Excelで作成した図形や画像は、視覚的な情報を補足するために便利です。しかし、画面読み上げソフトを利用するユーザーにとっては、図形の内容が伝わらないという課題がありました。この課題を解決するために、Excelでは図形に「代替テキスト」を設定する機能が提供されています。この記事では、Excelで図形の代替テキストを設定する方法と、その重要性について解説します。アクセシビリティ対応を進めたい方、より多くのユーザーに情報を届けたい方は、ぜひ参考にしてください。
代替テキストを設定することで、視覚に障がいのあるユーザーもExcelファイルの内容を理解できるようになります。これにより、情報へのアクセスが格段に向上し、よりインクルーシブな文書作成が可能になります。本記事を読むことで、Excelのアクセシビリティ機能を活用し、図形の内容を正確に伝えるための具体的な手順を習得できます。
【要点】Excel図形に代替テキストを設定する手順と意義
- 代替テキストの設定: 図形や画像を選択し、「代替テキスト」ウィンドウで説明を入力する。
- アクセシビリティ向上: 画面読み上げソフトが図形の内容を音声で伝えるようになる。
- 情報伝達の強化: 視覚情報に頼らないユーザーも内容を正確に把握できるようになる。
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目次
図形の代替テキストの役割と重要性
Excelファイルに含まれる図形や画像は、データの内容を視覚的に分かりやすくするために効果的です。しかし、画面読み上げソフトを使用するユーザーには、これらの図形が単なる「画像」や「図形」として認識されるだけで、その内容を把握することができません。これでは、図形が意図する情報が伝わらず、ファイル全体の理解に支障をきたす可能性があります。
代替テキストとは、このような視覚情報に代わる説明文のことです。図形や画像に代替テキストを設定することで、画面読み上げソフトがその説明を読み上げてくれます。これにより、視覚に障がいのあるユーザーも、健常なユーザーと同様に図形の内容を理解できるようになり、情報格差を解消できます。これは、アクセシビリティの観点から非常に重要な対応です。
Excelファイルは、ビジネス文書やレポートなど、重要な情報伝達の手段として広く利用されています。そのため、誰もが内容を理解できるような配慮が求められます。代替テキストの設定は、そのための具体的なアクションの一つと言えます。
代替テキストを設定する具体的な手順
Excelで図形や画像に代替テキストを設定する手順は、非常に簡単です。以下のステップに従って、画像や図形の内容を正確に説明するテキストを入力してください。
- 図形または画像を選択する
代替テキストを設定したい図形、グラフ、SmartArt、または画像をExcelシート上でクリックして選択します。 - 「代替テキスト」ウィンドウを開く
図形が選択された状態で、以下のいずれかの操作を行います。- リボンメニューの「書式」タブ(または「図ツール」>「書式」タブ)をクリックし、「代替テキスト」ボタンをクリックします。
- 図形を右クリックし、表示されるコンテキストメニューから「代替テキスト」を選択します。
「代替テキスト」ウィンドウが画面の右側に表示されます。
- 説明を入力する
「代替テキスト」ウィンドウの「説明」欄に、図形や画像の内容を簡潔かつ具体的に記述します。例えば、「2023年度の売上推移を示す折れ線グラフ。前期比15%増」のように、誰が読んでも内容が理解できるような説明を心がけます。 - ウィンドウを閉じる
説明の入力が終わったら、ウィンドウの右上にある「×」ボタンをクリックして閉じます。
この操作により、選択した図形に代替テキストが関連付けられます。設定された代替テキストは、画面読み上げソフトによって読み上げられるようになります。
代替テキスト作成時のポイント
効果的な代替テキストを作成するためには、いくつかのポイントがあります。単に図形を説明するだけでなく、その図形が伝えたい情報の本質を的確に表現することが重要です。
図形の内容を簡潔に説明する
代替テキストは、図形や画像の内容を端的に伝えるためのものです。長すぎる説明は、画面読み上げソフトで読み上げられた際に煩雑に感じられる可能性があります。図形の主要な要素や、伝えたいメッセージを1〜2文程度でまとめるようにしましょう。
例えば、売上を示す棒グラフであれば、「2023年第4四半期の製品別売上高。製品Aが最も高く、次いで製品B」のように、グラフのタイトルや軸ラベル、最も重要なデータポイントなどを盛り込みます。
装飾的な図形には「装飾図形」とマークする
デザインのために配置された線、区切り線、背景画像など、情報伝達に意味を持たない装飾的な図形もあります。これらの図形に代替テキストを設定すると、画面読み上げソフトが不要な情報を読み上げることになり、ユーザーの負担になる可能性があります。
このような装飾的な図形には、代替テキストウィンドウで「この図形は装飾図形です」というチェックボックスにチェックを入れます。これにより、画面読み上げソフトはこれらの図形をスキップし、重要な情報のみを伝達するようになります。
