Wordの校閲機能で変更履歴を表示していると、複数の校閲者による修正が一度に表示されるため、特定の人の変更だけを確認したい場面があります。例えば、自分が担当した部分だけをチェックしたい、上司の修正だけを抽出したいといったケースです。既定の設定ではすべての校閲者の変更が表示されますが、フィルター機能を使えば校閲者を指定して表示を絞り込めます。この記事では、校閲者ごとに変更履歴を表示する具体的な手順と、うまくいかない場合の原因・対処法を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: [校閲]タブの[変更履歴の表示]グループにある[校閲者]ボタン(または[特定のユーザー])をクリックします。
- 切り分けの軸: Wordのバージョン(365/2021/2019/2016など)によるUIの違い、文書が共同編集中かどうか、変更履歴が有効になっているかどうか。
- 注意点: 特定の校閲者の変更だけを表示しても、その校閲者の変更を承認または却下する操作に直接影響はありませんが、表示されていない他の校閲者の変更も画面上では見えなくなるため、誤って全員分をまとめて承認すると非表示の変更も承認される可能性があるため注意が必要です。また、会社PCではグループポリシーにより変更履歴の表示が制限されている場合があります。
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目次
校閲者ごとの変更履歴を表示する基本手順
Wordで特定の校閲者の変更だけを表示するには、リボンの[校閲]タブにある[変更履歴の表示]グループを使用します。ただし、Wordのバージョンによってボタンの名称や配置が少し異なります。
Microsoft 365 / Word 2021 / Word 2019 の場合
- [校閲]タブを開き、[変更履歴の表示]グループにある[校閲者]ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストに、現在変更履歴が記録されている校閲者名が一覧表示されます。表示したい校閲者にチェックを入れ、表示したくない校閲者はチェックを外します。
- 選択が完了すると、文書上にはチェックを入れた校閲者の変更履歴のみが表示されます。
- すべての校閲者の変更を再度表示したい場合は、[校閲者]ボタンから[すべての校閲者]を選択します。
Word 2016 以前の場合
- [校閲]タブの[変更履歴の表示]グループで、[特定のユーザー]ボタンをクリックします。
- 表示される一覧から、表示したい校閲者を選択します。[すべてのユーザー]を選択すると全員分が表示されます。
どちらのバージョンでも、選択した校閲者の変更だけが画面に表示され、他の校閲者の変更は一時的に非表示になります。ただし、このフィルターは印刷やPDF出力時にも反映されますので、印刷前に確認するとよいでしょう。
| 操作 | 365/2021/2019 | 2016以前 |
|---|---|---|
| フィルターボタン名 | [校閲者] | [特定のユーザー] |
| 選択方法 | チェックボックスで複数選択可 | ドロップダウンから1人選択 |
| すべて表示に戻す | [すべての校閲者]を選択 | [すべてのユーザー]を選択 |
校閲者フィルターが使えない場合の原因と対処法
校閲者ごとのフィルター機能がグレーアウトして選べない、または校閲者が表示されないことがあります。よくある原因とその対処法を以下にまとめました。
原因1: 変更履歴が記録されていない
フィルター機能は、文書に変更履歴が記録されている場合にのみ有効です。変更履歴がオフになっていると校閲者ボタン自体が押せないか、リストが空になります。[校閲]タブの[変更履歴の追跡]がオフ(白地)になっていないか確認し、オン(色がついている)にしてから操作してください。すでに変更履歴が存在する文書であれば、通常はボタンが有効になります。
原因2: 文書が保護されている
「編集の制限」や「文書の保護」がかけられていると、変更履歴の表示設定が変更できない場合があります。[校閲]タブの[保護]グループで[編集の制限]を確認し、制限がかかっている場合は解除してもらう必要があります。ただし、会社のポリシーで保護されている場合は自分で解除できないことが多いため、管理者に相談してください。
原因3: 共同編集(同時編集)モードで制限がある
SharePointやOneDrive上で複数ユーザーが同時に編集している文書(共同編集モード)では、変更履歴の表示方法が従来と異なる場合があります。共同編集時は変更履歴が自動的に記録されず、[変更履歴の追跡]が強制的にオフになることがあります。代わりに、バージョン履歴やコメント機能を使って変更を管理することになります。この場合、校閲者フィルターは利用できません。文書を一度ローカルに保存し、共有を解除してから変更履歴をオンにすることでフィルターが使えるようになる場合がありますが、共同編集の利点が失われるため、チームの運用ルールに従ってください。
原因4: ユーザー名が正しく設定されていない
