「マウスカーソルを動かすと、一瞬止まってからワープするように飛ぶ」「常に動きがカクカクしていて、狙ったボタンをクリックしづらい」「キーボードの入力がワンテンポ遅れて反映される」……。
電池を新品に変えても直らない場合、マウスやキーボードの故障を疑う前に、Windowsの設定を疑ってください。
実はWindowsには、バッテリーを長持ちさせるために「数秒操作しないとBluetoothの電源を勝手に切る」というお節介な機能があり、これがカクつきの正体です。
この記事では、この「省電力機能」をオフにして、マウスの動きを劇的に滑らかにする手順を解説します。
目次
手順1:【原因No.1】Bluetoothアダプターの「電源の節約」を切る
これが最も効果的な設定です。PC本体のBluetooth受信機に対し、「勝手に休むな、常に全力で受信しろ」と命令します。
- スタートボタンを右クリックし、[デバイスマネージャー] を開きます。
- [Bluetooth] の項目を展開します。
- 「Intel(R) Wireless Bluetooth」や「Realtek Bluetooth Adapter」など、メーカー名が入っている本体アダプターを探してダブルクリックします。
(※「Bluetoothマウス」などの周辺機器名ではありません) - プロパティ画面が開いたら、[電源の管理] タブをクリックします。
(※このタブがない場合は、手順2へ進んでください) - 「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」というチェックボックスを外します。
- [OK] を押して閉じ、PCを再起動します。
これで「スリープからの復帰ラグ」がなくなり、常にスムーズに動くようになります。
手順2:USBの「セレクティブサスペンド」を無効にする
USB接続タイプのBluetoothドングル(アダプター)を使っている場合や、手順1の設定がない場合は、USB全体の省電力設定を見直します。
- スタートボタンの検索窓に
電源プランと入力し、[電源プランの編集] を開きます。 - [詳細な電源設定の変更] をクリックします。
- リストの中から [USB設定] > [USBのセレクティブサスペンドの設定] を展開します。
- 「バッテリ駆動」と「電源に接続」の両方を [無効] に変更します。
- [適用] > [OK] を押します。
これで、USBポートへの給電が安定し、通信の途切れが解消されます。
手順3:【電波干渉】USB 3.0ポートから離す
意外と知られていない事実ですが、「USB 3.0(青い端子)のポート」は、Bluetoothと同じ2.4GHz帯の強力なノイズを出します。
- NGな配置: USBメモリや外付けHDDを挿しているポートの「すぐ隣」にBluetoothドングルを挿している。
- 対策: Bluetoothドングルは、USB 2.0(黒い端子)に挿すか、USB延長ケーブルを使ってPC本体から少し離した場所に設置してください。
これだけで「ブツブツ切れる」現象が嘘のように直ることがあります。
手順4:Wi-Fiを「5GHz帯」に切り替える
Bluetoothは「2.4GHz」という周波数を使っていますが、これはWi-Fiや電子レンジと同じです。
特にWi-Fiで大容量のダウンロードをしている時にマウスが重くなるなら、電波が喧嘩しています。
- PCのWi-Fi接続先を確認してください。
- もし「Buffalo-G-xxxx」のような2.4GHz帯に繋いでいるなら、「Buffalo-A-xxxx」のような5GHz帯(Wi-Fi 5/6)に繋ぎ直してください。
まとめ:マウスの故障を疑うのは最後
カクつき・遅延の解消チェックリストです。
| 原因 | 対策 | 効果 |
|---|---|---|
| 省電力機能 | デバイスマネージャーでオフ | ◎ 劇的 |
| USBの電圧不足 | セレクティブサスペンド無効 | ◯ 安定化 |
| 電波干渉 | USB 3.0から離す / 5GHz Wi-Fi | ◯ ノイズ除去 |
「マウスが壊れたかな?」と思って買い替える前に、まずは「デバイスマネージャーの電源管理」のチェックを外してみてください。
それだけで、有線マウス並みの快適さが戻ってくるはずです。
