新しいMicrosoft Outlookに切り替えたものの、使い勝手が合わず従来版に戻したいと考えていませんか。しかし、新しいOutlookのインターフェースから従来版への切り替えボタンが見当たらない、あるいは表示されなくなってしまったという状況に直面している方もいるでしょう。このような場合、多くは新しいOutlookのインストールがシステムに組み込まれているため、単純な切り替え操作だけでは解決しません。この記事では、新しいOutlookから従来版のMicrosoft Outlookに戻せなくなった際に、従来版を再インストールして利用可能にするための具体的な手順を解説します。これにより、ご自身の使い慣れた環境でOutlookをご利用いただけます。
新しいOutlookへの移行は、Microsoft 365のサービス統合の一環として進められています。しかし、この移行プロセスにおいて、ユーザーが従来版のOutlookに戻れないという問題が発生することがあります。これは、新しいOutlookが既存のOutlookアプリと置き換わる形でインストールされるため、アンインストールだけでは従来版が復旧しないケースがあるからです。本記事では、この問題に対する具体的な解決策として、従来版のMicrosoft Outlookを再インストールする手順を、Windows環境を基準に詳しく解説します。これにより、新しいOutlookの操作に戸惑うことなく、業務をスムーズに進めることが可能になります。
【要点】新しいOutlookから従来版Outlookに戻れない場合の対処法
- 新しいOutlookのアンインストール: 新しいOutlookアプリをシステムから削除し、競合を解消します。
- Office展開ツールの準備: 従来版Outlookをインストールするために必要なOffice展開ツールをダウンロード・設定します。
- 従来版Outlookのインストール: Office展開ツールを使用して、従来版Microsoft Outlookをインストールします。
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目次
新しいOutlookが従来版を上書きしてしまう仕組み
新しいMicrosoft Outlookは、従来のデスクトップ版Outlook(Outlook 2016, 2019, 2021など)とは異なるアーキテクチャを採用しています。Microsoft 365のアップデートの一環として、新しいOutlookは既存のOutlookインストールを置き換える形で展開されることがあります。このため、新しいOutlookを有効にすると、従来版のOutlookアプリが自動的にアンインストールされたり、無効化されたりすることがあります。これは、Microsoftが将来的にOutlookの統一されたエクスペリエンスを提供するための戦略ですが、ユーザーが一時的に従来版に戻りたい場合には、この挙動が障壁となります。具体的には、新しいOutlookは「Outlook (New)」という名称でインストールされ、従来の「Outlook」アプリケーションの実行ファイルを置き換えるように設計されています。これにより、ユーザーが意図せずとも、新しいインターフェースへの移行が強制される場合があります。
この上書きの仕組みは、主にWindowsのインストールパッケージ管理システムとMicrosoft 365の更新メカニズムによって制御されています。新しいOutlookは、Microsoft Storeアプリとしても提供されており、これをインストールすると、従来のClick-to-Run版やMSI版のOutlookが検出され、置き換えられることがあります。組織によっては、管理者によって新しいOutlookへの移行が推進されており、ユーザー側での操作なしに展開されるケースもあります。このような状況下では、新しいOutlookのアンインストールだけでは、従来版のOutlookが自動的に復元されるわけではありません。従来版を再度利用するには、明示的にインストールプロセスを実行する必要があります。
従来版Outlookを再インストールする手順
1. 新しいOutlookのアンインストール
まず、現在インストールされている新しいOutlookをシステムから削除します。これにより、従来版Outlookをインストールする際の競合を防ぎます。
- Windowsの設定を開く
スタートメニューをクリックし、歯車アイコンの「設定」を選択します。 - 「アプリ」を選択する
設定画面の左側メニューから「アプリ」をクリックします。 - 「アプリと機能」を開く
「アプリ」メニューの中から「アプリと機能」を選択します。 - 新しいOutlookを検索する
アプリの一覧が表示されるので、「Outlook」または「Outlook (New)」と検索します。 - アンインストールを実行する
見つかった新しいOutlookを選択し、「アンインストール」ボタンをクリックします。画面の指示に従ってアンインストールを完了させてください。
2. Office展開ツールのダウンロードと準備
従来版のMicrosoft Outlookをインストールするには、Office展開ツール(Office Deployment Tool, ODT)を使用します。このツールは、Microsoftからダウンロードして設定ファイルを作成することで、特定のOffice製品をインストールできます。
- Office展開ツールのダウンロードページにアクセスする
Microsoftの公式ダウンロードセンターから「Office Deployment Tool」を検索し、ダウンロードします。 - ダウンロードした実行ファイルを実行する
