社内ネットワークや自宅から会社のPCへリモートデスクトップ接続している際、Windows Updateを適用した直後から「認証エラーが発生しました」や「リモートデスクトップ接続が切断されました」といったメッセージが出て、接続先PCに入れなくなるケースが少なくありません。特にNLA(ネットワークレベル認証)が有効な環境では、OSの更新により両端の認証方式が合わなくなることで接続が阻まれることがあります。本記事では、NLAに関連する更新後の接続障害の原因を切り分け、端末側・アカウント側・管理設定側の各観点から具体的な対処手順を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: 接続時に表示されるエラーコード(例:0x80090302, 0x8009030E)とイベントビューアーのリモートデスクトップ関連ログ
- 切り分けの軸: クライアントPC側の更新状況、リモートPC(接続先)側の更新状況、資格情報(パスワード・証明書)の有効性、ネットワーク/ファイアウォール設定
- 会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
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目次
1. NLAとは何か – 更新後に問題が起きる理由
NLA(ネットワークレベル認証)は、リモートデスクトップセッションを確立する前にクライアントの認証を求めるセキュリティ機能です。これにより、不正なアクセスやリソース消費を防ぎます。Windows UpdateでNLA関連のコンポーネント(CredSSP、RDPプロトコルなど)が更新されると、クライアント側とサーバー側でNLAのバージョンや暗号化方式に差異が生じ、互換性が失われることがあります。例えば、クライアント側のみWindows 11 23H2に更新したが、サーバー側が古いバージョンのままの場合、CredSSPの更新により接続が拒否されることがあります。
2. 接続できない原因を切り分けるための確認手順
2.1 エラーメッセージとイベントビューアーの確認
まずは画面に表示されるエラーコードを控えてください。代表的なコードとして、0x80090302(認証エラー)、0x8009030E(セキュリティパッケージエラー)、0x80004005(未指定エラー)があります。これらのコードはCredSSPやNLAの不一致を示唆します。次に、リモートPC(接続先)でイベントビューアーを開き、「Windows ログ」→「セキュリティ」または「アプリケーションとサービス ログ」→「Microsoft」→「Windows」→「RemoteDesktopServices-RdpCoreTS」を確認すると、詳細なエラー内容が記録されています。
2.2 両端PCの更新履歴の比較
クライアントPCとリモートPCの両方で、インストールされた更新プログラムの一覧を確認します。特に「CredSSP」「リモートデスクトップ」「セキュリティ更新プログラム」に関するKB番号をメモし、それぞれのバージョンを比較します。Microsoft Updateカタログで検索すると、どの更新がNLA変更を含むか分かります。よくあるパターンとしては、クライアント側にKB5028166やKB5034441が適用されたが、サーバー側に未適用である場合です。
| 状況 | 症状 | 考えられる原因 | 対処の方向性 |
|---|---|---|---|
| クライアント側のみ更新 | エラーコード0x80090302 | CredSSPのバージョン不一致 | リモートPCにも同更新を適用する |
| リモートPC側のみ更新 | 接続画面で「資格情報が無効」 | サーバー側のNALポリシー変更 | クライアント側の更新、またはグループポリシー調整 |
| 両方更新したが接続不可 | 認証後に切断 | 暗号化方式の不一致、証明書問題 | レジストリ設定でNLAを弱める(一時的) |
| アカウントパスワード変更後 | ユーザー名またはパスワードが間違っている | 保存された資格情報が古い | 資格情報マネージャーで削除し再入力 |
3. クライアントPC側で試すべき対処方法
3.1 保存された資格情報をクリアする
Windowsの資格情報マネージャーに古いパスワードが保存されていると、認証に失敗します。コントロールパネルから「資格情報マネージャー」→「Windows資格情報」を開き、「リモートデスクトップ接続」に関する汎用資格情報を削除してください。その後、再度リモートデスクトップ接続を試行し、新しいパスワードを入力します。
会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
- 管理者としてレジストリエディタを開く(regedit)
-
以下のキーに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\WinStations\RDP-Tcp
- 右側の「SecurityLayer」をダブルクリックし、値のデータを「0」に変更します(デフォルトは1または2)
- 「UserAuthentication」の値を「0」に変更します(デフォルトは1)
- 会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
