Power Queryを使ってWeb上のデータをExcelに取り込もうとしたところ、「認証が必要です」や「データソースの資格情報が無効です」といったエラーが表示され、接続できない経験はありませんか。ブラウザでは同じURLにアクセスできるのにPower Queryだけ通らない場合、原因は資格情報の設定方法やプロキシの扱いにあります。この記事では、Power QueryのWeb接続認証エラーが発生した際の切り分け手順と、資格情報・プロキシ設定の具体的な確認方法を解説します。会社PCで発生する特有の制約も踏まえ、無駄な設定変更を避けるためのポイントをまとめました。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: Excelの「データ」タブ → 「クエリと接続」 → 該当クエリのプロパティ → 「接続の変更」 → 「データソース設定」で、保存されている資格情報の種類と状態を確認する。
- 切り分けの軸: ブラウザで正常にアクセスできるかどうか、他のPower Queryデータソース(SharePoint、SQL Serverなど)は使えるか、会社のプロキシ認証が介在するかどうか。
- 注意点: 会社PCではプロキシ設定や資格情報の保存方法がグループポリシーで制限されている場合があります。個人でレジストリやシステム設定を変更せず、管理者に確認・依頼することを推奨します。
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目次
1. Power QueryのWeb接続認証エラーの主な原因
Power QueryでWebからデータを取得する際、認証エラーが発生する原因は大別して3つあります。まずは原因を分類し、適切な対処を選びましょう。
1-1. 資格情報の不一致または無効
Power QueryはWindows資格情報、基本認証(ユーザー名/パスワード)、組織アカウント(Microsoft Entra ID)、匿名など複数の認証方式をサポートしています。Webサイトが要求する認証方式とExcelに保存した資格情報の種類が合っていないと認証が通りません。また、パスワードを変更した後に資格情報を更新し忘れるケースも多いです。
1-2. プロキシ認証がブロックしている
社内ネットワークからインターネットへアクセスするにはプロキシサーバーを経由する必要がある場合、Power Queryはブラウザとは異なる方法でプロキシに接続します。特にプロキシ認証が必要な環境では、Power Queryが正しく認証情報を渡せずにタイムアウトや403エラーになることがあります。
1-3. クエリのデータソース設定が古いまま
Power Queryはクエリごとにデータソースとその資格情報をキャッシュしています。一度保存した設定が期限切れになったり、URLが変更されたりしてもエラーを起こします。クエリを編集する前に、データソース設定をリセットするだけで解決することもあります。
2. 資格情報の設定を確認する手順
最初に行うべきは、Power Queryに保存されている資格情報の確認と再設定です。以下の手順で進めてください。
- Excelを開き、「データ」タブを選択します。
- 「クエリと接続」をクリックし、右側に表示される作業ウィンドウで問題のクエリを探します。
- クエリ名を右クリックし、「プロパティ」を選択します。表示されたダイアログで「接続の変更」をクリックします。
- 「データソース設定」ダイアログが開きます。一覧から該当するWebデータソースを選び、「編集」または「削除」をクリックします。
- 「編集」を選んだ場合は、認証の種類を確認します。「Windows」「基本」「組織アカウント」「匿名」のいずれかです。Webサイトの仕様に合わせて正しい種類を選択し、ユーザー名とパスワードを入力します。
- 設定を保存したら、クエリを再度実行して接続が通るか確認します。もし「削除」を選んだ場合は、後でクエリを更新した際に再入力を促されます。
認証方式の選び方
Webサイトがどの認証方式を使っているかは、ブラウザでそのURLを開いて確認します。ユーザー名とパスワードを入力するポップアップが表示されるなら基本認証。Windows統合認証(NTLM/Kerberos)なら、ドメイン参加PCであれば「Windows」を選びます。Microsoft 365系のサービス(SharePoint Onlineなど)なら「組織アカウント」が適切です。判断に迷ったら、ブラウザの認証ダイアログのタイトルやURLの形式から推測するか、サイトの管理者に問い合わせてください。
3. プロキシ設定が原因の場合の対処
資格情報が正しいのに接続できない、特に「内部エラーが発生しました」や「基礎となる接続が閉じられました」といったメッセージが出る場合はプロキシが原因の可能性が高いです。Power QueryはInternet Explorerのプロキシ設定を継承しますが、一部の認証が必要なプロキシでは正しく動作しないことがあります。
3-1. Internet Explorerのプロキシ設定を確認する
- Windowsの「インターネットオプション」を開きます(コントロールパネルまたはIEの歯車アイコンから)。
- 「接続」タブを選び、「LANの設定」をクリックします。
- 「設定を自動検出する」または「自動構成スクリプトを使用する」が選択されているかを確認します。会社でプロキシ自動構成(PAC)ファイルが配布されている場合は、そのURLが正しいか管理者に確認してください。
- 手動でプロキシサーバーを指定している場合は、アドレスとポートをメモします。Power Queryでプロキシをバイパスする必要がある内部サイトがあれば、「プロキシサーバーを使用しないアドレス」に追加します。
