【Copilot】Copilotに顧客PII情報を入力させないガードレール設計と対処法

【Copilot】Copilotに顧客PII情報を入力させないガードレール設計と対処法
🛡️ 超解決

【要点】Copilotでの機密情報漏洩を防ぐガードレールと対処法

  • Microsoft Purviewのデータ損失防止(DLP)ポリシー: 顧客PIIの入力を検知・ブロックし、アラートを発信する。
  • Copilotの参照データ制限: CopilotがアクセスできるSharePointサイトやOneDriveフォルダを限定する。
  • プロンプトエンジニアリングの徹底: ユーザーに機密情報入力の危険性を周知し、安全なプロンプト作成を教育する。
  • 入力された機密情報の検知・削除: DLPポリシーで検知された情報を確認し、必要に応じて削除・修正する。
  • Copilot Studioでのカスタムアプリ開発: PII入力を検知・ブロックするカスタムフローを組み込む。

ADVERTISEMENT

CopilotへのPII入力リスクとその背景

Copilotは、Microsoft 365内のデータ(Outlookのメール、Teamsのチャット、SharePointのドキュメントなど)を参照して回答を生成します。この参照範囲に顧客の個人情報(PII)や機密情報が含まれている場合、Copilotがそれを学習・利用し、意図せず外部に開示する可能性があります。

特に、ユーザーがCopilotに対して「この顧客の個人情報をまとめて」といった指示を出すと、Copilotは指示に従ってPIIを生成・提供してしまう危険性があります。これは、Copilotの学習能力と、ユーザーの指示に対する忠実さから生じるリスクです。

CopilotへのPII入力を防ぐガードレール設計

CopilotへのPII入力を防ぐためには、技術的な対策と運用・教育の両面からのアプローチが必要です。

Microsoft Purviewによるデータ損失防止(DLP)ポリシーの活用

Microsoft PurviewのDLPポリシーは、組織内の機密情報を保護するための強力なツールです。Copilot利用環境にもDLPポリシーを適用することで、PIIの入力を検知・ブロックできます。

  1. Microsoft Purview コンプライアンスポータルへのアクセス
    管理者権限を持つアカウントで、Microsoft Purview コンプライアンスポータルにサインインします。
  2. データ損失防止(DLP)ポリシーの作成
    「ポリシー」>「データ損失防止」を選択し、「作成」ボタンをクリックします。
  3. ポリシーの適用範囲の選択
    「カスタム」を選択し、Copilotが利用されるMicrosoft 365サービス(Exchangeメールボックス、SharePointサイト、OneDriveアカウントなど)を選択します。
  4. 機密情報の種類の定義
    「機密情報の種類」で、保護したいPIIの種類(例:個人識別情報、クレジットカード番号、パスポート番号など)を選択またはカスタム定義します。
  5. ルールの設定
    PIIが検出された場合の「アクション」を設定します。ここでは「ブロック」を選択し、Copilotでの入力を防ぐように設定します。さらに、「ユーザーに通知する」や「管理者にアラートを送信する」といったオプションも設定できます。
  6. ポリシーの適用
    設定内容を確認し、ポリシーを有効化して適用します。

Copilotが参照するデータソースの制限

Copilotは、ユーザーがアクセスできるMicrosoft 365内のデータソースを参照します。参照範囲を制限することで、PIIが含まれる可能性のあるデータへのアクセスを防ぐことができます。

  1. SharePointサイトのアクセス権限管理
    機密情報を含むSharePointサイトへのアクセス権限を最小限のユーザーに限定します。
  2. OneDriveの共有設定の確認
    OneDrive内のファイル共有設定を確認し、不必要に広範囲な共有が行われていないかチェックします。
  3. Microsoft 365管理センターでの設定
    (管理者向け)Microsoft 365管理センターで、Copilotが参照できるデータソースに関するポリシーを設定できる場合があります。

