Teamsで外部ユーザー(ゲストや他組織のユーザー)とチャットや会議をする際、本来は表示されるはずの名前がメールアドレス形式(例:user@contoso.com)で表示されてしまうことがあります。この現象はコラボレーションの妨げになるだけでなく、相手が誰か識別しにくくなるため、早急に対処したいところです。しかし、原因はユーザー側の設定からテナント全体のポリシーまで多岐にわたるため、適切な切り分けが必要です。本記事では、外部ユーザーの表示名がメールアドレスになる原因を特定し、自分で直せるケースと管理者に対応を依頼すべきケースを具体的に解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: まずは自分の連絡先一覧やチャット履歴で、特定の相手だけなのか、すべての外部ユーザーで発生しているのかを確認します。
- 切り分けの軸: 問題が端末やアカウントのキャッシュに起因するものか、テナント全体の設定に起因するものかを区別します。
- 注意点: 会社PCでは管理者が制御している設定を変更できない場合があります。レジストリや組織全体のポリシーは自分で変更せず、管理者に確認してください。
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目次
外部ユーザーの表示名がメールアドレスになる主な原因
Teamsでの外部ユーザーの表示名は、通常は相手のAzure Active Directory(Azure AD)に登録された表示名が使われます。しかし、以下のような理由でメールアドレスが表示されることがあります。
- ゲストユーザーのプロファイル未設定: 招待したゲストユーザーが自分のプロファイル(表示名)を設定していない場合、Azure ADではメールアドレスが表示名として扱われることがあります。
- 連絡先が古い情報でキャッシュされている: 相手の表示名を取得できず、以前に保存されたメールアドレスの形式が残っている可能性があります。
- 外部アクセス設定の制限: 自組織の管理者が外部ユーザーの情報取得を制限するポリシーを設定していると、Teamsが表示名を取得できずにメールアドレスを代用します。
- Teamsバージョンやクライアントの問題: 古いバージョンのTeamsやブラウザ版では、表示名の解決に失敗することがあります。
- Azure ADの外部コラボレーション設定: ゲストユーザーのアクセス権限が「ゲストユーザーのアクセスは自らのディレクトリオブジェクトのプロパティに制限される」などに設定されていると、表示名が取得できない場合があります。
これらの原因は、自分で解決できるものと管理者の対応が必要なものに分かれます。次の章で具体的な確認手順を説明します。
ユーザー自身で確認・対処する手順
まずは自分の操作で直るかどうかを試しましょう。以下の手順を順番に実行し、現象が改善するか確認してください。
- Teamsのキャッシュをクリアする
Windows版Teamsを完全に終了し、ファイルエクスプローラーで%appdata%\Microsoft\Teamsを開きます。このフォルダ内のCache、Code Cache、GPUCache、Cookies、Local Storage、tmpフォルダを削除します。再度Teamsを起動し、外部ユーザーの表示名を確認してください。 - 連絡先を削除して再追加する
該当の外部ユーザーとチャットを開き、右上の連絡先名を右クリックして「連絡先から削除」を選択します。その後、新しいチャットでそのユーザーのメールアドレスを入力して再追加し、表示名が正しく解決されるか確認します。 - チャットをアーカイブして再作成する
問題のチャットをアーカイブ(非表示)にし、新しいチャットを開始します。相手を再度招待し、表示名が正しく表示されるか確認します。 - サインアウトしてサインインし直す
Teams右上のプロフィールアイコンから「サインアウト」を選択し、一度完全に閉じてから再度サインインします。これによりアカウント情報がリフレッシュされます。 - 別のデバイスやブラウザで確認する
同じアカウントでTeams Web版(https://teams.microsoft.com)にアクセスし、同じ外部ユーザーがどう表示されるか確認します。Web版で正しく表示されるなら、クライアント側の問題です。Web版でも同じなら、テナントまたは相手側の問題の可能性が高いです。
これらの手順で改善しない場合は、管理者または相手ユーザー側に原因があると考えられます。
管理者に確認すべき設定と情報
ユーザー側の対処で解決しない場合、テナント全体の設定や相手ユーザーのプロファイルが原因です。以下の情報を管理者に伝えて対応を依頼しましょう。
確認すべきAzure AD設定
管理者はAzure AD管理センターで「外部ユーザーのアクセス許可」を確認します。特に「ゲストユーザーのアクセス権限」が「ゲストユーザーのアクセスは自らのディレクトリオブジェクトのプロパティに制限される」になっていると、ゲストユーザーの表示名を他のユーザーが取得できないことがあります。これを「ゲストユーザーは同一のディレクトリオブジェクトのプロパティにアクセスできる」または「すべてのディレクトリユーザーと同じアクセス権」に変更する必要があります。
