「電卓やフォト、Microsoft Storeなどのアプリをクリックしても、一瞬だけウィンドウが表示されて、すぐに消えてしまう」「起動した瞬間に落ちてしまい、エラーメッセージすら出ない」……。
せっかくインストールしても、起動しなければ意味がありません。
これは、アプリ自体のデータが破損しているか、Windowsとアプリを繋ぐ「登録情報」がズレてしまっている状態(紐付けエラー)です。
この記事では、個別のアプリを直す簡単な方法から、不具合を起こしている全アプリをまとめて叩き直す強力なPowerShellコマンドまでを解説します。
目次
手順1:【基本】設定から「修復」と「リセット」を行う
特定のアプリ(例:フォトだけ、電卓だけ)が落ちる場合は、そのアプリの設定を初期化するだけで直ることが多いです。
Windows 11の場合
- [設定] > [アプリ] > [インストールされているアプリ] を開きます。
- 落ちてしまうアプリ(例:Microsoft フォト)を探します。
- 右側のメニュー(…)から [詳細オプション] をクリックします。
- 画面を下にスクロールし、まずは [修復] ボタンを押します。
(※修復ならデータは消えません) - それでも直らない場合は、その下の [リセット] ボタンを押します。
(※設定が初期化されますが、画像データなどは消えません)
Windows 10の場合
- [設定] > [アプリ] > [アプリと機能] を開きます。
- 対象のアプリをクリックし、[詳細オプション] を選びます。
- [リセット] ボタンを押します。
手順2:【強力】PowerShellで「全アプリ」を再登録する
「あちこちのアプリが落ちる」「修復しても直らない」「Storeアプリ自体が落ちる」という重症の場合は、コマンドを使ってWindows内の全アプリの登録情報を上書き修正します。
⚠️ 実行前の注意
この操作を行うと、一部の設定がリセットされたり、処理中に赤いエラー文字が大量に出ることがありますが、故障ではありません。処理が完了するまでPCを触らずに待ってください。
- スタートボタンを右クリックし、[ターミナル (管理者)] または [Windows PowerShell (管理者)] を開きます。
- 以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
Get-AppXPackage -AllUsers | Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register “$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml”}
- 画面に青いバーが表示され、処理が始まります。赤文字のエラーが出ても無視して待ちます。
- 文字の動きが止まり、入力待機状態になったら、PCを再起動します。
再起動後、落ちていたアプリを起動してみてください。嘘のように安定して動くはずです。
手順3:【盲点】「Windows Time」サービスを確認する
意外な原因として、Windowsの「時刻管理機能」が停止していると、アプリのセキュリティ証明書が確認できずにクラッシュすることがあります。
- キーボードの [Windows] + [R] キーを押し、
services.mscと入力して実行します。 - サービス一覧から [Windows Time] を探してダブルクリックします。
- もし「サービスの状態」が「停止」になっていたら [開始] を押します。
- 「スタートアップの種類」を [自動] に変更して [OK] を押します。
手順4:ウイルス対策ソフトを一時停止する
「ウイルスバスター」や「ノートン」などのセキュリティソフトが、アプリの起動プロセスを「不審な動き」と誤認してブロック(強制終了)させているケースがあります。
- タスクバー右下のセキュリティソフトのアイコンを右クリックします。
- 「監視を一時停止」や「終了」を選びます。
- その状態でアプリが起動するか確認します。
もしこれで起動する場合は、セキュリティソフトの設定で、そのアプリを「例外(許可するリスト)」に追加してください。
まとめ:開かないアプリは「再登録」で直す
アプリが落ちる時の対処フローです。
| ステップ | 方法 | 対象 |
|---|---|---|
| 1 | 設定から「リセット」 | 特定のアプリだけ落ちる時 |
| 2 | PowerShellで全再登録 | 複数アプリが落ちる時 |
| 3 | セキュリティソフト停止 | 外部ソフトの影響疑い |
「一瞬で消える」現象はウイルスの仕業かと不安になりますが、ほとんどはWindows内部の「紐付けリストの破損」です。
手順2のコマンドは強力ですが、少し時間がかかるため、まずは手順1の「リセット」から試すのがおすすめです。
