調子の悪いUSBメモリや、テレビ録画・ラズパイ等で使っていたSDカードを再利用しようとしてフォーマット(初期化)を実行したら、最後に「Windows はフォーマットを完了できませんでした」というエラーが出て失敗する……。
あるいは、「64GBのメモリなのに、なぜか容量が数MBしか認識されない」といった現象が起きていませんか?
これは、Windowsの通常機能では扱えない特殊なパーティション情報が残っていたり、管理情報が破損していることが原因です。
この記事では、Windows最強のディスク管理ツール「Diskpart」のコマンドを使い、あらゆる管理情報を消し飛ばして強制的に工場出荷状態(真っ白)に戻す手順を解説します。
目次
警告:データは「1ミクロン」も残りません
今回行う操作は、単なるフォーマットよりも強力な「クリーン(Clean)」処理です。
ドライブの中にあるファイルはもちろん、パーティション(部屋の仕切り)ごと全て爆破します。
⚠️ 操作ミスに注意!
コマンドで指定するディスク番号を間違えると、PCのHDDやSSDを消してしまう恐れがあります。
手順の中で「容量」をしっかり確認し、慎重に操作してください。
手順1:Diskpartを起動し、ディスクを特定する
黒い画面でコマンドを入力していきます。難しく見えますが、手順通りやれば簡単です。
- 問題のUSBメモリやSDカードをPCに接続します。
- スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [コマンドプロンプト (管理者)] を開きます。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
diskpart - ツールが起動したら(行頭が DISKPART> になります)、ディスクの一覧を表示させます。
list disk
運命のディスク選択
画面に ディスク 0、ディスク 1… とリストが表示されます。
「サイズ」を見て、対象のUSBメモリが何番なのか特定してください。
- ディスク 0:通常はPC本体のSSD(数百GB〜)です。絶対に選ばないでください。
- ディスク 1(または2):USBメモリの容量(14GB、28GBなど)と一致していますか?
手順2:【最重要】Cleanコマンドで全てを消し去る
対象が「ディスク 2」だと仮定して進めます。(※自分の番号に読み替えてください!)
- 対象のディスクを選択します。
select disk 2
※本当に「ディスク 2」で合っていますか? 再確認してください。 - 選択できたら、以下のコマンドを入力します。これが破壊命令です。
clean - 「DiskPart はディスクを正常にクリーンな状態にしました。」と表示されれば成功です。
これで、そのドライブは「未割り当て(ただのシリコンの塊)」になりました。
エラーの原因となっていた壊れた管理情報も消滅しました。
手順3:再び使えるようにフォーマットする
今は「未割り当て」の状態なので、エクスプローラーには表示されません。
使えるように部屋(パーティション)を作ります。
続けてコマンドでやってもいいですが、ここからはマウス操作の方が簡単で安全です。
- スタートボタンを右クリックし、[ディスクの管理] を開きます。
- リストの中に「未割り当て」と書かれた黒い帯のディスク(先ほどCleanしたディスク)があるはずです。
- その黒い部分を右クリックし、[新しいシンプル ボリューム] を選びます。
- ウィザードに従って [次へ] を連打します。
- ファイルシステムは「FAT32」または「exFAT」を選んでフォーマットを実行します。
これで、正しい容量で認識され、読み書きできる正常なドライブとして復活します。
手順4:SDカードなら「SD Formatter」も有効
もし対象がカメラやスマホ用の「SDカード」の場合、Diskpartよりも公式ツールを使ったほうが性能が出ることがあります。
- SDメモリカードフォーマッター(無料):
SDアソシエーション(規格団体)が配布している公式ソフトです。
「上書きフォーマット」機能を使うと、Diskpartと同様に不良箇所をリセットして復活できる場合があります。
まとめ:GUIでダメならCUIで直す
フォーマットエラー解決のフローです。
| 症状 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| フォーマット完了できない | パーティション破損 | Diskpart “clean” |
| 容量が極端に少ない | Linux/TV録画等の領域 | Diskpart “clean” |
| 書き込み禁止と出る | ロックまたは故障 | 属性解除 または 寿命 |
「Windowsはフォーマットを完了できませんでした」と言われると絶望しますが、Windowsが「標準のやり方では無理」と言っているだけです。
上官であるあなたの命令(コマンド)で強制執行すれば、大抵の論理エラーは解決します。