変更履歴に記録される校閲者名は、Wordのユーザー設定で指定された名前です。この名前が変更されていたり、異なるPCで作業した場合に統一されていないと、同じ人物でも別の校閲者として表示されることがあります。フィルターで期待した校閲者が表示されない場合は、[ファイル] > [オプション] > [基本設定]の[ユーザー名]と[イニシャル]を確認し、一貫した名前を使用するようにしましょう。
校閲者フィルターを活用した実務的な応用
特定の校閲者の変更だけを承認/却下する
校閲者フィルターで特定の人の変更だけを表示した状態で、[変更の承諾]や[変更の却下]を行うと、表示されている変更だけが処理の対象になります。ただし、一度にまとめて承認/却下する場合は注意が必要です。表示されていない他の校閲者の変更は対象外ですが、誤って[すべての変更を承諾]を実行すると、フィルターが適用されていてもすべての変更が承認されてしまいます。そのため、フィルターを使って処理するときは、[次へ]ボタンで一つずつ確認しながら処理することをおすすめします。
校閲者ごとに変更履歴を印刷する
校閲者フィルターは印刷プレビューにも反映されます。特定の校閲者の変更だけを印刷したい場合、フィルターを適用した状態で印刷を実行します。[ファイル] > [印刷]でプレビューを確認し、変更履歴が正しく表示されていることを確認してから印刷してください。PDF出力する場合も同様です。ただし、印刷時に変更履歴の表示設定(変更履歴の表示/最終版表示など)が適切に設定されているかも合わせて確認しましょう。
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失敗パターンと回避策
実際の業務でよくある失敗として、以下のようなケースがあります。事前に把握しておくことでトラブルを回避できます。
- 校閲者の名前が「作者」とだけ表示される: 文書のプロパティ情報が欠落している場合に発生します。文書の情報(タイトルや作成者)を設定し、保存し直すことで改善する場合があります。
- フィルターを適用しても変更履歴の色が変わらない: 変更履歴の色は校閲者ごとに自動で割り当てられますが、フィルターをかけても色は変わりません。色で校閲者を識別したい場合は、[変更履歴の表示]グループの[色]で設定を確認してください。
- 共同編集を解除したら変更履歴が消えた: 共同編集モードで作業した文書は、一度保存して共有をオフにすると、それまでの変更履歴がバージョン履歴に統合される場合があります。必要な変更履歴は事前にバージョン履歴から復元できるようにしておきましょう。
管理者へ確認すべきこと
会社のPCで校閲者フィルターが使えない、または特定の校閲者の変更が表示されない場合、以下の点を管理者に問い合わせると問題解決が早まります。
- グループポリシーで変更履歴の表示設定が制限されていないか(特に[校閲者]ボタンの無効化など)。
- 文書が保存されているOneDrive/SharePointのバージョン管理設定。共同編集時の変更履歴の扱いについて。
- Wordのバージョンが古い(2013以下)場合、フィルター機能が異なる可能性があるため、アップデートを依頼する。
よくある質問(FAQ)
Q1. 校閲者フィルターで複数人を選択できますか?
Microsoft 365、Word 2021/2019では、チェックボックス形式で複数の校閲者を同時に選択できます。Word 2016以前では、ドロップダウンから一人しか選択できないため、複数人を表示したい場合は[すべてのユーザー]にするか、順番に切り替えて確認する必要があります。
Q2. 校閲者フィルターを設定した状態で文書を保存すると、次回開いたときもフィルターは維持されますか?
残念ながら、校閲者フィルターの状態は保存されません。文書を閉じて再度開くと、既定の[すべての校閲者]表示に戻ります。毎回フィルターを設定し直す必要があります。
Q3. 校閲者名がイニシャルだけで表示されるのはなぜですか?
Wordのオプションで[ユーザー名]を設定していない場合、変更履歴にはイニシャルや「Author1」のような汎用名が記録されます。[ファイル] > [オプション] > [基本設定]でユーザー名をフルネームに変更してから作業すると、正しく表示されるようになります。既存の変更履歴の校閲者名は変更されません。
まとめ
Wordで校閲者ごとに変更履歴を表示するには、[校閲]タブの[校閲者](または[特定のユーザー])ボタンを使ってフィルターを適用します。バージョンによって操作が異なるため、自分の環境に合わせた手順を確認することが重要です。フィルターが使えない場合は、変更履歴の記録状態や文書の保護設定、共同編集の有無をチェックしてください。実務では、特定の校閲者の変更だけを確認・処理することで効率が上がりますが、誤ってすべての変更を承認しないように注意が必要です。この記事を参考に、校閲者フィルターを活用して文書レビューの精度を高めてください。
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