SharePoint Onlineで公開した資料が期限切れになった際、利用者の画面から自動的に非表示にしたいと考える管理者は少なくありません。手動で削除や権限変更を行うと作業漏れが発生しやすく、古い情報が参照され続けるリスクがあります。本記事では、アイテムの有効期限設定や保持ポリシー、自動移動など、利用者から期限切れ資料を見せなくする代表的な管理方法を比較し、具体的な設定手順や注意点を解説します。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: SharePointリストやライブラリの「情報管理ポリシー」またはMicrosoft Purviewコンプライアンスポータルの保持ラベル・ポリシー
- 切り分けの軸: 利用者から見えなくする方法は「非表示(権限制御)」「削除」「アーカイブ(別ライブラリへ移動)」の3種類。要件に応じて選択する必要があります。
- 注意点: 会社PCで管理者以外が勝手に情報管理ポリシーを変更すると、他のコンテンツに影響が出る恐れがあります。変更前には必ずサイトコレクション管理者の許可を得てください。
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目次
期限切れ資料を非表示にする主な方法
SharePoint Onlineで期限切れ資料を利用者に見せなくするには、いくつかの方法があります。それぞれの仕組みと適したシチュエーションを理解することが重要です。
アイテムの有効期限を設定する(情報管理ポリシー)
リストやドキュメントライブラリに対して「情報管理ポリシー」を設定し、アイテムごとに有効期限を定義する方法です。期限が到来すると、該当アイテムの権限が削除されたり、アイテム自体が自動的に削除されたりします。この機能はSharePointの標準機能であり、比較的簡単に導入できます。ただし、アイテムレベルでの権限制御が必要な場合や、完全に削除するのではなく参照のみ禁止したい場合には注意が必要です。
保持ラベルと保持ポリシーを使用する(Microsoft Purview)
Microsoft 365 E3/E5など上位ライセンスが必要ですが、Microsoft Purviewコンプライアンスポータルで保持ラベルを作成し、SharePointライブラリに適用する方法です。保持期間経過後にアイテムを自動的に削除したり、保持したまま非表示(アクセス不可)にしたりできます。組織全体のコンプライアンス要件に沿った設定が可能ですが、ライセンスや管理権限が必要なため、導入には事前確認が欠かせません。
Power Automateで自動移動・アーカイブする
Power Automate(旧Microsoft Flow)を使って、期限切れのアイテムを別のライブラリ(アーカイブ用)に自動的に移動する方法です。元のライブラリからアイテムがなくなるため、利用者には表示されなくなります。柔軟な条件設定ができ、承認ワークフローと組み合わせることも可能ですが、フローの作成・管理に一定の知識が必要です。
| 方法 | 動作 | ライセンス | 設定難易度 |
|---|---|---|---|
| 情報管理ポリシー(有効期限) | アイテム権限削除または削除 | SharePoint Online基本 | 易しい |
| 保持ラベル&保持ポリシー | アイテム削除または保持&非表示 | E3/E5以上 | 中程度 |
| Power Automate 自動移動 | アイテムを別ライブラリへ移動 | Power Automate ライセンス | やや難しい |
情報管理ポリシーを使った具体的な設定手順
ここでは、SharePoint標準機能の「情報管理ポリシー」を用いて、期限切れ資料を利用者に見せなくする手順を説明します。この方法は特別なライセンスが不要で、サイトコレクション管理者権限があれば設定できます。
- 目的のドキュメントライブラリを開き、リボンメニューから「ライブラリ」タブをクリックし、「ライブラリの設定」を選択します。
- 「権限と管理」のセクションにある「情報管理ポリシーの設定」をクリックします。
- 「コンテンツタイプ」の一覧から、ポリシーを適用したいコンテンツタイプ(例:ドキュメント)を選択します。
- 「有効期限」のポリシーを有効にし、「期間」としてアイテム作成日や最終更新日からの日数を指定します。例えば「180日」と入力すると、その日数が経過したアイテムにポリシーが適用されます。
- 「アクション」で「このアイテムへの権限を削除」を選ぶと、期限後に利用者はアイテムを見ることができなくなります。「このアイテムを削除」を選ぶと完全に削除されます。
