Windowsの動作が不安定、特定のアプリがエラーで開かない、青い画面(ブルースクリーン)が頻発する……。そんな時、Windowsを初期化する前に必ず試すべき強力なコマンドが「sfc /scannow(システムファイルチェッカー)」です。これはWindows自身が自分のシステムファイルをスキャンし、破損や不足を見つけたら自動的に「正常な状態」へ修復してくれる魔法の道具です。初心者でも安全に実行するための正しい手順と、エラーが出た際の対処法を網羅解説します。
- ⏱ 実行時間: 15分〜30分(PCスペックによる)
- 💻 対象OS: Windows 10 / 11
- 🛠 難易度: 中級(コマンド操作あり)
- ✅ 期待効果: OSの不安定解消、システムエラーの自動修復
目次
1. sfc /scannow(システムファイルチェッカー)とは何か?
Windowsを動かすために必要な「システムファイル」は、予期せぬ強制終了やアップデートの失敗、ディスクの老朽化などによって、知らないうちに中身が書き換わったり(破損)、消えてしまったりすることがあります。
SFCコマンドを実行すると、Windowsはあらかじめ用意されている「健全なバックアップファイル」と現在のファイルを照合し、不一致があればバックアップから上書きコピーして修復を行います。これにより、初期化(リカバリ)をせずにOSの健康状態を回復できるのです。
2. 【重要】実行前の「バックアップ」と「DISM」の併用について
SFCコマンドは強力ですが、システムを直接いじるため、万が一に備えて重要なデータはバックアップを取っておくのが鉄則です。また、SFC単体では修復しきれない場合があるため、現在は「DISMコマンド」とセットで実行するのが業界標準となっています。
3. 100点満点の修復手順:ステップバイステップ
もっとも修復成功率が高い「DISM + SFC」の黄金ルートで進めます。
手順①:コマンドプロンプトを「管理者」として開く
- Windowsのスタートメニュー(または検索バー)で cmd と入力します。
- 表示された「コマンド プロンプト」を右クリックし、[管理者として実行] を選択します。
※ここで「はい」を押して許可を与えてください。
手順②:DISMコマンドで「修復用素材」を整える
SFCが使う「健全なバックアップ」自体が壊れていると修復できません。まずは以下のコマンドでバックアップを正常化します。
- 黒い画面に以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth - 100%になるまで待ちます(数分〜15分程度かかります)。
手順③:SFCコマンドで「システム修復」を実行する
- 続けて、以下のコマンドを入力して Enterキーを押します。
sfc /scannow - スキャンが開始されます。途中でウィンドウを閉じたり、PCの電源を切ったりしないでください。
4. スキャン結果の読み方と対処法
実行後に出るメッセージによって、状況を判断します。
| 表示されるメッセージ | 意味と次の行動 |
|---|---|
| 整合性違反を検出しませんでした | システムは正常です。不具合の原因は「設定」や「アプリ単体」にある可能性があります。 |
| 破損したファイルを検出し、正常に修復しました | 大成功です。PCを再起動して、不具合が直ったか確認してください。 |
| 破損したファイルを検出しましたが、修復できませんでした | 重度の破損です。「セーフモード」で再試行するか、OSの上書きインストールが必要です。 |
5. まとめ:Windowsの「セルフドクター」を活用しよう
PCの調子が悪い時に「とりあえず再起動」の次に試すべきなのが、このSFCコマンドです。特に「DISMコマンド」で外堀を埋めてから「SFC」で本丸を直すという2段構えの修復術を覚えておけば、大抵のシステムエラーは自力で解決できます。業者に修理を出す前に、まずはこの「20分の自分メンテナンス」を実践してみてください。OSの寿命が劇的に延びるのを感じるはずです。
