「自分では出していない投稿が勝手に行われている」「パスワードが変更されてログインできない」。
Facebookアカウントの乗っ取りは、単なる個人情報の流出に留まらず、連携しているビジネスアカウント(広告アカウント)の悪用や、友人を標的にしたフィッシング詐欺の踏み台にされるなど、深刻な被害に直結します。
犯人が最初にメールアドレスやパスワード、さらに二段階認証の設定までも書き換えてしまった場合、通常の『パスワードを忘れた場合』の手順では太刀打ちできません。しかし、Meta社はこのような状況を想定し、物理的な身分証提示による『強制的な所有権の奪還ルート』を用意しています。本稿では、2025年最新のセキュリティ仕様に基づき、乗っ取られたアカウントを取り戻すための全技術的工程を詳説します。
- ⏱ 所要時間: 30分〜数日(本人確認の審査を含む)
- 💻 対象OS: iOS / Android / Webブラウザ対応
- 🛠 難易度: 上級(身分証の提出が必要)
- ✅ 必要なもの: 公的身分証明書、過去に使用していたデバイス
こんな最悪の状況を解決します
- メールアドレスを犯人のものに変更され、ログインできない
- 二段階認証を勝手に設定され、コードが届かない
- 自分が管理者となっている企業ページや広告が乗っ取られた
目次
1. 犯人のアクセスを遮断する「第一動」
乗っ取りに気づいたら、1分1秒でも早く初動対応を行う必要があります。犯人があなたのアカウントを使ってさらに被害を拡大させるのを防ぐためです。
1-1. 専用URL「facebook.com/hacked」を叩く
検索エンジンやヘルプセンターから辿るのではなく、直接ブラウザに facebook.com/hacked と入力してアクセスしてください。これがMeta社が用意した『緊急事態専用』の入口です。
このページでは、通常の設定変更とは異なる「不正アクセスを報告する」ための特殊なロジックが働きます。「自分のアカウントに不正にアクセスした人がいる」を選択し、過去のパスワードや電話番号を使って自分自身の認証を試みます。
1-2. 「信頼できるデバイス」からアクセスする
復旧作業を行う際は、必ず**「以前からFacebookにログインしていたスマホやPC」**を使用してください。MetaのシステムはブラウザのCookieやIPアドレスの履歴を監視しており、使い慣れた端末からのアクセスであれば、本人である確率が高いと判断され、復旧のハードルが下がります。新しい端末や、普段使わないブラウザからだと、システムに拒絶される可能性が高まります。
2. メールアドレスを書き換えられた場合の奪還ルート
犯人がログイン用メールアドレスを変更してしまった場合、通常の方法ではパスワードリセットのメールすら受け取れません。
2-1. 「メールアドレスの変更通知」を確認する
あなたの元のメールアドレス宛に、Facebookから『メールアドレスが変更されました』という通知が届いているはずです。このメール内にある「この変更に心当たりがない場合、ここからアカウントを保護してください」というリンクは非常に強力です。このリンクを辿ることで、変更を無効化し、旧メールアドレスを復旧させることができる場合があります(リンクの有効期限は短いため、即座に実行してください)。
2-2. 身分証による本人確認(Identity Verification)
メールアドレスもパスワードも二段階認証もすべて犯人の手に渡ってしまった場合の、最終手段です。
ログイン画面の「別の方法を試す」から「もうこれらの方法を利用できませんか?」というリンクを選択してください。これにより、公的身分証明書(免許証やパスポート)の写真をアップロードして本人確認を行う特別ルートへ誘導されます。Metaの担当者またはAIが、アカウントに登録されていた写真や名前と照合し、一致すれば強制的にアカウントの所有権があなたに戻されます。
3. 二段階認証(2FA)を突破された場合の対処
近年増えているのが、犯人が自分の認証アプリを紐付けてしまい、正規のユーザーを締め出すパターンです。
- ログイン画面でコードの入力を求められた際、「ログインできない場合」をクリック。
- 「身分証を提出」を選択します。
- 案内に従って、顔写真付きの身分証を撮影・アップロードします。
- 承認されると、二段階認証を一時的にバイパスするためのワンタイムコードがメールで届きます。
4. 奪還成功後に必ずやるべき「3つの大掃除」
アカウントを取り戻しただけで安心しないでください。犯人が「裏口」を残している可能性があるからです。
- ログイン中のセッションをすべて終了: [設定] > [セキュリティとログイン] > [ログインの場所] を確認し、自分以外の全セッションを強制ログアウトさせます。
- 不審なアプリ・連携解除: 設定の「アプリとウェブサイト」を確認し、犯人が権限を奪うためにインストールした見知らぬアプリをすべて削除します。
- 二段階認証の再設定: 犯人の認証アプリや電話番号が登録されていないか確認し、自分のデバイスで再構成します。予備のリカバリコード(8桁の数字)をメモしておくことも忘れずに。
まとめ:乗っ取りを未然に防ぐ「最強の壁」
今回の被害を教訓に、以下の3点を徹底してください。
| 対策項目 | 具体的アクション | 防衛効果 |
|---|---|---|
| 二段階認証 | 認証アプリ(Google Authenticator等)を利用 | パスワード漏洩時の最終防衛 |
| ログイン通知 | メールとプッシュ通知をオン | 不正ログインを秒速で検知 |
| パスワード管理 | 他サービスとの使い回しを完全に禁止 | 連鎖的な乗っ取りを防止 |
Facebookのアカウントは、あなた自身のデジタルアイデンティティそのものです。万が一乗っ取られたとしても、焦らずに『facebook.com/hacked』や身分証提示ルートを確実に辿ることで、奪還の可能性は残されています。本稿の手順に従い、冷静に、かつ迅速に対応を行ってください。
