SharePointモバイルアプリを業務で利用していると、パスワード変更やアカウントの切り替え、認証エラーが発生した際にサインイン情報を更新する必要が生じます。「以前は使えていたのに突然ログインできなくなった」という状況は、多くの会社員が経験するトラブルの一つです。サインイン情報とは、アプリに保存されているユーザー名やパスワード、多要素認証(MFA)のセッションなどを指します。これらの情報を適切に更新しないと、ファイルの閲覧や編集ができなくなるだけでなく、アプリ自体が起動しなくなることもあります。本記事では、SharePointモバイルアプリのサインイン情報を更新する具体的な手順を、iOSとAndroidに分けて詳しく解説します。原因の切り分け方や管理者に確認すべきポイントも含めて、実務で役立つ内容をまとめました。
【要点】この記事で確認すること
- 最初に見る場所: アプリの設定画面で「サインアウト」または「アカウントの削除」を試すこと。これでほとんどの更新は完了します。
- 切り分けの軸: 問題が端末側(アプリやキャッシュ)、アカウント側(パスワード期限切れやMFA)、管理設定側(条件付きアクセスポリシー)のいずれに起因するかを特定すること。
- 注意点: 会社PCで管理されているモバイル端末(Intuneなど)の場合、アプリのアンインストールや設定変更に制限がかかっていることがあります。勝手に端末を初期化せず、まずは管理者に確認してください。
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目次
サインイン情報の更新は、以下のような場面で必要になります。まずは自分がどのケースに該当するか確認しましょう。
パスワードを変更した場合
会社のポリシーで定期的なパスワード変更が義務付けられている場合、モバイルアプリに保存された古いパスワードが認証エラーの原因となります。アプリ側でパスワードを更新する必要がありますが、多くの場合は一度サインアウトして再度サインインすることで新しいパスワードが適用されます。
別のアカウントに切り替えたい場合
複数のSharePointサイトを利用している場合や、テナント間での切り替えが必要な場合も、サインイン情報の更新(アカウントの追加・削除)が必要です。アプリでは複数アカウントの保持が可能ですが、切り替えがうまくいかない場合は一度関連情報をクリアするとよいでしょう。
認証エラー(MFAや期限切れ)が発生した場合
多要素認証(MFA)のコードが正しく入力されたのにログインできない、または「アプリのアクセス許可が取り消されました」というメッセージが表示される場合は、セッション情報が古くなっている可能性があります。この場合もサインイン情報の更新が効果的です。
端末やアプリのアップデート後
iOSやAndroidのOSアップデート、あるいはSharePointアプリ自体のアップデート後に、認証情報がリセットされたり互換性が失われたりすることがあります。そのような場合も、一度サインアウトして再サインインすることで問題が解決することが多いです。
サインイン情報更新の基本的な方法
ここではiOS版とAndroid版のSharePointアプリにおける、サインイン情報の更新手順を説明します。基本的な流れは「サインアウト→アカウント削除→再サインイン」ですが、状況に応じて選択肢が変わります。
iOS(iPhone/iPad)での手順
- SharePointアプリを開きます。 アプリが既に開いている場合は、まずホーム画面に移動してください。
- 画面左上のプロフィールアイコン(人物マーク)をタップします。 するとドロワーメニューが表示されます。
- 「設定」をタップします。 設定画面に進みます。
- 「アカウント」のセクションにある「アカウントを管理」をタップします。 現在サインインしているアカウント一覧が表示されます。
- 更新したいアカウントを選択し、「サインアウト」をタップします。 確認ダイアログが表示されるので、「サインアウト」を選びます。
- アカウント一覧画面で、そのアカウントの右側に表示される「i」アイコンをタップし、「このデバイスから削除」を選びます。 これでアカウント情報が完全に消去されます。
- アプリを一度完全に閉じます。 ホームボタン(またはジェスチャー)でアプリをバックグラウンドからスワイプアップして終了させます。
- 再度SharePointアプリを開き、新しいサインイン情報(ユーザー名とパスワード、MFAコードなど)を入力します。 これでサインイン情報が更新され、正常に動作するようになります。
もし上記手順で問題が解決しない場合は、iOSの「設定」アプリからSharePointのキャッシュを削除する方法もあります。設定アプリ→「一般」→「iPhoneストレージ」→「SharePoint」→「Appを削除」と進むと、アプリのデータがすべて消去されます。ただし、この方法ではアプリを再インストールする必要があるため、最終手段として検討してください。
