「メールに添付したいPDFが10MBを超えていて送れない」「サーバーの容量制限でアップロードが弾かれる」。そんな時、Adobe Acrobatの有料版を持っていなくても、実は今使っているGoogle ChromeやMicrosoft EdgeだけでPDFの容量を大幅に削減できるテクニックがあります。特別なソフトのインストールは一切不要、30秒で完了する方法を解説します。
- ⏱ 解決時間: 30秒
- 💻 必要なもの: Google Chrome または Microsoft Edge
- 🛠 難易度: 初級(印刷機能の応用)
- ✅ 期待効果: ファイルサイズを最大50%〜80%削減(内容による)
目次
1. なぜPDFは重くなるのか?
PDFが重くなる主な原因は以下の3点です。
- 高解像度な画像: デジカメで撮った写真をそのまま貼り付けると、1枚数MBのデータがPDF内に蓄積されます。
- フォントの埋め込み: 特殊なフォントを使用している場合、そのデータがPDFに含まれます。
- 見えないメタデータ: 編集履歴や古いオブジェクトが残っていることがあります。
今回紹介する「ブラウザ印刷法」は、これらを再構築(再レンダリング)することで余計なデータを削ぎ落とす仕組みです。
2. ブラウザの「仮想プリンター」で容量を減らす手順
Windows標準の「Microsoft Print to PDF」機能を使います。
- 容量を小さくしたいPDFファイルをブラウザ(ChromeやEdge)で開きます。
※ファイルをブラウザの画面にドラッグ&ドロップすれば開けます。 - ブラウザ画面の右上にある[印刷]アイコンをクリックします。または Ctrl + P を押します。
- 「送信先(プリンター)」を [Microsoft Print to PDF] に変更します。
- [印刷](または保存)をクリックします。
- 新しいファイル名をつけて保存します。
これだけで、不要なメタデータが削除され、画像がブラウザの表示に合わせた最適な解像度に再圧縮されるため、多くの場合でファイルサイズが軽くなります。
3. Webサービス(Adobe公式)を利用する究極の削減法
ブラウザ印刷法で十分に軽くならなかった場合は、Adobeが無料で提供しているWebツールを使うのが最も確実です。
- ブラウザで「Adobe PDF 圧縮」と検索し、Adobe公式のオンラインツールにアクセスします。
- [ファイルをアップロード] ボタンを押し、対象のPDFを選択します。
- 圧縮レベル(高・中・低)を選択します。基本は「中」でOKです。
- [ダウンロード] をクリックして保存します。
注意:社外秘の極めて重要な文書の場合、クラウドにアップロードすることになるため、社内規定を確認してから使用してください。個人情報のない資料であれば、これが世界最強の圧縮力を持ちます。
4. PDF圧縮時の「画質」と「文字」の注意点
ファイルを軽くしすぎると、弊害も出ます。以下の点に注意してください。
| チェック項目 | 起こりうる問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 画像の劣化 | 細かい文字やグラフがボヤけて読めなくなる | 圧縮後のファイルを等倍で確認し、文字の輪郭を見る |
| ハイパーリンク | ブラウザ印刷法を使うとリンクが切れることがある | リンクが必須の場合はAdobeのオンラインツールを使う |
| 検索不能 | まれに文字が画像化され、テキスト検索できなくなる | Ctrl + F でファイル内の文字検索ができるか確認 |
5. まとめ:急ぎの時は「ブラウザ印刷」が正解
わざわざ圧縮ソフトを探したり、怪しいサイトにアップロードしたりする必要はありません。
ブラウザで開いて「Microsoft Print to PDF」で出し直す。
これだけで多くのメール送信トラブルは解決します。
もし画質を保ちながら究極にダイエットさせたいなら、本家Adobeの無料オンラインツールをブックマークしておきましょう。
