Teams会議中に映像がカクつく、途切れるといった現象に悩んでいませんか?
これは、ネットワーク帯域幅の不足や、Teamsの通信が他のアプリケーションに圧迫されていることが原因で発生します。
本記事では、Teams会議の映像品質を安定させるために、帯域幅の制限を解除し、QoS(Quality of Service)設定を最適化する手順を解説します。
この記事を読めば、会議中の映像トラブルを解消し、より快適なコミュニケーションを実現できます。
【要点】Teams会議の映像カクつきを解消する帯域幅とQoS設定
- 帯域幅制限の解除: 会議に必要な通信帯域を確保し、映像のカクつきを防ぎます。
- QoS設定の最適化: Teamsの通信を優先させ、他のアプリケーションによる帯域圧迫を防ぎます。
- ネットワーク環境の確認: 帯域幅不足や遅延が原因の場合、ネットワークインフラの改善も検討します。
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目次
Teams会議で映像がカクつく原因とQoSの役割
Teams会議で映像がカクつく主な原因は、ネットワーク帯域幅の不足です。
特に、高画質のビデオ通信は多くの帯域幅を消費します。参加者が多い会議や、画面共有を頻繁に行う場合、帯域幅が逼迫しやすくなります。
また、同じネットワーク内で、動画ストリーミングや大容量ファイルのダウンロードなど、他の帯域を大量に消費するアプリケーションが同時に動作している場合も、Teams会議の通信品質に影響を与えます。
ここで重要になるのが、QoS(Quality of Service)という技術です。QoSは、ネットワーク上で特定の種類のトラフィック(通信データ)を優先的に扱うための仕組みです。
Teams会議のようなリアルタイム通信は、遅延やパケットロスに非常に敏感です。QoSを設定することで、Teamsの音声・ビデオ通信を他の一般的なインターネット通信よりも優先させることができます。
これにより、帯域幅が限られている状況でも、会議の音声や映像が途切れにくくなり、品質が安定します。
帯域幅制限の確認と解除手順
Teams会議の映像品質を最適化するためには、まずネットワークの帯域幅制限を確認し、必要であれば解除する必要があります。
帯域幅制限は、組織のネットワーク管理者によって設定されている場合があります。また、ルーターなどのネットワーク機器の設定や、利用しているインターネット回線プランによっても帯域幅の上限が決まります。
個人で利用している場合は、契約しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)のプランを確認してください。法人で利用している場合は、IT管理者またはネットワーク管理者に問い合わせるのが最も確実です。
利用可能な帯域幅の確認方法
帯域幅を確認するには、インターネット速度測定サイトを利用するのが一般的です。
代表的なサイトとしては、「Speedtest.net」や「Fast.com」などがあります。これらのサイトにアクセスし、測定を実行することで、現在のインターネット接続速度(ダウンロード速度とアップロード速度)を確認できます。
Teams会議では、特にアップロード速度が重要になります。なぜなら、自分の映像や音声を相手に送信する際にアップロード帯域を使用するからです。
Microsoftは、Teams会議の推奨帯域幅を公開しています。例えば、HDビデオ会議の場合、参加者一人あたり最低でも1.2Mbpsのアップロード帯域幅が推奨されています。画面共有を行う場合は、さらに多くの帯域幅が必要になります。
測定結果がTeamsの推奨帯域幅を下回っている場合は、帯域幅不足が映像カクつきの原因である可能性が高いです。
帯域幅制限の解除・緩和手順
帯域幅制限の解除や緩和は、利用環境によって手順が異なります。
1. インターネット回線プランの見直し
個人または法人で契約しているインターネット回線プランの帯域幅が不足している場合、より高速なプランへの変更を検討します。
契約しているISPに連絡し、Teams会議の利用頻度や参加人数などを伝えた上で、推奨されるプランについて相談してください。
2. ルーター・ネットワーク機器の設定確認
自宅やオフィスで使用しているルーターに、帯域幅制限機能(帯域制御、トラフィックシェーピングなど)が設定されている場合があります。
ルーターの設定画面にアクセスし、これらの設定項目を確認してください。設定されている場合は、Teams会議の通信を妨げないように、制限を緩和または解除します。
ルーターの設定画面へのアクセス方法や設定変更の手順は、ルーターのメーカーや機種によって異なります。取扱説明書を参照するか、メーカーのサポートに問い合わせてください。
3. 組織のネットワーク管理者への依頼
法人環境で、組織のネットワークポリシーによって帯域幅が制限されている場合は、IT管理者またはネットワーク管理者に相談してください。
管理者権限が必要なため、個人で設定を変更することはできません。
管理者は、ファイアウォールやプロキシサーバーの設定、ネットワーク機器のポリシーなどを確認し、Teams会議に必要な帯域幅が確保されるように調整を行います。
Teams会議のQoS設定最適化手順
QoS設定は、ネットワーク上でTeamsの通信を優先させるための重要な設定です。
この設定は、主にネットワーク管理者が行います。個人ユーザーが直接Teamsアプリケーション側でQoSを設定することはできません。
