「Web会議(Zoom/Teams)で、相手から『声が遠いです』『もっとマイクに近づいてください』と頻繁に言われる」「Windowsの設定で入力音量を100にしているのに、録音してみると蚊の鳴くような声しか入っていない」……。
安いマイクだから仕方ない? いえ、諦めるのはまだ早いです。
Windowsの深層設定には、限界を超えて音量を増幅させる「マイクブースト(増幅)」という隠し機能があります。
この記事では、通常の設定画面からは辿り着けないこの機能を使い、小さな声を「クリアで大きな声」に変える手順を解説します。
目次
手順1:【最重要】「サウンドコントロールパネル」を開く
多くの人が躓くポイントですが、今のWindows 10/11の「設定アプリ」では、マイクブーストの項目が表示されません。
昔ながらの「コントロールパネル」を開く必要があります。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に
mmsys.cplと入力して [OK] を押します。
(これがサウンド設定への直通コマンドです) - 小さなウィンドウが開いたら、上部の [録音] タブをクリックします。
手順2:マイクブースト(増幅)レベルを上げる
ここが音量アップの本丸です。
- 録音タブのリストから、現在使っているマイク(チェックマークが付いているもの)をダブルクリックします。
- プロパティ画面が開いたら、上部の [レベル] タブをクリックします。
- ここに2つのスライダーがあるはずです。
- マイク配列(Microphone): 基本音量です。まずはこれを 100 にします。
- マイクブースト(Microphone Boost): これが増幅機能です。
- マイクブーストのスライダーを [+10.0 dB] または [+20.0 dB] に上げてください。
(※上げすぎると「サーッ」というノイズが入るので、+10〜+20くらいが適正です) - [OK] を押して閉じます。
これで、ハードウェア的に音量が底上げされました。一度Zoomなどでテストしてみてください。
手順3:勝手に音量を下げられないようにする
「設定したはずなのに、会議を始めると勝手に音量が下がる」という現象を防ぎます。
- 先ほどのマイクのプロパティ画面で、今度は [詳細] タブを開きます。
- 「排他モード」の欄にある [アプリケーションがこのデバイスを独占的に制御できるようにする] のチェックを外します。
- 次に、サウンド画面全体の [通信] タブ(録音タブの右の方)を開きます。
- 「Windowsが通信アクティビティを検出したとき」の設定を、[何もしない] に変更します。
(※ここが「80%下げる」になっていると、通話中に他の音が勝手に小さくなります)
手順4:Zoom/Teams側の「自動調整」を切る
Windows側を完璧にしても、アプリ側がお節介をして音量を下げてくることがあります。
Zoomの場合
- Zoomの設定(歯車アイコン)を開きます。
- [オーディオ] を選びます。
- マイクの音量バーの下にある [マイク音量を自動調整] のチェックを外します。
- スライダーを右(最大)に動かしておきます。
Teamsの場合
- Teamsの設定 > [デバイス] を開きます。
- 「マイクの感度を自動的に調整する」というスイッチがあればオフにします。
(※Teamsのバージョンによっては、ノイズ抑制の設定を「自動」から「低」などに変えることで改善する場合もあります)
まとめ:新しいマイクを買う前に「ブースト」
音量が小さい時の対処フローです。
| 確認場所 | 設定内容 | 効果 |
|---|---|---|
| サウンド設定 (mmsys.cpl) | マイクブースト +20dB | ◎ 劇的改善 |
| 通信タブ | 「何もしない」に変更 | ◯ 勝手な減衰防止 |
| 会議アプリ側 | 自動調整をオフ | ◯ 安定化 |
PC内蔵マイクや安価なヘッドセットは、元々の出力が弱めに作られています。
まずはWindowsのマイクブーストを使って、ハードウェアの限界能力を引き出してみてください。