複雑な図表やグラフの表現方法
非常に複雑なグラフや、多くの情報が含まれる図表の場合、代替テキストだけで全てを説明するのは困難な場合があります。そのような場合は、代替テキストでグラフの全体的な傾向や結論を述べ、詳細については本文中に記述するなどの工夫が必要です。
例えば、時系列データの複雑なグラフであれば、「過去10年間の平均気温の変動を示す折れ線グラフ。全体的に上昇傾向が見られる」と代替テキストで記述し、本文で「グラフの通り、近年では平均気温が顕著に上昇しており、特に2020年以降はその傾向が加速しています」のように補足説明を加えるといった方法が考えられます。
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代替テキストが読み上げられない場合の対処法
代替テキストを設定したはずなのに、画面読み上げソフトで読み上げられないという問題が発生することがあります。そのような場合は、以下の点を確認してみてください。
設定が正しく完了しているか確認する
最も基本的な確認事項として、代替テキストの設定が正しく完了しているかを見直します。図形を選択した状態で「代替テキスト」ウィンドウを開き、説明欄に意図したテキストが入力されているか、装飾図形の場合はチェックボックスにチェックが入っているかを確認してください。
また、Excelのバージョンによっては、設定後に「保存」操作が必要な場合もあります。ファイルを一度保存し、再度開いて確認してみましょう。
図形の種類と読み上げソフトの対応
Excelには様々な種類の図形やオブジェクト(SmartArt、グラフ、画像など)がありますが、使用している画面読み上げソフトによっては、特定の種類のオブジェクトの代替テキストをうまく読み込めない場合があります。特に、古いバージョンのExcelや、特殊な形式で挿入されたオブジェクトで問題が発生しやすい傾向があります。
もし特定の図形で問題が発生する場合は、その図形を一度削除し、標準的な方法で再挿入してから代替テキストを設定し直すことを試してみてください。例えば、画像であれば、一度PCに保存してからExcelに再度挿入するなどです。
Excelのバージョンと互換性
代替テキスト機能は、Excelの比較的新しいバージョンで標準的にサポートされています。Excel 2016以降やMicrosoft 365では問題なく利用できますが、それ以前の古いバージョンでは、この機能自体が存在しないか、正常に動作しない可能性があります。
もし古いバージョンのExcelを使用している場合は、最新バージョンへのアップデートを検討するか、代替手段として、図形の内容を説明するテキストを直接図形の下や横に配置するなどの方法を検討する必要があります。ただし、この方法では画面読み上げソフトへの対応は限定的になります。
代替テキスト設定の応用:PDFへのエクスポート時
ExcelファイルをPDF形式で保存・共有する機会も多いでしょう。代替テキストを設定しておくことは、PDFのエクスポート時にも役立ちます。Excelで設定した代替テキストは、多くの場合、PDFに変換された際にも引き継がれ、PDFリーダーのアクセシビリティ機能(読み上げ機能など)で利用可能になります。
これにより、Excelファイルを作成した環境とは異なる環境でファイルを開くユーザーに対しても、一貫したアクセシビリティを提供できます。PDFとして出力する際も、Excelでの設定がそのまま反映されることを期待して、代替テキストの設定を習慣づけることが推奨されます。
PDF変換時の注意点
ただし、PDFへの変換プロセスや使用するPDFリーダーによっては、代替テキストが完全に引き継がれない場合もゼロではありません。特に、古いバージョンのExcelからPDFへ変換した場合や、特殊な設定でPDFをエクスポートした場合に、その可能性が考えられます。
PDFとして配布する前に、実際にPDFリーダーで読み上げ機能などを試してみて、代替テキストが正しく機能しているかを確認することをおすすめします。もし問題がある場合は、PDF編集ソフトを使用して代替テキストを再設定するなどの対応が必要になることもあります。
まとめ
Excelで図形や画像に代替テキストを設定する手順は、「代替テキスト」ウィンドウを開き、説明を入力するだけで完了します。この簡単な操作により、画面読み上げソフトを利用するユーザーが図形の内容を正確に理解できるようになり、アクセシビリティが大幅に向上します。装飾的な図形には「装飾図形」としてマークすることで、不要な情報の読み上げを防ぐことも可能です。
代替テキストはPDFへのエクスポート時にも引き継がれるため、より多くの環境で情報へのアクセスを保証できます。今後は、Excelで図形を作成・挿入する際には、必ず代替テキストの設定を習慣づけ、インクルーシブな文書作成を心がけましょう。これにより、より多くの人々がExcelファイルの内容を理解できるようになります。
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