QoS設定は、ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、ファイアウォールなど)や、OSレベル(Windowsのグループポリシーなど)で行われます。
QoSの基本的な仕組み
QoSは、パケットに優先度を示すマーク(DSCP値:Differentiated Services Code Point)を付けることで機能します。
Teamsは、音声、ビデオ、画面共有などの通信に対して、それぞれ異なるDSCP値を割り当てるように設計されています。これらの値は、Microsoftによって推奨されています。
ネットワーク管理者は、これらのDSCP値を認識するようにネットワーク機器を設定します。これにより、ネットワーク機器は、DSCP値の高いパケット(Teamsの音声・ビデオなど)を、値の低いパケット(一般的なWebブラウジングなど)よりも優先して転送します。
結果として、ネットワークが混雑している状況でも、Teams会議のリアルタイム性が保たれ、映像や音声の品質が低下しにくくなります。
QoS設定(DSCPマーキング)の適用手順
QoS設定は、組織のネットワーク環境全体に適用されるべき設定です。ここでは、一般的なWindows環境におけるOSレベルでのQoS設定(DSCPマーキング)の適用手順を解説します。
注意: この手順は、Windowsのグループポリシーまたはローカルグループポリシーエディターを使用します。管理者権限が必要です。また、組織によっては、ネットワーク機器側でQoS設定が管理されている場合もあります。設定の実施前に、必ずIT管理者に相談してください。
1. グループポリシーエディター(gpedit.msc)の起動
Windowsの検索バーに「gpedit.msc」と入力し、グループポリシーエディターを起動します。
あるいは、[ファイル名を指定して実行]ダイアログ(Windowsキー + R)を開き、「gpedit.msc」と入力してOKをクリックします。
2. QoS設定へのナビゲーション
グループポリシーエディターの左ペインで、以下のパスをたどります。
コンピュータの構成 → Windowsの設定 → ポリシーベースのQoS
3. ポリシーベースのQoSの設定
右ペインで「ポリシーベースのQoS」を右クリックし、「新しいQoSポリシーの作成」を選択します。
「新しいQoSポリシー」ウィンドウが表示されます。
4. ポリシー名とDSCP値の設定
ポリシー名: 「Microsoft Teams Media」など、分かりやすい名前を入力します。
DSCP値: 「10」または「20」など、Teamsの推奨値(後述)を入力します。ここでは、例として「20」を設定します。
出発元および宛先のIPアドレス: 「すべてのIPトラフィック」を選択したままにします。
プロトコル: 「TCPとUDPの両方」を選択します。
5. アプリケーションの指定
「アプリケーション」セクションで、「指定されたアプリケーション」を選択します。
「参照」ボタンをクリックし、Teamsの実行ファイル(通常は `Teams.exe`)を指定します。
補足: 新しいTeams(v2)では、実行ファイル名が異なる場合があります。IT管理者に確認するか、タスクマネージャーで正確なファイル名を確認してください。
6. 帯域幅制限の設定(オプション)
「帯域幅制限」セクションは、通常は設定しません。ここでは、Teamsの通信を優先させることが目的なので、帯域幅を制限する必要はありません。
「最大帯域幅」のチェックボックスはオフのままにします。
7. QoSポリシーの適用
「OK」をクリックしてポリシーを作成します。
作成したポリシーが「ポリシーベースのQoS」の一覧に表示されます。
8. グループポリシーの更新
設定を有効にするために、グループポリシーを更新します。
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、「gpupdate /force」と入力して実行します。
設定が反映されるまで、PCの再起動が必要な場合もあります。
Microsoft推奨のDSCP値
Microsoftは、Teamsの通信品質を最適化するために、以下のDSCP値を推奨しています。
新しいTeams (v2) の場合
新しいTeamsは、従来のTeamsよりも効率的な通信を行うように設計されています。
Microsoft Teams v2 のDSCP値は以下の通りです。
音声: DSCP 46 (EF – Expedited Forwarding)
ビデオ: DSCP 34 (AF41 – Assured Forwarding Class 4, Drop Probability 1)
画面共有: DSCP 24 (AF21 – Assured Forwarding Class 2, Drop Probability 1)
従来のTeamsの場合
従来のTeamsでは、以下のDSCP値が推奨されていました。
音声: DSCP 46 (EF)
ビデオ: DSCP 34 (AF41)
画面共有: DSCP 18 (AF11)
重要: 組織で新しいTeams (v2) を利用している場合は、新しいTeamsの推奨DSCP値を適用してください。
これらの値をグループポリシーエディターで設定する際は、上記の手順4で「DSCP値」の項目に該当する数値を入力します。
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ネットワーク機器でのQoS設定
