「Cドライブが常に容量不足で真っ赤なのに、隣のDドライブはガラガラで空き容量が余っている」「Dドライブのスペースを少しCドライブに分けてあげたい」……。
不要なファイルを消すのには限界がありますが、HDDやSSDの仕切り(パーティション)を動かせば、物理的にCドライブを広くすることができます。
ただし、Windowsの標準機能には「隣り合った領域しかくっつけられない」というルールがあり、手順を間違えると結合ボタンが押せません。
この記事では、Windows標準の「ディスクの管理」機能を使い、Dドライブの空きをCドライブへ安全に移植する手順を解説します。
目次
大前提:Windows標準機能の「結合ルール」
作業を始める前に、必ず知っておくべき鉄則があります。
⚠️ 右隣しか吸収できません
Windowsの「ボリュームの拡張(結合)」機能は、拡張したいドライブの「すぐ右隣」にある「未割り当て領域」しか吸収できません。
つまり、Cドライブの右隣にDドライブがある場合、「Dドライブを一度削除して、未割り当て(空き地)にする」必要があります。
※Dドライブを単に「縮小」して隙間を作っても、その隙間はDの右側にできてしまうため、Cとは結合できないのです。
手順1:Dドライブのデータを「退避」する
上記の理由により、Dドライブはいったん消滅します。中身を救出しましょう。
- 外付けHDDやUSBメモリ、またはクラウドストレージ(Googleドライブ等)を用意します。
- Dドライブに入っている必要なデータ(写真や書類など)を、すべてそちらへコピー(バックアップ)します。
- Dドライブの中身が空、または消えてもいい状態になったら次へ進みます。
手順2:Dドライブを「削除」して空き地にする
ここからパーティション操作を行います。慎重に進めてください。
- スタートボタンを右クリックし、[ディスクの管理] を開きます。
- 画面下半分の帯グラフから、(C:) のすぐ右隣にある (D:) を探します。
- (D:) の部分を右クリックし、[ボリュームの削除] を選びます。
(※[ボリュームの縮小] ではありません!削除です) - 「データがすべて消去されます」という警告が出ますが、手順1でバックアップ済みなら [はい] を押します。
- Dドライブだった場所が、黒色の「未割り当て」に変わります。
手順3:Cドライブを「拡張」して広げる
Cドライブの右隣が「未割り当て」になったことで、初めて拡張が可能になります。
- (C:) の部分を右クリックします。
- メニューの中の [ボリュームの拡張] が押せるようになっているはずです。これをクリックします。
- 「ボリュームの拡張ウィザード」が開くので [次へ] を押します。
- 「ディスク領域(MB)を選択」の画面になります。
- すべて吸収する場合: そのまま [次へ] を押します。
- Dドライブもまた作りたい場合: Cドライブに増やしたい分だけ数値を指定し、残りを未割り当てのままにします。
- [完了] を押します。
一瞬で処理が終わり、ディスクの管理画面でCドライブの帯がググッと伸びていれば成功です!
手順4:残りの領域で「新Dドライブ」を作る
もし未割り当て領域を残した場合、そこを新しいDドライブとして使えるようにします。
- 残っている黒色の「未割り当て」部分を右クリックします。
- [新しいシンプルボリューム] を選びます。
- ウィザードに従って [次へ] を連打していけば、フォーマットが完了し、新しい空のドライブ(D:など)が完成します。
- 手順1で退避させておいたデータを、ここに戻します。
トラブル:「回復パーティション」が邪魔をしている場合
稀に、CドライブとDドライブの間に「回復パーティション」という小さな区画が挟まっていることがあります。
この場合、Cドライブの「すぐ右隣」が未割り当てにならないため、拡張ボタンが押せません。
- 対策: Windows標準機能ではこの壁を越えられません。
- 「AOMEI Partition Assistant」や「EaseUS Partition Master」などのサードパーティ製パーティション管理ソフト(無料版)を使うと、この回復パーティションを移動させたり、Dドライブを削除せずにCを拡張したりすることが可能です。
まとめ:急がば回れ、まずはバックアップ
Cドライブ拡張のステップです。
| ステップ | アクション | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | Dドライブのバックアップ | データは必ず外部へ! |
| 2 | Dドライブの削除 | 「縮小」ではなく「削除」 |
| 3 | Cドライブの拡張 | 右隣が空いている必要あり |
「Dドライブを消すなんて怖い!」と思うかもしれませんが、バックアップさえあれば最も確実で安全な方法です。
中途半端なクリーナーソフトに課金するより、物理的に部屋を広げてしまうのが、容量不足の根本解決になります。
