が与えられているか、所有者が適切なアカウントになっているかをチェックしてください。設定を変更しても解決しない場合は、ネットワークプロファイルやグループポリシーが原因かもしれません。その際は無理にローカル設定を変更せず、IT管理者に正確な情報を伝えて対応を仰ぎましょう。適切な切り分けと報告により、問題解決までの時間を短縮できます。
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超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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