Wordで文書を作成していると、入力した文字の下に「赤い波線」や「青い二重線」が勝手に表示されることがあります。これはWordの校閲機能による「スペルチェック」や「文章校正」の指摘ですが、固有名詞やあえて崩した表現を使っている場合、画面がノイズだらけになり非常に集中力を削がれます。これらの線を一時的に隠す方法から、特定の単語を「辞書」に登録して指摘させない方法、さらには機能を完全にオフにする設定までを詳説します。
- ⏱ 解決時間: 2分
- 💻 対象ツール: Microsoft Word 全バージョン / Microsoft 365
- 🛠 難易度: 初級
- ✅ 期待効果: 画面上の視覚的ノイズ除去、執筆への集中力向上、意図的な表現の維持
目次
1. 波線の色に隠された「意味」とは?
表示される線の色は、Wordが何を指摘しているかによって異なります。
- 赤い波線: スペルミス(英語など)や、辞書にない未知の単語(タイポ)の疑い。
- 青い二重線(または波線): 文章校正の指摘。「い抜き言葉」や助詞の重複、敬語の誤用、表記ゆれなど。
2. 解決手順①:特定の文書だけで波線を隠す
「自分だけに見えればいい下書き」や、逆に「提出時に線を消したい」場合に有効な設定です。
- 上部の [ファイル] タブ > [オプション] を開きます。
- 左メニューから [文章校正] を選択します。
- 一番下にある「例外規定」セクションまでスクロールします。
- 「この文書のみ、スペルチェックの結果を表示しない」 および 「この文書のみ、文章校正のエラーを表示しない」 の両方にチェックを入れます。
- [OK] を押せば、そのファイル上から全ての線が消えます。
3. 解決手順②:機能を「完全にオフ」にする(上級者向け)
Wordのお節介な指摘を一切受けたくない場合の手順です。
- [ファイル] > [オプション] > [文章校正] を開きます。
- 「Wordのスペルチェックと文章校正」セクションにある以下のチェックを [オフ] にします。
- 入力中に入力ミスを報告する
- 入力中に文法エラーを表示する
4. プロの対処法:よく使う言葉を「辞書に登録」する
機能をオフにするのではなく、独自の専門用語や社名を「正しい言葉」としてWordに覚えさせるのが最もスマートな解決策です。
- 赤い波線が出ている単語の上で 右クリック します。
- [辞書に追加] を選択します。
- これで、次からはその単語に線が出ることはなくなり、正規の用語として扱われます。
5. 設定別のメリット・デメリット表
| 手法 | 向いているシーン | リスク |
|---|---|---|
| 個別非表示 | 特定の資料だけ綺麗に見せたい。 | 本当のミスも見逃してしまう。 |
| 辞書追加 | 専門用語や自社名を多用する。 | 手間はかかるが、精度は上がる。 |
| 完全オフ | 文章作成にのみ集中したい。 | 致命的な誤字脱字に気づけなくなる。 |
まとめ:Wordの機能を「飼い慣らす」
Wordの校閲機能は強力な味方ですが、使い手の意図を常に正しく汲み取れるわけではありません。不必要な波線にイライラするのではなく、自分に合った設定へカスタマイズすることで、より快適な執筆環境を手に入れることができます。まずは「辞書への追加」を試し、どうしても邪魔な場合は「文書ごとの非表示」を使い分けるのが、デジタルの道具を賢く使いこなすプロの立ち振る舞いです。