ダウンロードした「setup.exe」を実行します。ライセンス条項に同意すると、ファイルの展開場所を尋ねられます。任意のフォルダ(例: C:\ODT)を指定して展開してください。 - 設定ファイル(configuration.xml)を作成する
展開されたフォルダ(例: C:\ODT)に、メモ帳などのテキストエディタを使用して新しいファイルを作成します。ファイル名を「configuration.xml」として保存してください。 - configuration.xmlに設定を記述する
作成したconfiguration.xmlファイルに、従来版OutlookをインストールするためのXMLコードを記述します。以下は、Outlook 2021(Microsoft 365 Apps for business/enterprise版)をインストールする例です。組織のライセンス形態に合わせて、Product IDやVersionを調整してください。
以下に、Outlook 2021をインストールするためのconfiguration.xmlの例を示します。このXMLは、Office展開ツールが使用する設定ファイルです。ここでは、Outlook 2021(Microsoft 365 Apps for business/enterprise)を64ビット版でインストールします。組織によっては、ライセンスに応じて「ProductID」を「O365ProPlusRetail」や「ProPlus2021Volume」などに変更する必要がある場合があります。また、言語を「ja-jp」(日本語)に指定しています。
<Configuration>
<Add SourcePath="C:\ODT\OfficeFiles" OfficeClientExtensionDefaultVersion="16.0" OfficeClientExtensionMajorVersion="16" ProductID="O365ProPlusRetail" Version="16.0.17029.20068">
<Product ID="O365ProPlusRetail">
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Access" />
<ExcludeApp ID="Excel" />
<ExcludeApp ID="Groove" />
<ExcludeApp ID="InfoPath" />
<ExcludeApp ID="Lync" />
<ExcludeApp ID="OneDrive" />
<ExcludeApp ID="OneNote" />
<ExcludeApp ID="Outlook" />
<ExcludeApp ID="PowerPoint" />
<ExcludeApp ID="Publisher" />
<ExcludeApp ID="SharePointDesigner" />
<ExcludeApp ID="Word" />
</Product>
<Product ID="Outlook2021Volume">
<Language ID="ja-jp" />
</Product>
</Add>
<Display Level="Full" AcceptEULA="TRUE" />
<Property Name="FORCEAPPSHUTDOWN" Value="TRUE" />
<Property Name="SharedComputerLicensing" Value="0" />
</Configuration>
注記: 上記のXMLはOutlook 2021を単独でインストールする例ですが、Microsoft 365 Apps for business/enterpriseのサブスクリプションをお持ちの場合は、Outlook 2021(または最新の永続版)が利用可能です。ProductIDの指定は、お使いのライセンスとバージョン(例: Office LTSC 2021)に合わせて調整してください。もし、Officeスイート全体ではなく、Outlookのみをインストールしたい場合は、上記XMLの「ExcludeApp」タグで他のアプリケーションをすべて除外するか、Outlook専用のProductIDを指定する必要があります。多くの場合は、Microsoft 365 Apps for business/enterpriseのインストールに含まれるOutlookを、必要に応じて利用することになります。
XMLファイルの「SourcePath」は、Office展開ツールのsetup.exeと同じフォルダに、Officeファイルを格納するためのサブフォルダ(例: OfficeFiles)を作成し、そこに配置することを想定しています。この設定ファイルは、インストールする製品、言語、アーキテクチャ(32ビットまたは64ビット)、および表示レベル(フルまたは最小)を定義します。ここでは、Outlook 2021を64ビット版、日本語でインストールする設定を記述します。ProductIDは、お使いのMicrosoft 365ライセンスの種類によって異なります。例えば、「O365ProPlusRetail」はMicrosoft 365 Apps for enterprise、「O365BusinessRetail」はMicrosoft 365 Apps for businessに対応します。永続版のOffice 2021の場合は、「ProPlus2021Volume」などが該当します。ご自身のライセンスに合ったProductIDを確認してください。
3. 従来版Outlookのインストール実行
準備が整ったら、コマンドプロンプトを使用してOffice展開ツールを実行し、従来版Outlookのインストールを開始します。
