Windows 11にアップデートして最もストレスを感じるのは、新しくなった「右クリックメニュー」ではないでしょうか? コピーや貼り付けがアイコン化され、さらに従来のメニューを出すには「その他のオプションを表示」をわざわざクリックしなければならない二度手間。この「お節介な簡略化」を解除し、Windows 10までのような「全ての項目が一発で出るメニュー」に強制的に戻す裏ワザを解説します。
- ⏱ 解決時間: 2分
- 💻 対象OS: Windows 11 限定
- 🛠 難易度: 中級(コマンド実行あり)
- ✅ 期待効果: 右クリックの操作回数が半分になり、作業効率が大幅に向上
目次
1. Windows 11のメニューが不評な理由
Microsoftは「よく使う機能に絞ってスッキリさせる」という意図でメニューを刷新しましたが、実際にはサードパーティ製アプリ(解凍ソフトやセキュリティソフト)の項目が「隠されてしまう」という弊害を生みました。特にファイル操作を頻繁に行うビジネスユーザーにとって、1回クリックが増えることは大きな生産性の低下を意味します。これを「レジストリ」というシステム深部の設定を一行書き換えるだけで解決できます。
2. 解決手順:コマンド一発で「以前のメニュー」に戻す
手動でレジストリをいじるのは危険ですが、コマンドプロンプトを使えば安全かつ正確に設定を変更できます。
- スタートメニューで cmd と検索し、「管理者として実行」をクリックします。
- 以下のコマンドをコピーして、黒い画面に貼り付け、Enterキーを押します。
reg add "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /f /ve - 「この操作を正しく終了しました」と出れば成功です。
- 設定を反映させるため、パソコンを再起動するか、タスクマネージャーで「エクスプローラー」を再起動してください。
3. 元に戻したくなった場合(初期状態への復帰)
「やっぱり新しいメニューの方が良かった」と思った場合も、以下のコマンドで一瞬で戻せます。
- 同様に管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
reg delete "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}" /f - 再起動すれば、Windows 11標準のメニューに戻ります。
4. コマンドを使わない「一時的」な回避法
システムをいじりたくないけれど、今だけフルメニューを見たいという時のショートカットです。
| 操作 | 効果 |
|---|---|
| Shift + 右クリック | 最初から「以前のメニュー」の状態で開きます。 |
| Ctrl + Shift + C | メニューを開かずに「パスのコピー」を一瞬で行えます。 |
5. よくある質問 (FAQ)
Q. Windows Updateで元に戻ってしまいませんか?
大型アップデートの際、設定がリセットされる可能性があります。その場合は、もう一度手順2のコマンドを実行すれば即座に復旧可能です。
Q. レジストリをいじってPCが壊れる心配は?
今回紹介したコマンドは、特定の表示設定に「空の値」を割り当てるだけの安全なものです。システム全体を不安定にするものではありませんが、不安な場合は「システムの復元ポイント」を作成してから実行することをお勧めします。
まとめ:小さな「不便」を放置しない
1日何百回と行う「右クリック」という動作。そのたびに1秒、1クリックをロスすることは、年間で数時間の損失になります。Windows 11の洗練された見た目よりも、仕事の「実」を取るなら、迷わずこの設定を導入すべきです。フォルダを開いた瞬間に全ての選択肢が並んでいる快感を、ぜひ体験してください。