- 設定を保存して完了です。ポリシーは定期的にタイマージョブによって処理され、条件を満たしたアイテムに自動適用されます。
注意点として、ポリシーが有効になるまで最大24時間かかる場合があります。また、アイテムがチェックアウトされているとポリシーが適用されないため、事前にチェックインを促す運用が必要です。
よくある失敗パターンと回避策
期限切れ資料を非表示にしようとして、意図したとおりに動作しないケースがいくつかあります。代表的な失敗パターンとその回避策を紹介します。
情報管理ポリシーがアイテムに適用されない
原因としては、サイトコレクションの「情報管理ポリシーの使用」が無効になっている、またはコンテンツタイプが正しく継承されていないことが考えられます。対処法として、サイトコレクションの管理画面で「サイトコレクションのポリシー」が有効になっていることを確認し、ライブラリのコンテンツタイプ設定を見直してください。
保持ポリシーと競合する
Microsoft Purviewの保持ポリシーが別途適用されていると、情報管理ポリシーの削除アクションがブロックされる場合があります。これは保持ポリシーが削除を禁止するためです。この場合は、保持ポリシーの設定を見直すか、保持期間を先に終了させてから情報管理ポリシーを適用するように調整する必要があります。
アイテムレベルの権限が個別に設定されている
「権限を削除」するポリシーは、ライブラリの既定の権限を継承しているアイテムにのみ有効です。アイテムごとに個別権限が設定されている場合、ポリシーが権限を変更できないため、非表示になりません。このような場合は、Power Automateを使って該当アイテムの権限を直接変更するフローを作成するか、アイテム自体を別のアーカイブライブラリに移動する方法を検討してください。
管理者に確認すべきポイントと注意点
実際に設定を進める前に、社内のSharePoint管理者や情報システム部門に確認すべきポイントがあります。
- ライセンスと利用可能な機能: 使用しているMicrosoft 365のプランによって、保持ラベルやPower Automateの利用可否が変わります。特に保持ポリシーはE3/E5以上が必要なため、事前に確認してください。
- 既存の保持ポリシーやコンプライアンス設定: 組織全体で保持ポリシーが既に適用されていると、情報管理ポリシーと競合する恐れがあります。管理者に現在の設定を確認し、整合性を取ってから操作してください。
- 監査とログの要件: 削除された資料が監査ログに残るかどうか、また利用者が削除前に通知を受け取る必要があるかなど、社内ルールに沿った設計を行ってください。
- テスト環境での検証: 本番適用前に、必ずテスト用のサイトやライブラリで動作確認を行ってください。特に「削除」アクションは元に戻せないため、慎重に行う必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 情報管理ポリシーで非表示にしたアイテムは、検索結果に表示されますか?
権限を削除した場合、検索結果には表示されなくなります。ただし、検索インデックスの更新に時間がかかる場合があるため、すぐに非表示にならないこともあります。
Q2. 期限切れになった資料を、完全に削除するのではなく読み取り専用にしたいのですが、可能ですか?
情報管理ポリシーの標準機能では「権限削除」か「削除」しか選べません。読み取り専用にしたい場合は、Power Automateを使ってアイテムの権限を変更するフローを作成するか、保持ラベルで「保持してアクセス不可」にする方法(E5ライセンスが必要)を検討してください。
Q3. 複数のライブラリに一括で同じポリシーを適用できますか?
情報管理ポリシーはライブラリごとに設定する必要があり、一括適用は標準ではできません。ただし、PnP PowerShellを使用してスクリプトで一括設定することが可能です。管理者に依頼して対応してもらいましょう。
まとめ
SharePointで期限切れ資料を利用者に見せなくするには、情報管理ポリシー、保持ラベル・ポリシー、Power Automateの3つの方法が主な選択肢です。導入コストや管理のしやすさ、求める動作(非表示・削除・移動)に応じて適切な方法を選んでください。設定の際は、既存の保持ポリシーとの競合やアイテムレベルの権限に注意し、必ずテスト環境で検証してから本番適用を行うことをお勧めします。適切に管理することで、社内の情報鮮度を保ち、誤った情報に基づいた業務判断を防止できます。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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