Androidでの手順
- SharePointアプリを開きます。 ホーム画面が表示されていることを確認します。
- 画面左上のハンバーガーメニュー(三本線)をタップします。 サイドメニューが開きます。
- 「設定」をタップします。
- 「アカウント」のセクションで、更新したいアカウントをタップします。 アカウントの詳細画面が開きます。
- 「サインアウト」をタップします。 確認ダイアログで「OK」を選びます。
- アカウント一覧に戻り、そのアカウントを長押しするか、右側のメニューアイコンから「削除」を選びます。 一部のバージョンでは「アカウントを削除」というオプションが直接表示されます。
- アプリを終了します。 最近使ったアプリ一覧からSharePointをスワイプして閉じます。
- SharePointアプリを再開し、新しい資格情報でサインインします。
Androidでは、加えて「設定」アプリからアプリのキャッシュをクリアする方法も有効です。端末の設定→「アプリ」→「SharePoint」→「ストレージ」→「キャッシュを消去」を実行すると、アプリの一時データが削除され、サインイン情報がリセットされます。この方法はアカウント削除よりも軽い操作です。
状況別の対処方法
サインイン情報の更新が必要な状況はさまざまです。以下の表で、代表的なトラブルとその推奨アクションをまとめました。
| 状況 | 推奨アクション | 補足 |
|---|---|---|
| パスワード変更後に「認証エラー」と表示される | アカウントのサインアウト&削除後、再サインイン | 新しいパスワードを入力し、MFAが必要な場合はコードも入力 |
| 別のユーザーアカウントに切り替えたいが、選択肢が出ない | 現在のアカウントを削除し、アプリを再起動して新しいアカウントでサインイン | アプリは複数アカウントを保持可能だが、切り替えが不安定な場合は削除推奨 |
| 「アプリのアクセス許可が取り消されました」と表示される | アプリのキャッシュをクリアし、再サインイン | 管理側でアクセス権が変更された可能性があるため、管理者にも確認を |
| アプリを開いてもすぐに落ちる、応答しない | アプリのアンインストール→再インストール | この場合はサインイン情報が破損している可能性大。管理者が提供する企業ポータルから再インストールすることも検討 |
| 条件付きアクセスによりサインインがブロックされる | 管理者に問い合わせて端末が準拠しているか確認する | 自己解決は困難。Intuneポータルサイトで端末の状態を確認する方法もある |
よくある失敗パターンとその対策
サインイン情報の更新手順を試してもうまくいかない場合、以下のような失敗パターンが考えられます。それぞれの対策も合わせて確認しておきましょう。
サインアウトしても情報が残っている
「サインアウト」ボタンを押したにもかかわらず、次回アプリを開いたときに自動的にサインインされてしまうことがあります。これは、アプリがOSのキーチェーン(iOS)やアカウントマネージャー(Android)に資格情報を保存しているためです。対策として、アカウントの「削除」操作を忘れずに行ってください。削除後は必ずアプリを完全に閉じ、再起動してから新しい情報でサインインしてください。
MFAコードが何度も求められる
サインインのたびにMFAコードの入力を要求される場合、アプリ側で信頼済みデバイスとして認識されていない可能性があります。原因の一つに、サインイン情報の更新時に「サインインの状態を維持する」チェックボックスをオフにしたことが挙げられます。対策としては、MFAの認証方法を「アプリ通知」から「確認コード」に一時的に変更する(管理者が許可していれば)か、管理者に依頼してアプリを信頼済みデバイスに追加してもらうことを検討してください。
「アカウントが存在しません」と表示される
これは原因が多岐にわたります。まずは入力したメールアドレス(UPN)が正しいか確認してください。また、アカウントがテナントから削除されたり、ライセンスが無効になっている可能性もあります。この場合は管理者に問い合わせる必要があります。一方で、端末側の日時が大幅にずれていると認証が失敗することもあるので、端末の時刻設定を「自動設定」に変更してみてください。
アプリが強制終了してしまう
サインイン情報の更新中にアプリが強制終了する場合は、アプリ自体に不具合があるか、端末のストレージ不足が原因です。まずは端末の空き容量を確認し、不要なアプリやデータを削除してください。それでも改善しない場合は、SharePointアプリを最新バージョンにアップデートするか、一度アンインストールして再インストールします。会社管理の端末ではポリシーでインストールが制限されている可能性があるため、再インストールができない場合は管理者に相談してください。
