外付けHDDやUSBメモリを抜こうとして「ハードウェアの安全な取り外し」アイコンをクリックしたのに、『このデバイスは現在使用中です。プログラムまたはウィンドウを閉じてから、再試行してください』と怒られて抜けない……。
「開いているファイルもフォルダも全部閉じたのに!」「一体なにが動いているの?」とイライラして、無理やりケーブルを引き抜いていませんか?
それを繰り返すと、データが破損して「フォーマットしてください」地獄に落ちる可能性があります。
この記事では、裏でこっそりUSB機器を掴んで離さない「犯人(プロセス)」を特定して強制終了させる方法や、そもそも「取り外し操作」を不要にする設定を解説します。
目次
手順1:【基本】タスクマネージャーで「エクスプローラー」を再起動
フォルダは閉じているつもりでも、Windowsの表示機能(エクスプローラー)自体がUSBメモリの情報を握ったままフリーズしていることがよくあります。
- キーボードの [Ctrl] + [Shift] + [Esc] を押して、タスクマネージャーを開きます。
- プロセスタブのリストから [エクスプローラー](黄色いフォルダアイコン)を探します。
- 右クリックして [再起動] を選びます。
- 画面が一瞬消えて再描画されます。この後、もう一度取り外しを試してみてください。
手順2:【犯人特定】イベントビューアーで正体を暴く
「何が使用中なのか教えてくれよ!」という願いを叶える方法です。
Windowsのログ(記録)を見れば、取り外しを邪魔したアプリの名前が分かります。
- スタートボタンを右クリックし、[イベントビューアー] を開きます。
- 左側のツリーから [Windows ログ] > [システム] をクリックします。
- 右側のリストから、「警告」マーク(黄色)で、ソースが「Kernel-PnP」になっている最新のログを探してクリックします。
(※取り外しに失敗した直後の時刻になっているはずです) - 下の詳細欄を見てください。
プロセス ID xxxx のアプリケーション \Device\HarddiskVolume...\〇〇.exe が、デバイス ... の削除を停止しました。 - ここに書かれている 「〇〇.exe」 が犯人です。
(例:Word.exe, MsMpEng.exe(セキュリティソフト)など)
犯人が分かったら、そのアプリを完全に終了させるか、タスクマネージャーから強制終了させてください。
手順3:【上級者向け】リソースモニターで検索して殺す
もっと直接的に、USBドライブを使っているプログラムを探して停止させる方法です。
- タスクマネージャーを開き、[パフォーマンス] タブに行きます。
- 下の方にある [リソース モニターを開く] というリンクをクリックします。
- リソースモニターが開いたら、[CPU] タブを選びます。
- 「関連付けられたハンドル」という検索窓(右側の中段あたり)に、取り外したいドライブ文字を入力します。
(例:EドライブならE:と入力) - 検索結果に出てきたプロセスが、現在そのドライブを掴んでいる犯人です。
- プロセスを右クリックして [プロセスの終了] を選べば、強制的にロックが外れます。
手順4:【予防】「クイック削除」設定にしておく
実はWindows 10以降、設定さえ確認しておけば、書き込み中でない限り「安全な取り外し」をせずにいきなり抜いてもOKという仕様になっています。
- スタートボタンを右クリックし、[ディスクの管理] を開きます。
- 対象の外付けドライブ(ディスク 2など)の左端のグレー部分を右クリックし、[プロパティ] を選びます。
- [ポリシー] タブをクリックします。
- [クイック削除](既定)が選ばれていますか?
- クイック削除: いきなり抜いてもOK(キャッシュを使わない)。
- 高パフォーマンス: 書き込みは速いが、必ず「安全な取り外し」が必要。
ここが「クイック削除」になっていれば、アクセスランプが点滅していないことを目視確認して、そのままブチッと抜いても基本的には大丈夫です。
まとめ:犯人はバックグラウンドにいる
取り外しエラーの対策フローです。
| ステップ | 方法 | 解決度 |
|---|---|---|
| 1 | エクスプローラー再起動 | ◯ 手軽 |
| 2 | イベントビューアー確認 | ◎ 原因特定 |
| 3 | シャットダウンして抜く | ◎ 確実・安全 |
どうしても抜けない時、一番安全なのは「PCをシャットダウン(または再起動)してしまうこと」です。
PCの電源が落ちれば、どんなプログラムも強制的に手を離すため、その隙に安全に抜くことができます。
