経理や総務などの事務実務において、支払期限や契約の締め日として「月末日」を算出する場面は非常に多く発生します。しかし、カレンダー上の月末は28日、29日、30日、31日と月によって変動するため、単純な数値の足し算では正確な日付を導き出すことができません。特に4年に一度の閏年における2月29日の判定など、手動で入力を行うとミスが発生しやすく、後の集計に大きな支障をきたします。Excelに用意されたEOMONTH(イー・オー・マンス)関数は、こうした不規則な月末日を、簡単な引数指定だけで確実に算出するための専用ツールです。本記事では、月末計算を自動化し、日付管理の精度を劇的に向上させるための具体的な活用手順を解説します。
【要点】月末計算をミスなく完遂する3つの活用パターン
- 当月末を瞬時に取得: TODAY関数と組み合わせ、ファイルを開いた時点の月の最終日を自動表示する。
- 支払サイクルの自動化: 「翌月末」「翌々月末」といった期限計算を、月数を指定するだけで正確に出力する。
- 月初日の算出起点: 月末日に「+1」することで、翌月1日を確実に導き出し、カレンダー作成に利用する。
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目次
1. EOMONTH関数の基本構文と引数の仕組み
EOMONTHという関数名は「End Of MONTH」を意味します。指定した日付を基準にして、その数ヶ月前後の「月末日」を返すというシンプルな機能を持ちますが、引数の指定方法に特徴があります。
1-1. 書式と引数の定義
=EOMONTH(開始日, 月数)
- 開始日: 計算の起点となる日付を指定します。セル参照(A1など)のほか、TODAY関数やDATE関数を直接入れることも可能です。
- 月数: 開始日から数えて何ヶ月後の末日を求めたいかを数値で指定します。
1-2. 第2引数「月数」の具体的な指定ルール
この「月数」の数値を変更することで、自在にターゲットとなる月を指定できます。
- 「0」を指定: 開始日と同じ月の末日を求めます(例:2月15日が開始日なら2月28日)。
- 正の数(1, 2…): 指定した月数分だけ「未来」の月末を求めます(例:1なら翌月末)。
- 負の数(-1, -2…): 指定した月数分だけ「過去」の月末を求めます(例:-1なら前月末)。
2. 実務で即活用できる具体的な計算例
ビジネスシーンで頻出する日付計算を、EOMONTH関数を使って効率化する具体的な数式を紹介します。
2-1. 今月末を一発で算出する
=EOMONTH(TODAY(), 0)
請求書の作成日など、常に「今月の最終日」を表示させたい場合に有効です。2月であっても閏年を自動判別し、正しい最終日を返します。
2-2. 翌月末・翌々月末(支払期限)を算出する
=EOMONTH(A1, 1)
A1セルに取引日が入っている場合、この数式で「翌月末」の支払日を自動計算できます。支払条件が「翌々月末」であれば、月数を「2」にするだけで対応可能です。手動のカレンダー確認が不要になり、入力漏れや日付の勘違いを物理的に排除できます。
2-3. 前月末に遡って期間を特定する
=EOMONTH(A1, -1)
前月分の集計作業などで、前月の最終日を特定したい場合に使用します。月を跨いだ事務処理の際、基準日を固定して計算するのに非常に便利です。
3. 応用編:月末を起点にした「月初」や「特定日」の算出
EOMONTH関数は月末を出すだけでなく、他の計算の「基準点」としても極めて優秀です。
3-1. 翌月の月初(1日)を導き出す
=EOMONTH(A1, 0) + 1
今月末日に「1」を足すことで、必ず翌月の1日が算出されます。カレンダー形式の表を作成する際、先頭のセルにこの式を入れておけば、前月のデータが変わっても自動的に正しい月初からスタートする表になります。
3-2. 翌月の特定日(例:10日払い)を算出する
=EOMONTH(A1, 0) + 10
「月末締め、翌月10日払い」といった特殊なサイクルも、月末を基準に日数を加算するだけで、論理的に正しい日付を維持できます。
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4. 比較検証:EOMONTH関数 vs DATE関数
月末日を出す方法は他にもありますが、実務における使い勝手を比較します。
| 比較項目 | EOMONTH関数 | DATE関数 |
|---|---|---|
| 数式のシンプルさ | 非常に高い | やや複雑(翌月1日の1日前) |
| 月跨ぎの計算 | 引数だけで完結 | 月への加算が必要 |
| 推奨される場面 | 一般的な事務・経理実務 | 年・月・日がバラバラのセルにある時 |
5. 注意点:シリアル値表示とエラーの回避策
関数を入れた際、意図しない表示になった場合の対処法を確認しておきましょう。
5-1. 5桁の数字が表示された場合
EOMONTHの結果が「46080」のような数値になった場合、それはExcelが内部で日付を管理するための「シリアル値」です。セルの表示形式が「標準」になっていることが原因ですので、[Ctrl] + [Shift] + [#]を叩くか、リボンの「数値」グループから「短い日付形式」を選択してください。
5-2. #VALUE! エラーが出る場合
「開始日」に指定したセルが、Excelに日付として認識されていない(文字列になっている)可能性があります。日付に見えても全角で入力されていたり、ドット(.)で区切られていたりすると計算ができません。正しい日付データ(2026/2/11形式など)に修正してください。
6. 結論:月末計算の自動化が業務の「品質」を担保する
手帳やカレンダーをめくりながら、「今月は31日まであるか」を確認して手入力する作業は、非効率であるだけでなく、常にミスと隣り合わせの不安定な運用です。EOMONTH関数を導入すれば、いかなる月であっても、閏年であっても、Excelが内部ロジックに従って100%正確な月末日を導き出します。このような「考えなくても済む仕組み」をシート内に構築しておくことこそが、実務におけるスピードアップと正確性の両立を可能にする最短ルートです。まずは今日の日付を起点にした当月末の算出から、あなたの業務に取り入れてみてください。
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