注意:この変更はセキュリティリスクを伴うため、問題が解決したかどうかの切り分け用途に限り、運用状態で維持しないでください。グループポリシーでNLAの強制が行われている場合は、レジストリ変更が上書きされる可能性があります。
3.3 クライアントPCの更新を最新にする
Windows Updateを実行し、利用可能なすべての更新プログラムをインストールします。特に「CredSSP更新」「リモートデスクトップ更新」と明記されたものがあれば優先的に適用します。更新後、PCを再起動してから接続を試みてください。
4. リモートPC(接続先)側で試すべき対処方法
4.1 リモートPCも同様に更新する
コンソールまたは別の管理経路(VPNや遠隔操作ツール)でリモートPCにアクセスし、Windows Updateを実行します。組織ではWSUSやIntuneで更新が管理されている場合があるため、管理者に確認してください。更新後に再起動必要ならば、業務に影響のない時間帯を選びましょう。
会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
- リモートPCで「システムのプロパティ」→「リモート」タブを開く
- 「リモートデスクトップ」欄で「ネットワークレベル認証を使ってリモートデスクトップを実行しているコンピュータからのみ接続を許可する」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして閉じる
- クライアント側から接続を試す。成功すればNLAが原因と特定できる
- 確認後はセキュリティのためにチェックを再度入れてください。グループポリシーで強制されている場合は設定が戻るため、管理者に相談が必要です。
5. ネットワークやドメイン設定の確認
5.1 ファイアウォールの確認
両方のPCで、リモートデスクトップ(TCP 3389)が許可されているか確認します。特にWindows Defender ファイアウォールの受信規則で「リモートデスクトップ(TCP-In)」が有効になっているか見てください。ドメインプロファイル、プライベートプロファイル、パブリックプロファイルの各プロファイルで有効になっている必要があります。
5.2 グループポリシーの影響を調べる
ドメイン環境では、グループポリシーでNLAの強制や暗号化のレベルが指定されていることがあります。管理者に依頼して、該当のポリシー設定(「コンピュータの構成」→「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「リモートデスクトップサービス」→「リモートデスクトップセッションホスト」→「セキュリティ」)を確認してもらってください。クライアント側のCredSSP設定も同様にポリシーで制御されている場合があります。
6. 管理者に依頼すべき設定変更
一般の会社員では変更できない項目があります。以下の情報を管理者に伝えることでスムーズな対応が期待できます。
- 更新の不整合: クライアント側とサーバー側でインストールされている更新プログラムのKB番号を一覧で共有する
- エラーコードとイベントID: 接続時のエラーコードとイベントビューアーのイベントID(例:140, 1149)を伝える
- グループポリシーの変更依頼: NLAの暗号化レベルを「互換性のある」設定(例:SSL/TLSのバージョン緩和)に変更してもらう
- サーバー側のCredSSP更新: リモートPCに未適用のCredSSP更新プログラムがある場合、管理者に承認・適用を依頼する
- 会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
7. よくある質問(FAQ)
- 会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
- Q. グループポリシーでNLAが強制されている場合、自分でレジストリを変更しても意味がないですか?
A. その通りです。グループポリシーは定期的に適用され、レジストリの手動変更を上書きします。管理者にポリシーの変更を依頼する必要があります。 - Q. 更新プログラムをアンインストールすれば元に戻りますか?
A. 一時的な回避策として可能です。しかし、セキュリティ脆弱性を放置することになるため、恒久的な対処としては推奨しません。必ず最新の更新プログラムを両端に適用し、互換性を確認してください。 - Q. 資格情報マネージャーを削除しても改善しません。
A. その場合は、パスワードの期限切れやアカウントの無効化、またはドメイン信頼関係の破損が疑われます。ドメイン環境では「クライアントPCをドメインに再参加」する必要があるかもしれません。管理者に相談してください。 - Q. エラーコード0x8009030Eが出るのはなぜ?
A. このコードはセキュリティパッケージ(CredSSP)のネゴシエーション失敗を示します。両端のCredSSPのバージョンが合っていない可能性が高いです。更新プログラムの適用状況を確認し、不足している更新をインストールしてください。
8. まとめ
会社PCでは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを自己判断で無効にしないでください。接続先、表示されたエラー、利用中の回線を記録し、会社のIT部門へ確認します。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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