- コマンドプロンプトを管理者として実行する
スタートメニューで「cmd」と検索し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。 - Office展開ツールのフォルダに移動する
コマンドプロンプトで、Office展開ツールを解凍したフォルダに移動します。例えば、C:\ODTフォルダに展開した場合は、以下のコマンドを入力します。cd C:\ODT - インストールコマンドを実行する
次に、setup.exeとconfiguration.xmlを使用してインストールコマンドを実行します。以下のコマンドは、XMLファイルの設定に従ってインストールを開始します。setup.exe /configure configuration.xml - インストールの完了を待つ
コマンドを実行すると、Office展開ツールがファイルのダウンロードとインストールを開始します。画面の指示に従い、インストールが完了するまで待機してください。完了すると、コマンドプロンプトに戻ります。
インストールの過程で、エラーが発生した場合は、XMLファイルの設定内容や、展開ツールのファイルが正しく配置されているかを確認してください。また、組織のネットワーク環境によっては、プロキシ設定やファイアウォールがインストールの妨げになる可能性もあります。その場合は、IT管理者にご相談ください。インストールが正常に完了したら、スタートメニューから「Outlook」を検索して、従来版のMicrosoft Outlookが起動することを確認してください。
インストールコマンドを実行する前に、configuration.xmlファイルに指定したSourcePath(例: C:\ODT\OfficeFiles)に、Office展開ツールからダウンロードされるべきファイルが配置されている必要があります。通常、setup.exe /download configuration.xml コマンドを実行することで、指定されたSourcePathにOfficeのインストールファイルがダウンロードされます。その後、setup.exe /configure configuration.xml コマンドでインストールを進めます。この2段階のプロセスを踏むことで、オフライン環境でのインストールも可能になります。ただし、ここではインターネット接続があることを前提に、直接configureコマンドを実行する手順を説明しています。もし、ダウンロードに失敗する場合は、まず/downloadコマンドでファイルを準備してください。
従来版Outlook利用時の注意点
新しいOutlookへの自動更新を防ぐ設定
従来版Outlookをインストールした後も、システムによっては自動的に新しいOutlookへ更新される可能性があります。これを防ぐためには、レジストリエディターで設定を変更することが推奨されます。ただし、レジストリの操作はシステムに影響を与える可能性があるため、慎重に行ってください。
- レジストリエディターを開く
Windowsの検索バーに「regedit」と入力し、「レジストリエディター」を管理者として実行します。 - 以下のキーに移動する
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\16.0\Outlook
(バージョン番号16.0は、お使いのOfficeのバージョンによって異なる場合があります。通常、Microsoft 365 Apps for enterpriseでは16.0です。) - 「Policies」キーを作成または確認する
「Outlook」キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択して「Policies」という名前で作成します。既に存在する場合は、そのまま選択します。 - 「Outlook」キーを作成または確認する
「Policies」キーを右クリックし、「新規」→「キー」を選択して「Outlook」という名前で作成します。 - DWORD値を作成する
作成した「Outlook」キーを選択し、右側のペインで右クリックします。「新規」→「DWORD (32ビット) 値」を選択し、「Name」を「DisableNewOutlook」とします。 - 値を設定する
作成した「DisableNewOutlook」をダブルクリックし、「値のデータ」を「1」に変更して「OK」をクリックします。
この設定により、新しいOutlookへの自動的な切り替えが無効化されます。設定を元に戻したい場合は、「DisableNewOutlook」の値を「0」に変更するか、DWORD値を削除してください。このレジストリ設定は、Microsoft 365 Apps for enterpriseまたはMicrosoft 365 Apps for businessの最新バージョンで有効です。古いバージョンのOfficeや、ボリュームライセンス版Office 2021などでは、キーのパスやDWORD値の名前が異なる場合があります。不明な場合は、Microsoftの公式ドキュメントを参照するか、IT管理者にご確認ください。
アカウント設定の確認と移行
従来版Outlookのインストール後、アカウントが自動的に設定されているか確認してください。多くの場合、以前の設定が引き継がれますが、まれに再設定が必要な場合があります。特に、Exchange OnlineアカウントやPOP/IMAPアカウントの設定が正しく反映されているかを確認しましょう。もし、アカウントが正しく表示されない場合は、手動でアカウントを追加する必要があります。