管理者に確認すべきポイント
自己解決が難しい場合や、何度試してもサインイン情報の更新ができない場合は、管理者に以下の点を確認してもらう必要があります。
- 条件付きアクセスポリシー: SharePointモバイルアプリへのアクセスに特定の条件(準拠デバイス、IPアドレス制限など)が設定されていないか。ポリシーが変更されたことでサインインがブロックされている可能性があります。
- アプリ保護ポリシー: Microsoft IntuneなどのMDMでアプリにアクセス制限がかかっている場合、サインイン情報の更新が正常に動作しないことがあります。特に、アプリのアンインストールやキャッシュクリアが禁止されているポリシーが適用されていないか確認してください。
- ユーザーアカウントの状態: アカウントが無効化されていたり、ライセンスが割り当てられていない場合、サインインできません。管理者はAzure ADでユーザーの状態とライセンスを確認できます。
- MFAの設定: 多要素認証の方式(アプリ通知、電話、SMS)によっては、モバイルアプリとの互換性に問題が生じることがあります。管理者がMFAの設定を見直す必要があるかもしれません。
- SharePointサイトのアクセス権: サインインは成功するが、サイトにアクセスできない場合は、サイトのアクセス許可が正しく設定されているかどうか確認してください。グループのメンバーシップ変更が反映されていないこともあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. サインアウトせずにパスワードを更新する方法はありますか?
残念ながら、SharePointモバイルアプリにはパスワードを直接変更する機能はありません。パスワードを変更した場合は、必ず一度サインアウトしてから新しいパスワードでサインインし直す必要があります。サインアウトが面倒な場合は、Webブラウザで一度サインインしてからアプリを開くと、自動的に新しいパスワードが認識されることもありますが、確実ではありません。
Q2. 複数のアカウントをアプリに追加できますか?
はい、可能です。iOS版、Android版ともに、設定の「アカウントを管理」から複数のアカウントを追加できます。ただし、アカウントを切り替える際に情報が混在するとエラーの原因になるため、必要ないアカウントは削除することをおすすめします。
Q3. アプリを再インストールするとサインイン情報はすべて消えますか?
通常、アプリをアンインストールすると、アプリ内に保存されていたサインイン情報やキャッシュは削除されます。ただし、iOSのキーチェーンやAndroidのアカウントマネージャーに保存されている資格情報は残っていることがあります。完全に消去したい場合は、アンインストール前に必ずアカウントの「削除」操作を行ってください。
Q4. 「サインインできません」と表示されるが、Webブラウザでは使えるのはなぜですか?
Webブラウザとモバイルアプリでは認証方式が異なる場合があります。特に、条件付きアクセスポリシーがモバイルアプリに対して厳しく設定されているケースです。また、アプリ側で保存された古いトークンが原因であることも多いです。多くの場合、アプリのキャッシュをクリアし、サインイン情報を更新することで解決します。
Q5. 管理者に連絡する前に自分で試せることはありますか?
以下の手順を順番に試してください。これで解決する可能性が高いです。
1. アプリのキャッシュをクリアする(Androidでは設定アプリから、iOSではアプリの再インストール)。
2. アカウントのサインアウトと削除を行い、端末の時刻設定が自動になっているか確認する。
3. アプリを最新バージョンにアップデートする。
4. 端末を再起動する。
5. 別のWi-Fiやモバイルネットワークに接続して試す。
まとめ
SharePointモバイルアプリのサインイン情報の更新は、基本的な手順としてサインアウトとアカウント削除、そして再サインインが有効です。問題が解決しない場合は、キャッシュクリアやアプリの再インストールを試し、それでもダメなら管理者にアカウント状態やポリシー設定を確認してもらいましょう。本記事で紹介した手順や比較表を参考に、自分が置かれている状況に合わせて適切な対処を選んでください。サインイン情報の更新は多くのトラブルの根本解決につながるため、ぜひ実践してみてください。
超解決 リモートワーク研究班
Microsoft 365の導入・保守を専門とするエンジニアグループ。通信障害やサインイン不具合など、ビジネスインフラのトラブル対応に精通しています。
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