リモートデスクトップ接続を利用している際に、手元のPCに直接接続されたプリンターがリモート先のデスクトップで表示されず、印刷できないトラブルは意外と多く発生します。この問題は、リモートデスクトップのプリンターリダイレクト機能が正しく動作していないことが主な原因です。本記事では、プリンターが表示されない原因を段階的に切り分け、会社の環境でも安全に試せる修正手順を詳しく解説します。設定変更が必要な場合は管理者に確認すべきポイントも合わせて説明しますので、安心して対処してください。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: リモートデスクトップ接続の「ローカルリソース」タブ内の「プリンター」チェックボックス
- 切り分けの軸: 端末側のRDP設定、リモート先のプリンター設定、グループポリシーによる制限、ドライバーの互換性
- 注意点: 会社PCではグループポリシーやレジストリの変更は管理者に確認してから行ってください。勝手に変更するとセキュリティポリシー違反になる可能性があります。
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目次
リモートデスクトップのプリンターリダイレクトとは
リモートデスクトップ接続では、リモート先のPCにローカル(手元)のリソースを共有する「リダイレクト」機能が用意されています。その一つがプリンターリダイレクトで、手元のプリンターをリモートセッション内で利用可能にする仕組みです。この機能はデフォルトで有効になっていますが、何らかの理由で無効になっていたり、正常に動作しないことがあります。特にWindows 10やWindows 11のアップデート後、または組織のグループポリシーによって制限されているケースが多く見られます。プリンターリダイレクトが正しく機能するためには、RDPクライアント側の設定、リモート先のプリンタードライバー、そしてネットワークの構成がすべて適切である必要があります。
最初に確認する基本設定(RDPのローカルリソース)
最も簡単な確認ポイントは、リモートデスクトップ接続画面の「ローカルリソース」タブです。ここで「プリンター」にチェックが入っているかどうかを最初に確認してください。チェックが外れている場合は、リモート先にプリンターが転送されません。以下の手順で設定を確認しましょう。
- リモートデスクトップ接続(mstsc.exe)を起動します。
- 「オプションの表示」をクリックして詳細設定を開きます。
- 「ローカルリソース」タブを選択します。
- 「ローカルデバイスとリソース」欄にある「プリンター」のチェックボックスがオンになっていることを確認します。
- チェックが入っていない場合はチェックを入れ、「詳細」ボタンをクリックしてリダイレクトするプリンターを個別に選択することもできます。
- 設定後、接続を続けてリモート先でプリンターが表示されるか確認します。
この基本的な設定で解決するケースは少なくありません。しかし、チェックが既に入っているのにプリンターが表示されない場合は、次の原因を調査する必要があります。
よくあるチェック漏れのパターン
「プリンター」のチェックは入っていても、詳細設定で特定のプリンターのみをリダイレクトする設定になっていることがあります。プリンター名に「Microsoft Print to PDF」などシステムプリンターしか表示されていない場合、目的のプリンターがリストにない可能性があります。また、接続ごとにRDPファイルを保存している場合、そのファイル内の設定が古い可能性もあります。RDPファイルを再作成して試すことも有効です。
グループポリシーやレジストリが原因の場合
会社のPCでは、Active Directoryのグループポリシーによってプリンターリダイレクトが無効化されていることがあります。この場合、クライアント側の設定を変更しても反映されません。管理者権限がない一般ユーザーでは修正できないため、管理者に確認する必要があります。以下に関連するポリシー設定を示します。
| 設定項目 | 通常の状態 | 問題がある状態 |
|---|---|---|
| ローカルリソースのプリンターチェック | オン(またはオフでも利用可能) | グレーアウトして変更不可 |
| リモートデスクトップセッションでのプリンターリダイレクト | 有効 | 無効(ポリシーで強制) |
| レジストリのプリンターリダイレクトキー | 存在しないか「1」 | 「0」に設定されている |
管理者に依頼する際は、「リモートデスクトップサービスのプリンターリダイレクトを許可する」ポリシーが有効になっているか確認してもらうとスムーズです。また、レジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows NT\Terminal Services」にある「fDisablePrinterRedirection」の値が0であることも確認ポイントです。ただし、レジストリの直接編集はリスクが伴うため、必ず管理者に相談してください。
管理者に依頼すべき具体的な確認事項
一般ユーザーでは変更できない設定のため、管理者に以下の点を依頼してください。