OSレベルでのQoS設定(DSCPマーキング)に加えて、ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、ファイアウォール)側でQoS設定を有効にすることが、より効果的な帯域幅管理につながります。
ネットワーク機器では、DSCP値に基づいてパケットの優先度を制御したり、特定のトラフィックに帯域幅を割り当てたりすることができます。
ルーター・スイッチでの設定
多くのビジネス向けルーターやスイッチには、QoS機能が搭載されています。
設定項目は機器によって異なりますが、一般的には以下のような設定を行います。
- QoSの有効化: まず、QoS機能を有効にします。
- トラフィックの識別: DSCP値やプロトコル、ポート番号などを基に、Teamsの通信トラフィックを識別します。
- 優先度設定: 識別したTeamsの通信(特に音声・ビデオ)に高い優先度を設定します。
- 帯域幅の割り当て: 必要に応じて、Teamsの通信に最低限保証される帯域幅を設定します。
これらの設定は、ネットワーク機器の管理インターフェース(Web GUIやCLI)から行います。
注意: ネットワーク機器のQoS設定は、専門的な知識を要する場合があります。誤った設定は、ネットワーク全体の通信に悪影響を与える可能性があるため、必ずIT管理者に依頼してください。
ファイアウォールでの設定
一部のファイアウォール製品では、アプリケーションレベルでの帯域幅制御や優先度設定が可能です。
Teamsの通信に必要なポート(TCP/UDP 80, 443, 3478-3481など)を特定し、これらの通信に対して優先度を付ける設定を行います。
ファイアウォールでのQoS設定も、ネットワーク管理者が実施すべき項目です。
トラブルシューティングと追加のヒント
QoS設定や帯域幅の最適化を行っても、映像のカクつきが解消されない場合があります。
その場合は、以下の点を確認してみてください。
組織のネットワークポリシーの確認
組織によっては、Teamsの利用に関する独自のネットワークポリシーが定められている場合があります。
例えば、特定の時間帯の利用制限や、特定の機能の利用制限などです。
IT管理者に、Teams会議のネットワーク要件や推奨設定について確認してください。
Teamsクライアントのバージョンと互換性
使用しているTeamsクライアントが最新バージョンでない場合、パフォーマンスの問題が発生することがあります。
Teamsアプリケーションを最新の状態にアップデートしてください。
特に、新しいTeams (v2) への移行が進んでいる環境では、従来のTeamsと新しいTeamsで挙動が異なる場合があります。組織のTeams導入状況を確認してください。
PCのスペックとリソース不足
映像のカクつきは、ネットワークの問題だけでなく、PC自体のスペック不足やリソース不足が原因であることも考えられます。
CPU、メモリ、GPUなどのリソースが不足していると、Teamsアプリケーションの処理が追いつかず、映像がスムーズに表示されなくなります。
会議中にタスクマネージャーを開き、PCのリソース使用状況を確認してみてください。
不要なアプリケーションを終了させる、PCを再起動する、またはPCのスペックアップを検討することも有効です。
Webカメラドライバーの問題
Webカメラのドライバーが古い、または破損している場合も、映像に問題が生じることがあります。
デバイスマネージャーからWebカメラのドライバーを更新するか、一度アンインストールして再インストールしてみてください。
Teams会議の設定変更
Teams会議の設定で、ビデオの画質を調整することも可能です。
Teamsの設定画面で、「通話」または「デバイス」の項目を確認し、ビデオの解像度を下げるなどの調整を試してみてください。
ただし、これは根本的な解決策ではなく、一時的な回避策となります。
新しいTeams (v2) と従来Teamsの比較
新しいTeams (v2) は、パフォーマンスの向上とリソース使用量の削減を目指して開発されました。
従来のTeamsと比較して、起動時間の短縮や、より少ないメモリ使用量などが期待できます。
QoS設定においても、新しいTeamsでは推奨されるDSCP値が一部変更されています。組織で新しいTeamsへ移行している場合は、最新の推奨値を適用することが重要です。
新しいTeamsの導入は、パフォーマンス改善の観点からも有効な場合があります。
まとめ
Teams会議での映像カクつきは、帯域幅の不足やQoS設定の不備が原因で発生することが多いです。
本記事では、帯域幅制限の確認・解除手順と、QoS設定(DSCPマーキング)の最適化手順を解説しました。
これらの設定を適切に行うことで、会議中の映像品質が大幅に改善され、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
まずは、ご自身のネットワーク環境の帯域幅を確認し、必要であればIT管理者に相談してQoS設定の適用を依頼してください。新しいTeams (v2) への移行も、パフォーマンス改善に寄与する可能性があります。
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超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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