Teamsの外部アクセスポリシー
Teams管理センターで「外部アクセス」の設定を確認します。「外部アクセスを有効にする」がオンになっていること、および「特定のドメインのみ許可」などの制限がないか確認します。また、「組織全体の連絡先の同期」設定も影響します。
相手ユーザーのプロファイル設定
ゲストユーザー自身が自分の表示名を設定していない可能性があります。相手に連絡を取り、自分のAzure ADプロファイルで表示名を設定してもらうよう依頼します。また、相手組織の管理者が外部ユーザーの表示名公開を制限している場合もあります。
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自分でできる対処と管理者のみ可能な対処の比較
| 対処内容 | 実行可能者 | 効果の範囲 |
|---|---|---|
| Teamsキャッシュクリア | ユーザー自身 | 自分のクライアントのみ |
| 連絡先削除と再追加 | ユーザー自身 | 自分の連絡先のみ |
| サインアウト/再サインイン | ユーザー自身 | 自分のアカウント |
| 異なる端末での確認 | ユーザー自身 | 切り分けに有効 |
| Azure ADの外部アクセス許可変更 | 管理者のみ | テナント全体 |
| Teams外部アクセスポリシー変更 | 管理者のみ | テナント全体 |
| ゲストユーザープロファイル更新 | 相手ユーザーまたは管理者 | 該当ユーザー単位 |
よくある失敗パターンと注意点
キャッシュクリアが効かないケース
キャッシュクリア後にTeamsを起動してもすぐには反映されないことがあります。その場合はPCを再起動してから再度確認してください。また、削除するフォルダを間違えると効果がないので、指定したフォルダを正確に削除しましょう。
連絡先削除でユーザーを再追加できない
外部ユーザーを連絡先から削除した後、再追加しようとしてもメールアドレスが見つからない場合があります。これは、相手がゲストユーザーであり、自組織のディレクトリに存在しなくなったためです。その場合は新しいチャットでメールアドレスを直接入力して招待し直すか、管理者にゲストユーザーがまだ有効か確認してもらってください。
すべての外部ユーザーで発生する場合
特定の相手だけでなく、すべての外部ユーザーで表示名がメールアドレスになる場合は、ほぼ確実にテナント全体のポリシー設定が原因です。ユーザー側の対処では改善しないため、速やかに管理者に連絡しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 外部ユーザーの表示名がメールアドレスになるのは、自組織の設定ですか?相手組織の設定ですか?
どちらも可能性があります。まずは上記手順で自分のTeamsクライアントの問題を切り分け、次に自組織の管理者にテナント設定を確認してもらいます。それでも解決しない場合は、相手組織の管理者が外部公開情報を制限している可能性があります。その場合、相手に連絡してプロファイル設定を見直してもらう必要があります。
Q. 管理者に依頼するとき、何を伝えればスムーズですか?
以下の情報を伝えると調査がスムーズです。
・現象が起きている外部ユーザーのメールアドレスと組織名
・自分のTeamsクライアントのバージョン(Teamsの設定 → バージョン情報)
・自分で試した対処(キャッシュクリア、再サインインなど)の結果
・Web版でも同じ問題が発生するかどうか
Q. 外部ユーザーをゲストとして招待したが、表示名が変わらない
ゲストユーザーの表示名は、招待されたユーザーが自分のAzure ADプロファイルで設定する必要があります。ゲスト自身がMicrosoftアカウントのプロフィール編集ページで表示名を変更してもらってください。また、自組織の管理者がゲストユーザーの表示名を変更することも可能ですが、相手の同意なく変更することは推奨されません。
まとめ
Teamsで外部ユーザーの表示名がメールアドレスになる問題は、キャッシュや連絡先の再作成などユーザー自身で解決できるケースと、テナント全体のポリシーや相手のプロファイル設定など管理者の対応が必要なケースに分かれます。まずは簡単なクライアント側の対処を試し、改善しない場合は管理者にAzure ADやTeamsの外部アクセス設定を確認してもらいましょう。問題が組織全体に及ぶ場合は、管理者がポリシー変更を検討してください。外部との円滑なコラボレーションのために、表示名が正しく解決される環境を整えることが重要です。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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