「なぜこの人が出てくるのか」「勝手に自分のプロフィールが相手に表示されていないか」。
Facebookを利用していて最もストレスを感じる機能の一つが、執拗に繰り返される『知り合いかも』の表示です。共通の友人が一人もいないはずの相手や、過去に関係を断ったはずの人物が平然とリストに並ぶ様子は、時に恐怖すら感じさせます。
この機能はFacebookの成長戦略(グロースハック)の核であり、ユーザーが拒否しない限り、あらゆるルートから個人を特定し、繋げようと画策します。2025年現在、この機能を完全に『抹消』するスイッチは存在しませんが、通知の遮断、連絡先同期の停止、そして検索エンジンの拒否という3つの階層で設定を固めることで、表示頻度を極限までゼロに近づけることが可能です。本稿では、プライバシーを守るための防衛設定を徹底解説します。
- ⏱ 所要時間: 約8分
- 💻 対象環境: iOS / Android版 Facebookアプリ、PCブラウザ
- 🛠 難易度: 中級(設定階層が深いため)
- ✅ 必要なもの: Facebookアカウント、最新版アプリ
こんな不満を解決します
- スマホの通知センターに「知り合いかも」が届くのを止めたい
- タイムライン(ニュースフィード)の途中に差し込まれるリストを消したい
- 自分のプロフィールが他人の「知り合いかも」に表示されないようにしたい
目次
1. 執拗な「通知」を完全に遮断する手順
最も不快なのは、アプリを開いていない時に届く『〇〇さんが知り合いかもしれません』というプッシュ通知です。これは設定の「通知」階層から一括でオフにできます。
設定の手順
- Facebookアプリの右下(または右上)の [メニュー(3本線)] をタップします。
- [設定とプライバシー] > [設定] を選択します。
- [優先度] セクションにある [通知] をタップします。
- 通知項目の一覧から [知り合いかも] を探してタップします。
- 「Facebookでの通知を許可」のスイッチを「オフ」にします。
これにより、プッシュ通知だけでなく、メールやSMSで届く「知り合いかも」の案内もすべて停止されます。これだけで、日常生活に割り込んでくる不快なリマインドは解消されます。
2. アルゴリズムの元根を断つ:連絡先同期の解除
なぜFacebookは、あなたが隠しておきたい人間関係まで把握しているのでしょうか。その原因の多くは、あなたが(あるいは相手が)Facebookに許可した**「スマートフォンの連絡先同期」**にあります。
2-1. アップロード済みの連絡先を削除する
一度アップロードされた電話番号やメールアドレスの情報は、Facebookのサーバーに蓄積され、マッチングに利用され続けます。これを物理的に削除する必要があります。
- [設定] > [アカウントセンター(Meta)] > [あなたの情報と権限] を開きます。
- [連絡先をアップロード] を選択します。
- Facebookを選択し、[連絡先をアップロード] のスイッチが「オン」になっていれば「オフ」にします。
- さらに、その下にある「連絡先を管理」から、既にサーバーに上がっているデータをすべて削除してください。
※相手側があなたの電話番号をアップロードしている場合、依然として紐付けられる可能性は残りますが、自分側からの情報流出を止めることで、精度は劇的に下がります。
3. 「自分」を他人のリストに出さないための防衛策
攻撃(非表示にする)だけでなく、防御(自分を表示させない)も重要です。検索設定を絞り込むことで、他人の「知り合いかも」にあなたが出現する確率を下げられます。
- 検索範囲の限定: [設定] > [プライバシー設定] > [検索と連絡に関する設定] を開きます。
- 「メールアドレスで検索できる人」「電話番号で検索できる人」をすべて「自分のみ」または「友達の友達」に変更します。
- 検索エンジンの拒否: 「Facebook外の検索エンジンによるプロフィールへのリンクを許可しますか?」を「いいえ」にします。これにより、名前検索からの流入を防げます。
4. タイムライン上の「知り合いかも」バーへの対処
残念ながら、2025年現在のFacebookのUI仕様では、ニュースフィードの途中に現れる「知り合いかも」という横スクロールのバー自体を、設定スイッチ一つで永続的に消し去ることはできません。
現場での応急処置
- 表示されるたびに、バーの右上にある「×」または「非表示」をタップし続けます。これにより、Facebookのアルゴリズムは「このユーザーはこの機能を好まない」と学習し、表示頻度が徐々に低下します。
- ブラウザ版(PC)で閲覧する場合、広告ブロック系のアドオンを使用して、特定のCSS要素(知り合いかもセクション)を非表示にするという強硬手段もありますが、アプリ版ではこの学習効果を狙うのが現実的です。
まとめ:プライバシーを守るための設定比較表
「知り合いかも」の浸食レベルに応じた対策一覧です。
| 対策レベル | 実行アクション | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 通知がうるさい | 通知設定から「オフ」に設定 | プッシュ通知がゼロになる |
| 特定されるのが怖い | 連絡先同期を解除し、サーバーから削除 | リアルな知人との紐付けが断たれる |
| 自分の露出を防ぐ | 検索許可範囲を「自分のみ」に変更 | 他人の画面に自分が出なくなる |
Facebookの「知り合いかも」は、時に便利な機能ですが、プライバシーを重視するユーザーにとってはノイズでしかありません。本稿で紹介した『通知の遮断』と『連絡先データの破棄』を徹底することで、SNS上での人間関係の強制的な押し売りから解放され、自分にとって心地よい距離感でFacebookを利用できるようになります。