3-2. Power Query用のプロキシ認証回避策
プロキシ認証が必要な環境では、Power QueryがWindowsの認証情報を自動で渡せない場合があります。その場合、以下の方法を試してください。ただし、いずれも管理者権限が必要になることがあるため、IT部門に相談してください。
- 方法A:Internet Explorerの詳細設定で「TLS 1.2を使用する」が有効になっているか確認する。無効だとプロキシ経由の通信がブロックされることがあります。
- 方法B:Power Queryの詳細エディターで、接続文字列に「ProxyAddress」パラメーターを追加する(M言語で直接記述)。ただし、この方法は社内で許可されている場合に限ります。
- 方法C:プロキシ経由でなく直接アクセスできる専用回線がある場合、ネットワーク設定を切り替えてもらう。
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4. 状況別の原因切り分け表
下記の表を参考に、自分の環境に当てはまるパターンを探してください。
| 状況 | ブラウザアクセス | Power Query 接続 | 主な原因と対応 |
|---|---|---|---|
| A | 〇(同じ資格情報でログインできる) | × | 資格情報の種類が不一致。Power Queryに保存した認証方式をブラウザの方式に合わせて再設定する。 |
| B | 〇(ただしプロキシ認証が必要) | × | Power Queryがプロキシ認証をパスできない。IEのプロキシ設定を見直すか、プロキシ自動構成を管理者に依頼する。 |
| C | ×(認証エラーまたはアクセス不可) | × | ネットワークレベルまたはアカウントの問題。まずはブラウザでアクセスできるようにする(管理者連絡が必要)。 |
| D | —(社内ローカルサイト) | × | プロキシバイパス設定が不足。内部URLを「プロキシサーバーを使用しないアドレス」に追加する。 |
5. 管理者に確認すべき情報
会社PCでPower QueryのWeb接続が使えない場合、以下の情報をまとめてIT管理者に伝えるとスムーズです。
- 対象のURL(完全なアドレス)と、ブラウザでアクセスしたときの認証方式(例:Basic認証、Windows統合認証など)
- Power Queryで表示されたエラーメッセージ(スクリーンショットがあるとベター)
- Excelのバージョン(ファイル → アカウント → Excelのバージョン情報)
- 社内プロキシサーバーのアドレスと認証方式(PACファイルのURLやNTLM認証の有無など)
- 該当するURLがプロキシのバイパスリスト(例外リスト)に含まれているかどうか
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 同じURLをブラウザで開けるのにPower Queryだけ失敗するのはなぜですか?
ブラウザは保存済みの資格情報やプロキシ認証を自動で利用しますが、Power Queryは別の認証フローを持ちます。特に、ブラウザが「Windows統合認証」を自動ネゴシエーションしている場合、Power Queryのデータソース設定で「Windows」を選んでいないと認証に失敗します。
Q2. 資格情報を削除しても再度入力を求められません。どうすればいいですか?
Power QueryはWindowsの資格情報マネージャーにキャッシュを保存することがあります。コントロールパネル → 資格情報マネージャー → Windows資格情報 で「Power Query」や「Microsoft Office」関連のエントリーを削除すると、次回クエリ実行時に再入力を促されます。
Q3. 組織アカウントで認証しようとすると「サインインが必要です」と出て先に進めません。
組織アカウント(Microsoft Entra ID)の認証では、ポップアップブロックが原因でサインイン画面が表示されないことがあります。ExcelのアドインやIEのポップアップブロック設定を一時的に無効にするか、管理者に「信頼済みサイト」への追加を依頼してください。
Q4. プロキシ経由の接続で「基礎となる接続が閉じられました」というエラーが出ます。
これはプロキシサーバーがTLSハンドシェイクを途中で切断している可能性があります。Power Queryの使用する.NET Frameworkが古いバージョンのTLSしかサポートしていない場合も同様のエラーが発生します。ExcelおよびWindows Updateを最新にし、Internet Explorerの「詳細設定」でTLS 1.2を有効にしてみてください。
SharePoint Onlineへの接続には「組織アカウント」を使いますが、会社の条件付きアクセスポリシーが原因でブロックされることがあります。Power QueryのUser-Agentがポリシーに適合しない場合があるため、管理者にSharePoint OnlineへのPower Queryアクセスを許可するよう依頼してください。
7. まとめ
Power QueryのWeb接続認証エラーは、資格情報の種類ミスとプロキシ設定の不整合が大半を占めます。最初に保存された資格情報の種類が正しいかどうかをデータソース設定で確認し、ブラウザとの動作の違いを切り分けながら原因を特定することが重要です。会社PCではプロキシ設定の変更に管理者の関与が必要なケースが多いため、自己判断でシステム設定をいじらず、必要な情報を整理してIT部門に相談してください。正しい設定を行えば、Power Queryを使った自動データ取得が安定して利用できるようになります。
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