プロンプトエンジニアリングとユーザー教育

技術的な対策だけでは限界があるため、ユーザーへの教育と安全なプロンプト作成の徹底が不可欠です。

  1. 機密情報入力のリスク周知
    Copilotに顧客PIIや機密情報を入力することの危険性について、定期的な研修や通知を通じて従業員に周知します。
  2. 安全なプロンプト作成ガイドラインの提供
    どのような情報が機密情報にあたるのか、どのようなプロンプトが安全かを示すガイドラインを作成し、共有します。
  3. プロンプト例の提示
    機密情報を入力せずにCopilotを活用できる具体的なプロンプト例を提示し、模倣を促します。

Copilot Studioによるカスタムガードレールの実装

Copilot Studioを利用すると、Copilotの対話フローをカスタマイズし、PII入力を検知・ブロックするロジックを組み込めます。

  1. Copilot Studioへのアクセス
    Copilot Studioにサインインします。
  2. トピック(対話フロー)の作成
    新しいトピックを作成するか、既存のトピックを編集します。
  3. PII検知ノードの追加
    ユーザーの入力に対して、PII(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)が含まれているかをチェックするノードを追加します。正規表現やキーワードマッチングを利用できます。
  4. ブロックアクションの設定
    PIIが検出された場合、ユーザーに応答をブロックするメッセージを表示させ、対話を終了させるように設定します。
  5. Copilotへのデプロイ
    作成したトピックをCopilotにデプロイし、有効化します。

CopilotにPIIが入力された場合の対処法

万が一、CopilotにPIIが入力されてしまった場合、迅速かつ適切な対処が必要です。

DLPポリシーによる検知情報の確認と対応

Microsoft PurviewのDLPポリシーで設定したアラートを確認します。

  1. DLPアラートの確認
    Microsoft Purview コンプライアンスポータルの「アラート」セクションで、Copilot関連のPII入力アラートを確認します。
  2. インシデント調査
    アラートの詳細を確認し、どのユーザーが、どのような文脈で、どのPIIを入力したかを調査します。
  3. 情報削除・修正の指示
    調査結果に基づき、該当ユーザーにPIIの削除または修正を指示します。Copilotの応答履歴から該当箇所を削除する操作も検討します。
  4. 再発防止策の検討
    必要に応じて、DLPポリシーの強化やユーザー教育の見直しを行います。

Copilotの応答履歴からの情報削除

Copilotの応答履歴にPIIが含まれている場合、それを削除する手順はCopilotのバージョンや利用環境によって異なります。

一般的には、Copilotのチャットインターフェースから、該当する応答を削除またはクリアする機能が提供されています。しかし、Copilotが参照した元のデータソース(SharePoint、OneDriveなど)にPIIが残っている場合は、そちらも削除する必要があります。

Microsoft 365管理センターでのCopilot設定確認

(管理者向け)Microsoft 365管理センターで、Copilotのデータ参照設定や利用状況を確認できる場合があります。これにより、問題の根本原因を特定しやすくなります。

項目 Copilot Pro Microsoft 365 Copilot
主な用途 個人利用、限定的な業務利用 法人利用、組織全体の業務効率化
データ参照範囲 Web検索、Microsoftアカウントに紐づくデータ 組織内のMicrosoft 365データ(SharePoint, OneDrive, Outlook, Teamsなど)
セキュリティ・コンプライアンス 個人レベルのセキュリティ 組織のセキュリティポリシー、DLP、コンプライアンス機能との連携
ガードレール設計 限定的(個人設定) Microsoft Purview等による高度なガードレール設計が可能

Copilotへの顧客PII入力リスクは、適切なガードレール設計と運用によって大幅に低減できます。

Microsoft PurviewのDLPポリシー設定、データソース制限、ユーザー教育、Copilot Studioの活用を組み合わせることで、安全にCopilotを業務に導入できます。

万が一PIIが入力された場合は、DLPアラートの確認と応答履歴からの削除を迅速に行い、再発防止策を講じることが重要です。

ADVERTISEMENT

この記事の監修者
✍️

超解決 第一編集部

疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。