- グループポリシーエディター(gpedit.msc)で「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「リモート デスクトップ サービス」→「リモート デスクトップ セッション ホスト」→「プリンター リダイレクト」の設定を確認する。
- 「プリンターのリダイレクトを許可しない」が「未構成」または「無効」になっていることを確認する。
- 「常にプリンター ドライバーをインストールする」も有効にする。
プリンタードライバーとバージョンの問題
リモートデスクトップのプリンターリダイレクトは、ローカル側のプリンタードライバーがリモート側でも利用できる必要があります。特に32ビット版と64ビット版の違いが原因でプリンターが表示されないことがあります。例えば、ローカルPCが64ビット版Windows、リモート先が32ビット版Windowsの場合、ドライバーが互換性がないとプリンターがリダイレクトされません。この場合、リモート先に適切なドライバーを別途インストールする必要があります。
対応手順:ドライバーの互換性を確認する
- ローカルPCとリモート先のWindowsのビット数を確認します(「システム情報」で確認可能)。
- ビット数が異なる場合、リモート先のPCにローカルプリンターのドライバーを手動でインストールします。メーカーのサポートサイトから適切なバージョンをダウンロードしてください。
- インストール後、リモートセッションを一度切断して再接続します。
- プリンターが表示されることを確認します。
また、ドライバーが古い場合も問題が発生します。特にWindows Updateでプリンタードライバーが更新された後に不具合が生じることがあります。一度プリンターを削除して再接続する、または最新のドライバーに更新することで解決するケースがあります。
失敗パターンとトラブルシューティング
ここでは、実際に遭遇する失敗パターンをいくつか紹介します。
- パターン1:プリンターがリモート先に表示されないが、RDPのプリンターチェックはオン
→ グループポリシーまたはレジストリで無効化されている可能性が高いです。管理者に確認してください。 - パターン2:一度印刷できたが、再接続後に表示されない
→ RDPファイルの設定がリセットされたか、ローカルPCのプリンターがオフラインになっています。プリンターの状態を確認し、RDPファイルを再保存してください。 - パターン3:プリンターは表示されるが「オフライン」状態
→ ローカルプリンターがスリープや省電力モードになっている可能性があります。プリンターの電源を確認し、一度再起動してください。 - パターン4:特定のプリンターだけ表示されない
→ ドライバーの互換性問題またはプリンターの共有設定が適切でない可能性があります。プリンターのプロパティで共有設定を確認し、必要ならドライバーを再インストールしてください。
これらのパターンを参考に、自身の状況に当てはまるかチェックしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. リモートデスクトップでプリンターが表示されない場合、まず何を確認すればよいですか?
A. 最初にリモートデスクトップ接続画面の「ローカルリソース」タブで「プリンター」にチェックが入っているか確認してください。それでも表示されない場合は、グループポリシーの制限またはドライバーの互換性を疑います。
Q2. 会社のPCで設定を変更しても良いですか?
A. ユーザー設定(RDPファイルの変更やプリンターの再追加)は問題ないことが多いですが、グループポリシーやレジストリの変更は管理者に相談してください。勝手に変更するとセキュリティポリシー違反になる恐れがあります。
Q3. プリンターがリモート先で表示されるのに印刷できないのはなぜですか?
A. ドライバーの互換性問題が原因であることが多いです。リモート先に適切なプリンタードライバーがインストールされていない可能性があります。また、印刷ジョブがローカルプリンターに送信される前にエラーが発生しているかもしれません。プリンターのプロパティで「プリンターのテストページ」を印刷してみてください。
Q4. リモートデスクトップ接続ごとにプリンター設定がリセットされます。
A. RDPファイルを保存する際に設定が保持されない場合があります。接続設定を「名前を付けて保存」でRDPファイルとして保存し、次回からそのファイルをダブルクリックして接続すると設定が維持されます。
まとめ
リモートデスクトップで手元のプリンターが表示されない原因は、RDPの基本設定ミス、グループポリシーによる制限、ドライバーの互換性問題のいずれかであることが大半です。まずは「ローカルリソース」のプリンターチェックを確認し、次に管理者にグループポリシーの状態を問い合わせるとスムーズです。ドライバーに関しては、ローカルとリモートのビット数が一致しているか確認し、必要に応じて手動でドライバーをインストールしてください。これらの手順を順に試すことで、多くのトラブルは解決できるはずです。どうしても解決しない場合は、ネットワーク管理者やITサポートに詳細なエラーログを添えて相談することをおすすめします。
超解決 第一編集部
疑問解決ポータル「超解決」の編集チーム。正確な検証と、現場視点での伝わりやすい解説を心がけています。
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