- Outlookを起動する
スタートメニューから「Outlook」を起動します。 - 「ファイル」メニューを開く
左上の「ファイル」タブをクリックします。 - 「アカウントの追加」を選択する
「アカウント設定」ボタンのドロップダウンから「アカウントの追加」を選択します。 - メールアドレスを入力する
表示される画面で、ご自身のアカウントのメールアドレスを入力し、「接続」をクリックします。 - パスワードを入力して完了する
画面の指示に従ってパスワードを入力し、アカウントの追加を完了させます。
Exchange Onlineアカウント(Microsoft 365アカウント)の場合、通常はメールアドレスを入力するだけで自動的に設定が完了します。POPまたはIMAPアカウントの場合は、サーバー設定(受信サーバー、送信サーバー、ポート番号など)を手動で入力する必要がある場合があります。これらの情報は、ご利用のメールサービスプロバイダーから提供されていますので、ご確認ください。
組織ポリシーによる制限の可能性
組織によっては、IT管理者によって特定のバージョンのOfficeアプリケーションの使用が制限されている場合があります。従来版Outlookのインストールが、組織のポリシーに違反しないか事前に確認することが重要です。もし、管理者権限がない場合や、組織のポリシーで制限されている場合は、IT部門に相談してください。管理者権限を持たないユーザーが、IT部門の許可なくソフトウェアをインストールすることは、セキュリティリスクとなる可能性があります。
特に、Microsoft 365 Apps for enterprise/businessを利用している環境では、管理者が展開するOfficeのバージョンや機能が細かく制御されています。新しいOutlookへの移行も、組織全体で計画的に進められている場合が多いです。もし、ご自身で従来版Outlookをインストールした結果、他のOfficeアプリケーションとの連携に問題が発生したり、セキュリティ上の問題が指摘されたりした場合は、速やかにIT管理者に報告してください。組織のITインフラストラクチャ全体との互換性を保つことが、円滑な業務遂行には不可欠です。
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Mac版・モバイル版・Web版との違い
今回解説した従来版Outlookの再インストール手順は、主にWindowsデスクトップ版を対象としています。Mac版Microsoft Outlookや、iOS/Androidのモバイル版Outlook、そしてWeb版Outlook(Outlook on the web)では、アプリケーションの構造や更新メカニズムが異なります。
Mac版Outlookの場合、新しいOutlookへの切り替えは、アプリ内のトグルスイッチで行われることが一般的です。従来版Mac Outlookに戻す場合も、同様にアプリの設定から操作できます。モバイル版では、新しいインターフェースへの更新はアプリストアからのアップデートによって行われ、従来版に戻す機能は提供されていないことが多いです。Web版Outlookは、常に最新の状態が提供されるため、バージョンを意識する必要はありません。したがって、今回説明したOffice展開ツールを用いた再インストールは、Windowsデスクトップ版Outlookに固有の手順となります。
Mac版Outlookで新しいインターフェースから従来版に戻すには、通常、画面左上にある新しいOutlookへの切り替えトグルスイッチをオフにします。このトグルスイッチが表示されない場合や、操作しても従来版に戻らない場合は、MacのアプリケーションフォルダからOutlookアプリをアンインストールし、App Storeから再インストールするか、Microsoftの公式サイトから従来版のインストーラーをダウンロードしてインストールする必要があります。モバイル版については、アプリのアンインストールと再インストールが基本ですが、アカウントデータはクラウド上に保存されているため、再インストール後も同じアカウントでサインインすれば、データは同期されます。Web版は、ブラウザでアクセスするため、特別なインストールやアンインストール作業は不要です。
まとめ
新しいMicrosoft Outlookから従来版に戻せなくなった場合でも、Office展開ツールを使用することで、従来版のMicrosoft Outlookを再インストールし、利用可能な状態にできます。本記事では、新しいOutlookのアンインストールから、Office展開ツールの準備、そして従来版Outlookのインストール手順までを詳細に解説しました。これにより、使い慣れたOutlook環境で業務を継続できるようになります。今後、新しいOutlookへの移行を検討する際には、この手順を参考に、必要に応じて従来版に戻すことも可能です。組織のITポリシーを確認しながら、ご自身の環境に最適なOutlookのバージョンをご利用ください。
今回解説した手順を実践することで、新しいOutlookへの移行で戸惑っていた方も、自信を持って従来版のMicrosoft Outlookを利用できるようになります。もし、インストール中に問題が発生した場合は、XML設定ファイルの内容や、IT管理者のサポートを受けることを検討してください。この知識を応用すれば、将来的にOutlookのバージョン変更が必要になった際にも、スムーズに対応できるでしょう。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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