2022年11月のリリース以来、猛烈な勢いで世界を席巻しているOpenAIの「ChatGPT」。
人工知能ブームが巻き起こるなか、2023年2月にマイクロソフトから提供が開始されたChatGPTの互換サービス「Bing AI」も大きな注目を集めている。
目次
ChatGPTとBing AIの違いは「リアルタイム性」
いずれもAIモデルのGPTを利用したチャットサービスだが、Bing AIとChatGPTの違いは「リアルタイム性」。
Bing AIではChatGPTに搭載されるGPT-3.5の発展形であるPrometheusという大規模言語処理用のAIモデルを採用。マイクロソフトの検索エンジン「Bing」に利用されているBingSearchから情報を収集し、リアルタイムでの情報収集を実現しているのだ。
どのように返答がことなるのか、実際に試してみよう。
韻を踏んだポエム「犬と海が大好きな8歳の息子に贈る俳句を考えています。」
Bing AIが公式サイトでお試し用の質問として挙げているのが「韻を踏んだポエム」を書かせる「犬と海が大好きな8歳の息子に贈る俳句を考えています。」とのテキスト。
Bing AIは「俳句の作り方サイト」「犬に関するサイト」を検索して解答
この問いにBing AIは以下のように答える。
こんにちは、こちらはBingです。
犬と海が大好きな8歳の息子さんに贈る俳句を考えていますか。素敵なプレゼントですね。俳句の作り方について、いくつかのサイトが参考になると思います。
俳句の作り方の基本は、以下のようになります。
まずはテーマと季語を決める。季語は季節を感じさせる言葉で、俳句には必ず入れる必要があります。
次に、テーマと季語に関連する場面や気持ちを切り取ってみる。五・七・五の十七音に収まるように言葉を選びます。
最後に、切れ字を入れる。切れ字は俳句の中で区切りをつける言葉で、意味や響きを変える効果があります。切れ字は一般に五音目と十二音目のどちらかに入れます。
例えば、犬と海がテーマで、夏が季語だとすると、以下のような俳句が考えられます。海に行く 犬と一緒に 夏の風
犬と走る 夏の海辺に はしゃぐ子
夏の海 犬と波にのる 楽しそう
どうでしょうか。息子さんに喜んでもらえる俳句ができるといいですね。
様々なサイトを検索して、質問にマッチした解答を導くのがBing AIの特徴だ。この質問には「俳句の作り方」を解説するサイトに加え、犬に関する情報を提供するサイトも引用している。
作品と解説文を提示したChatGPT
ChatGPTに同じ質問を投げかけると、以下の解答が返ってきた。
「波音に 楽しみ吠える 愛犬かな」
(hanami ni / tanoshimi hoeru / aiken kana)意味:愛犬が楽しそうに波の音に向かって吠えている様子を表現しています。海と犬が大好きな8歳の息子には、この俳句がぴったりかもしれません。
Bing AIと異なり、ChatGPTはリアルタイムでの検索ができないため、ビッグデータから学習した情報を提示している。
今回の質問「犬と海が大好きな8歳の息子に贈る俳句を考えています。」には、Bing AIよりも凝った表現での作品と解説を提示した。
クリエイティブな能力が高く評価されるBing AIとChatGPTだが、いずれも俳句のルールである「五七五」を守れず。まだまだ改善点があると言えそうだ。