【Windows 11】24H2更新後にWi-Fiが頻繁に切れる!原因特定と通信安定化の全手順

【Windows 11】24H2更新後にWi-Fiが頻繁に切れる!原因特定と通信安定化の全手順
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Windows 11の大規模アップデート「Version 24H2」を適用した後、Wi-Fi接続が頻繁に切断される、あるいはスリープ復帰後に再接続できないといった不具合が数多く報告されています。これは単なる設定の不備ではなく、24H2で導入された新しいネットワークスタックと、既存のワイヤレスドライバ間の互換性、およびOS側の省電力制御が主な要因です。

特にビジネス環境において、Web会議中の切断やVPNの瞬断は死活問題となります。本記事では、24H2アップデート後に発生しているWi-Fi不安定化の技術的背景を解明し、デバイスマネージャーからのドライバ再インストールや省電力設定の解除、さらにはレジストリによる高度な安定化手法を詳しく解説します。

結論:Wi-Fiの瞬断を止めるための即効策

  1. ネットワークドライバの「クリーン再インストール」:Windows Update経由ではなく、メーカー公式サイトの最新ドライバを適用します。
  2. 電源管理の「省電力モード」を無効化する:ネットワークアダプターが勝手にスリープするのを防ぎます。
  3. ネットワークスタックのリセット:コマンドプロンプトでTCP/IP設定を初期状態に戻します。

1. Windows 11 24H2でWi-Fiが不安定になる技術的要因

Version 24H2では、Wi-Fi 7への対応や、WPA3セキュリティの強化など、ネットワーク基盤に大幅な変更が加えられました。この「進化」が、皮肉にも既存のハードウェアとの摩擦を生んでいます。

① ネットワークスタックの刷新による競合

24H2では、低遅延通信を実現するためにOS内部のパケット処理方式が見直されました。しかし、IntelやRealtekなどのチップメーカーが提供する旧来のドライバが、この新しい処理方式に完全に対応しきれておらず、データ転送中にドライバがハングアップ(応答停止)し、結果として切断が発生しています。

② 「モダンスタンバイ」と省電力制御の不整合

Windows 11が採用する「モダンスタンバイ」は、スリープ中も通信を維持しようとしますが、24H2の省電力アルゴリズムが過剰に働き、通信中にもかかわらず無線LANアダプターの電力をカットしてしまうケースが確認されています。これが、使用中の「プツプツ」と切れる挙動の正体です。

2. 手順①:ドライバのクリーン再インストール

デバイスマネージャーで「ドライバの更新」を押すだけでは、古いファイルが残存し、問題が解消されないことが多々あります。一度完全に削除してから導入し直すのが正攻法です。

  1. 最新ドライバの事前ダウンロード:Intel公式サイト等から、自分のPCのネットワークチップ(例:AX211等)に適合する最新ドライバ(Version 23.x以降推奨)をダウンロードしておきます。
  2. 既存ドライバの削除:スタートを右クリックし「デバイスマネージャー」を開きます。
  3. 「ネットワーク アダプター」を展開し、Wi-Fiデバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選択します。
  4. 重要:「このデバイスのドライバーを削除しようとしました」にチェックを入れて実行します。
  5. 再起動と導入:PCを再起動(この時点でWi-Fiは使えません)し、手順1でダウンロードしたインストーラーを実行します。

3. 手順②:電源管理設定の最適化(省電力解除)

Windows 11では以前のOSにあった「電源の管理」タブが非表示になっていることがありますが、これは依然としてバックグラウンドで動作しています。これを無効化することで安定性が飛躍的に向上します。

電源プランの編集

  1. コントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション を開きます。
  2. 使用中のプランの「プラン設定の変更」をクリックし、「詳細な電源設定の変更」を開きます。
  3. 「ワイヤレス アダプターの設定」 > 「省電力モード」を展開します。
  4. 「バッテリ駆動」「電源に接続」の両方を「最大パフォーマンス」に変更します。

もしこの項目が表示されない場合は、コマンドプロンプト(管理者)で以下のコマンドを実行し、隠し項目を表示させる必要があります。
reg add HKLM\System\CurrentControlSet\Control\Power /v PlatformAoAcOverride /t REG_DWORD /d 0

4. 手順③:ネットワークスタック(TCP/IP)の完全リセット

OSのアップデートによって、DNSキャッシュやIPスタックのルーティングテーブルに不整合が生じている場合があります。これらを一括で初期化します。

  1. 「スタート」ボタンを押し、cmd と入力、右クリックして「管理者として実行」します。
  2. 以下のコマンドを一行ずつ入力し、その都度Enterを押します。
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns

すべての実行が完了したら、PCを再起動してください。これにより、24H2適用時に書き換えられた古いネットワーク設定がクリアされ、クリーンな通信状態が確保されます。

5. 設定項目別の改善効果一覧

各対策がどのような症状に効果的かを整理しました。自身の環境で起きている切断パターンに合わせて優先順位を決定してください。

対策内容 対象となる症状 解決の論理
ドライバ削除・再導入 通信中に突然「×」マークが出る。 24H2のスタックとドライバの競合を解消。
省電力モードの解除 放置後やスリープ復帰後に繋がらない。 OSによるWi-Fiチップの強制給電停止を阻止。
TCP/IPリセット 接続はされているが「インターネットなし」になる。 論理的なルーティングエラーを初期化。

まとめ:OSの進化に伴うネットワークの再最適化

Windows 11 24H2は、Wi-Fi 7といった次世代規格を見据えた野心的なアップデートですが、その過程で既存環境との整合性が一時的に損なわれています。Wi-Fiが頻繁に切れる問題は、ハードウェアの故障ではなく、こうしたソフトウェア側の「過渡期ゆえの不具合」である可能性が極めて高いと言えます。

まずはドライバのクリーンインストールで土台を整え、電源管理を見直すことで、24H2環境下でも安定した通信を維持することが可能です。Microsoftも今後のパッチで順次修正を行う見込みですが、現場の業務を止めるわけにはいきません。本稿の手順を一つずつ実行し、ストレスのないネットワーク環境を再構築してください。