「Windowsの起動音や通知音は聞こえるのに、Google ChromeでYouTubeを見る時だけ音が出ない」「Zoomの相手の声は聞こえるのに、ゲームのBGMだけが鳴らない」……。
スピーカーの故障を疑う前に、Windowsの隠れた設定を確認してください。
実はWindowsには、全体の音量とは別に「アプリごとの音量」を個別に設定できる機能があり、そこで特定のアプリだけが「ミュート(消音)」になっているケースが非常に多いのです。
この記事では、アプリごとの音量バランスを調整する「音量ミキサー」の使い方と、出力先がズレている場合の修正方法を解説します。
目次
手順1:【原因No.1】「音量ミキサー」でミュートを解除する
「以前、Web会議中にブラウザの音がうるさくてミュートにしたのを忘れている」というパターンが一番多いです。
音量ミキサーを開いて、個別のミュート状態を確認します。
- 音が出ないアプリ(Chromeやゲームなど)を起動して、音が出る状態(再生中)にしておきます。
(※起動していないとミキサーに表示されません) - タスクバー右下の [スピーカーアイコン] を右クリックします。
- [音量ミキサーを開く] をクリックします。
- 「アプリ」という欄に、起動中のソフトごとの音量バーが並んでいます。
- 音が出ないアプリの音量バーが下がっていたり、下にあるスピーカーマークに「×印」が付いていませんか?
- バーを上げて、ミュートを解除してください。
手順2:アプリごとの「出力先」を確認する
音量は上がっているのに聞こえない場合、そのアプリだけが音を「別の場所(例:電源の入っていないモニター)」に出そうとしている可能性があります。
Windows 11の場合
- [設定] > [システム] > [サウンド] を開きます。
- 一番下までスクロールし、[音量ミキサー] をクリックします。
- 「アプリ」の一覧から、音が出ないアプリの右側にある [∨](矢印)をクリックして展開します。
- 「出力デバイス」の項目が「既定」ではなく、別のデバイス(HDMIモニターなど)になっていませんか?
- ここを普段使っているスピーカーやヘッドホンに変更してください。
Windows 10の場合
- [設定] > [システム] > [サウンド] を開きます。
- 一番下の「詳細設定」にある [アプリの音量とデバイスの基本設定] をクリックします。
- 音が出ないアプリの「出力」の項目を確認し、正しいデバイスに変更します。
手順3:サウンド設定を「既定値にリセット」する
いろいろ触りすぎて訳がわからなくなった場合、すべての音量設定を初期状態に戻します。
- 上記の手順2で開いた設定画面(音量ミキサー または アプリの音量とデバイスの基本設定)の下の方を見ます。
- [リセット] というボタンがあります。
- これをクリックすると、全アプリの音量と出力先が「Windowsの標準設定」に戻ります。
これで音が復活するか確認してください。
手順4:ブラウザの「サイトのミュート」を確認する(Chromeの場合)
Webブラウザの場合、Windowsの設定ではなく、ブラウザ機能で「そのサイト(タブ)」だけミュートされていることがあります。
- 音が出ないタブ(YouTubeなど)の上部にある「タブの見出し」を右クリックします。
- メニューに [サイトをミュート] と表示されていれば正常です(音が出る状態)。
- もし [サイトのミュートを解除] と表示されていたら、それをクリックしてください。
まとめ:全体音量と個別音量は別物
特定アプリ無音の解決フローです。
| 確認箇所 | チェック内容 | 原因 |
|---|---|---|
| 音量ミキサー | アプリごとの音量バー | 個別ミュート |
| 出力デバイス設定 | 出力先がモニター等になっていないか | 出力先の誤り |
| ブラウザのタブ | タブの右クリックメニュー | サイトミュート |
「PCの音量は100なのに!」と焦る前に、右下のスピーカーを右クリックして「音量ミキサー」を覗いてみてください。
意外なアプリが「ゼロ」になっていることがよくあります。
